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結局私たちはリリカを留守番ににしてリーゼガングの王子ニルード、エルウィンと一緒に夜のリーゼガングの酒場へと繰り出すことになった。
「でも王子様が夜の酒場に繰り出して騒ぎにならないんですか?」
私はニルードに訪ねる。
「大丈夫だよ、一応浄化に繰り出すときは身分を隠しているからね。ほら、この服だって一般民衆の服と変わらないだろう?」
その割には服はきれいに洗濯したての感じがする。いや、仕立て上げたばっかりと言った方が正確か。私たちに見たいに何度も着込んだ服では無い。それだけでも一般民衆とは異なるのに、彼自身が醸し出す気品が、何より違う。たぶん、一般民衆に紛れ込んでいたとしても一人だけ浮いた存在となっているだろう。
こんなんで本当に大丈夫なのだろうか?
そんな心配をよそに、ニルードは酒場の扉を開ける。
その瞬間。
「おっ、王子様の登場だ!」
「王子様、今日も奢ってくださいよ!」
そっこーバレてるじゃん!
「しかたがないなぁ、今日は僕がみんなの食事代払っちゃうよ!」
その一言で完成に沸き上がる店内。
ここでそんなこと言うか!?自分で自分が王子様って認めてるじゃん!
「さぁ、今日は王子様の奢りだ!じゃんじゃん飲んでくれ!」
酒場の店主の一言でさらに完成が沸き上がる。
あぁ、もういい、勝手にして。
「おっ、王子様、その隣にいる女性は彼女ですかい?」
「気がついたか。みんな聞いてくれ!彼女が僕の后になるお方だ!」
再び沸き上がる店内。
ちょっと、そんなこといつ誰が決めたの!?
気がついたときには私はニルードの顔を平手打ちしていた。
「まったく、勝手に決めないでよね!」
「ごめん、機嫌を直してくれよ。」
「いいじゃないか、シズク、お城に嫁いだ方が工房が静かになる。」
「それってどういう意味?私が邪魔者だというの?」
「それ以外にどういう意味がある?」
「そんなこと言うんなら採取について行ってあげないから。」
「む、それは困る。シズクのおかげで金銭的に助かっているからな。普通に護衛を頼むとお金がかかりすぎて困る。」
「ちょっと、それってどういう意味?」
「まぁまぁ、ここは僕に免じて。」
「「あんたがそれを言うか!?」」
「あ・・・」
「う・・・」
見事に2人の声がハモった。
・・・しばらくの沈黙。
「ま、まぁ、自分の将来は自分できちんと決めろ。」
その沈黙をエルウィンが破る。
「い、言われなくてもそうするわよ。」




