表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界のアルケミスト  作者: 多岐川ノリ
足枷の踊り子
37/104

 テントの中は円形のステージになっていた。ステージを中心にして階段状に観客席が並べられていた。ステージから離れていくごとに高い位置からステージを見下ろす構造になっている。

 そして天井もものすごく高く作られていた。さらに何かの演目で使用するのだろう、よくわからないが、機材らしきものが天井からぶら下げられている。

 すでにテントの中は観客で一杯だった。私たちの座る場所はあるのだろうか?いくら何でも立ち見は御免被りたい。

 「あっ、もうすぐ始まるみたいですよ!あそこにちょうど席が三つ空いています。あそこに座りましょう!あそこからなら良く見えますよ!」

 「お、おい、わかったからそんなに引っ張るな!」

 リリカはエルウィンの腕を強引に引っ張って空いている席へと連れて行こうとする。完全に師弟関係は逆になっていた。

 こんな混雑している中で良くこんな席を見つけられたものだ。私は近くまで近づいてやっと空いていることに気がついた。入り口からは人が邪魔になって良く見えない場所だ。というか、良く偶然、3席も空いていたものだ。これは私たちに「是非見ていってくれ!」と言わんとしているようにしか思えない。まぁせっかく空いているのだから使わせてもらおう。

 「ほら、始まりますよ!」

 完全に冷め切っているエルウィンと期待に胸を膨らましているリリカ。旅芸人が見せるショーとは一体どんなものなんだろう?




 目の前で行われていたのはピエロのようなメイクをした(私たちの世界の、よく知っているピエロとは若干違うようだ。)男のジャグリング。同じく奇妙なメイクをした男女による空中ブランコ。猛獣たちが出てきて様々なショーを行う、などなど。私たちの世界で言う「サーカス」の演目が延々と続いた。

 エルウィンは大きなあくびをして見ている。多少飽きてきているようだ。一方のリリカといれば目をキラキラさせてステージに注目している。そして一芸が決まるごとに惜しみない拍手を送っていた。

 「あんた、普段リリカにどんな生活させているのよ。」

 「仕方が無いだろ。お金が無いんだ、お金が。」

 そうだった。こいつはかなりの浪費家だったんだ。こんな家庭で生活費切り詰めて生活しているなんて、不憫な子・・・。

 「あんたがお金使いすぎているからでしょ!」

 あれ?そういえばどうしてリリカってエルウィンの家で生活しているの?

 年齢的に考えて親子とは考えられない。せいぜい軽く見積もって10年ぐらいの年齢差だろう。

 これって法律的にOKなのかな?いや、あの家に王子が出入りしていると言うことは法律的にはOKなのだろう。

 じゃあ、2人の関係はなんなのか?

 これって聞いて大丈夫なものだろうか?

 あれこれ考えているうちに観客が一層の歓声を上げ始めた。

 「いよいよです!いよいよ今回のメインが始まりますよ!ほら、シズクさんも師匠も!ステージに注目してください!見逃しちゃいますよ!」

 ステージに目を向けると1人の少女が両手に剣を持って立っていた。そして、音楽が流れ始めるとその音楽に合わせて踊り、その振り付けに合わせて剣を振ったり、空中に放り投げてはバック転してその剣をキャッチしたり。

 その技を一つ決めるごとに歓声が沸き上がる。

 なんていう美しい剣技なんだろう。私はすっかりその剣技に見とれてしまっていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ