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「なに・・・これ?」
リリカが地面に設置した装置(といえるだろうか?)を見ると、紙に何か模様が描かれたものをある法則に従って規則的に、円形に並べられたように見える。
「みなさん、この円の中に入ってください。」
装置を設置完了したのだろうか、リリカがそう促す。
「追っ手はもうすぐ来ている。急ぐんだ。」
せかすエルウィン。
私たちは言われるがまま装置の円の中に入った。
「よし、リリカ、装置を起動させろ。」
「了解です!」
「まって、この装置は何なの?」
私はエルウィンに問いかける。
「これは遠隔地まで一気に移動できる錬金術の道具だ。使えるのは一回きりだし、作成にもコストがかかりすぎているから本当は使いたくなかったが、今はそんなことを言っている場合じゃないからな。」
「それじゃ、起動します!」
リリカがそう叫ぶと、目の前が真っ暗になった。
めまいに似たような感覚。余り気持ちの良い物じゃない。
そんな感覚に耐えながらほんの数秒後。
気がつくと私たちはエルウィンの工房の前に来ていた。時間も真夜中だ。
「よし、無事に付いたな。今日はゆっくり休んでくれ。しばらくは安心して過ごすことができるだろう。」
「エルウィンさん、今回のこと、感謝しています。助けてくれて。」
アーカムがエルウィンに話しかける。
「別にお前のためにやった事じゃねぇよ。」
「わかってます。今回はフィーナを助けてくれてありがとうございます。では俺は自分の部屋に戻るので。」
「気をつけて、アーカム。」
そう言って私たちはアーカムを見送った。
「さて、フィーナはどうする?」
「行くところがないんですよね?なら今日は私たちの工房に泊まっていってはどうですか?」
と、リリカの提案。エルウィンは何も言わない。
「そうはいっても別途の数が足りないわよ。」
そう、ベッドは私とリリカとエルウィンの分しかないのだ。
「だったら、私はシズクと一緒に寝る!ね、良いでしょシズク!」
そう言ってフィーナは私に抱きつく。
「うーん、まぁフィーナなら・・・。」
「やったぁ!今日は良い夢見られそう!。」
そう言って私とフィーナは工房の中へと入っていった。
「さて、ここまでは順調だな。リリカ、追っ手がリーゼガングに付くのは後どれくらいだ?」
「徒歩だと1週間、馬を使うと3~4日といったところでしょうか。」
「それだけあれば十分か。今日は俺たちも休むとしよう。詳細な作戦は明日にしようか。」
「はい。」




