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「勝負あったな。」
「これでおしまいよ。投降しなさい。」
この状況では決して逃げられない。
勝負あったかのように思えた。
だが。
「これで終わりだと!?あまいわっ!」
「うわっ!!」
「きゃあっ!!」
私の体にものすごい強烈な衝撃が襲う。
気がついたら私たちは地面に倒れていた。
一体私の身に何があったのだろう?そんなことも考える暇も無かった。体全体に痛みが走る。その痛みのせいで起き上がることができない。だが、その状況でも首だけはなんとか動かせる。私は何が起こったかを見極めなければならない。
私は残った力でゲイルの方へと視線を向ける。
その私の目に入った光景とは。
「あ・・・が・・・」
「ばーか。大人しく投降すればこんな事にならなかったのに。」
ゲイルの体を後ろからエルウィンが剣で突き刺していた。
そしてエルウィンが剣を抜くと、ゲイルは何も言葉も発せず、その場に倒れた。
その光景を見てエルウィンが一言。
「おい、いつまで寝ている。終わったぞ。」
このやろう、あとでぶん殴ってやる。
「・・・と言うわけで、乾杯っ!」
「「「乾杯!!」」」
私たちはその夜、酒場にいた。同じテーブルにはエルウィン、アーカム、フィーナがいる。ウォルフ騎士団長は「まだ勤務がある」といってこの場には参加しなかった。だが私は知っている。前日、このような作戦を立てたのはウォルフ騎士団長だからだ。なので大部分の功績はウォルフ騎士団長にある。
だが、予想外の出来事が起こった。私とアーカムの出現で勝負がつくと思ったがその通りにはならなかった。エルウィンがあの場に出てきたのは作戦には無かったのだ。だからそういう意味では、最大の功績者はエルウィンなのだ。
まぁ、悪く言えば美味しいところを全部持っていってしまったと言うのが当てはまるだろう。
そういうこともあってか、ここの飲み代はウォルフ騎士団長の奢りとなった。エルウィンは上機嫌でビールをがぶ飲みしている。ただ酒だからここで飲めるだけ飲んでおこうという魂胆が見え見えだ。
私たちは夜遅くまで語らい、酒を飲み続けた。




