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目覚まし時計の音かけたたましく鳴る。
私は時計のアラームを消し、時刻を確認する。
朝の7時だ。
私はいつも通り制服に着替え、台所のテーブルの自分の席に座る。目の前には朝食のパンとサラダが置かれていた。正面の席には私のお父さんが座っていて、すでに朝食を済ませ、新聞の朝刊に目を通している。
「どうしたの?なんか顔色が悪いようだけど。」
とキッチンで洗い物をしている私のお母さんが私に話しかけてきた。
「うん、ちょっと悪い夢を見ていた見たい。なんか知らない森の中にいて、オオカミみたいな獣に襲われそうになってたの。でも、結局はそこに男の人が出てきて助けてくれたんだけどね。」
「あら、素敵な夢じゃない。私もそんな男性に助けられてみたいわぁ。ねぇお父さん。」
「ん?あ、あぁ。」
新聞を読みながら素っ気ない返事を返すお父さん。
「それよりも、早く食べちゃいなさい。遅れるわよ。」
「あ、うん。」
そう言って、目の前にあるパンとサラダを胃の中に入れた。
「それじゃあ、行ってきます。」
「えぇ、気をつけてね。あ、その前に裕太を起こしてくれないかしら?」
「あいつ、まだ寝てるの?もうしょうがないなぁ。」
裕太は私の弟だ。そして、彼を起こすのも私のほぼ日課となりつつある。
私は裕太を起こすと家を出た。
いつも通りの通学路。
「おはよう!」
「あ、おはよう!」
話しかけてきたのは親友の優香だ。高校へ登校するときには必ずここで待ち合わせを行う。そして、たわいもない会話をしながら高校へと向かう。
「・・・それでさ、今日、変や夢を見ちゃってさ。」
朝、お母さんに話した夢の話を優香にも話した。
「あら、素敵な夢じゃない。そんな私を助けてくれる素敵な男性現れないかしら。」
・・・反応はお母さんと同じだ。
実際はそんなに素敵な男性だっただろうか?私には無愛想で口数の少ない青年にしか見えなかったのだが。とても私の理想の男性とは思えない。
私の理想の男性とは・・・そう、優しくて愛想がよい男性。まさしく夢の中の青年とは全く正反対の男性だ。
そんなたわいもない会話をしている内に私たちの通う高校にたどり着いた。
教室に入ると元気にクラスメイトと挨拶を交わし、自分の席に着く。
そして高校中にチャイムが鳴り響くとホームルームがはじまる。
教室の扉が開き担任の先生が姿を現す・・・はずだった。
「あ、あなたは!」
私は思わず叫んでしまった。
目の前に現れたのは、夢の中の青年、エルウィンだった。
「何をそんなに驚いているんですか、シズクさん?」
その声の方を方を向くと、そこにはリリカの姿があった。
どうなっているの?
私は夢から覚めたんじゃないの?
私はベッドの上で目を覚ました。
目に入ってきたのは見慣れない天井。
そこは昨日やってきたエルウィンという青年の家の中だった。
「やっぱり・・・夢じゃないんだ・・・。」
なんでこんな事になってしまったんだろう。
うつむきながら私はベッドから出た。
お母さんのご飯が食べたい。
優香と楽しくお話がしたい。
元の世界に帰りたい・・・。




