6
私たちは二輪の「幸せを呼ぶ」白い花を手にリーゼガングの街へと戻ってきた。3人はリーゼガングの一番外の城壁をくぐり、エルウィンの工房の前へとやってきた。
「2人とも、ありがとうな。特にシズク、君がいなかったら手にすることはできなかったと思う。これはお礼だ。受け取ってくれ。」
そう言ってアーカムは2輪ある白い花のうちの1輪を私に差し出した。
「え?いいの?」
「こんな俺の個人的な事情に付き合ってくれたお礼だよ。また何かあったらよろしくな!あ、何かあったら俺を頼ってくれても良いぜ!」
そう言い残してアーカムはリーゼガングの市街地へと向かって歩いて行った。
「じゃあ、リリカ、私たちも・・・」
「待ってください、シズクさん!」
え?
「アーカムさんがどなたにあの白い花をプレゼントするか気になりませんか!?」
「ま、まぁ気にならないっていったら嘘になるけど・・・。」
「だったら!私たちもアーカムさんの後をつけてみましょうよ!」
え?ええ!?
「さぁ、行きますよシズクさん!」
というわけで私はリリカに引きずられる形で工房には戻らず市街地へと向かっていった。
私は一秒でも早くお風呂に入りたいのに~!
私たちはアーカムの後を追ってリーゼガングの市街地へとやってきた。
すでに目的地は決まっているのだろうか。他には目もくれず、一点に集中してそこに向かってまっすぐに歩き続けるアーカム。そして、そのアーカムに気づかれないようにこっそりと、時には木の陰や家の陰などに隠れながらその姿を追い続ける私たち。
周りから見たら私たちはどのように見えているのだろう。もしかしたら怪しい人物と思われているのかもしれない。いつ通報されてもおかしくはないだろう。ああ、早く帰りたい!
そんな事を考えながらアーカムの後を追い続けていると、アーカムは一件の雑貨屋に入っていった。見覚えのあるお店だ。
「ってここってファナさんのお店じゃない!?」
「そ、そうですね・・・。」
「彼、もしかしてファナさんに気があるとか?」
「もしかして不倫ってやつですか?」
「そ、それだったらやばいかも!アーカムのやつそのこと知っているのかな!?」
「だったらちゃんと教えるべきですよ!」
「あ、ちょっと、リリカ!」
リリカは私の静止を振り切って雑貨屋さんの扉を思い切り開けた。
私たちの目に飛び込んできたのは雑貨屋の店主ファナさんに白い花を渡そうとしているアーカムの姿だった。
「お、おまえら!?」
「あら、お二人してどうしたのかしら?」
「何ってファナさん、不倫はダメですよ!不倫は!」
ファナさんとアーカムに向かって大声で叫ぶリリカ。幸い店内には他のお客さんはいないようだ。いたら大変な事になっていただろう。
「お前ら、何か勘違いしているだろ。」




