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異世界のアルケミスト  作者: 多岐川ノリ
幸せを呼ぶ白い花
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 あれから何日間さまよっただろうか。

 見渡す限りの荒野。

 草木など一本も見えない、同じような光景。


 すでに体力も精神的にも限界に来ていた。

 「あーもうやだ!」

 私はその場で倒れ込み仰向けに寝転がった。

 「もう何日も同じ食事だし、もう何日もお風呂に入っていない!いつになったらその白い花とやらは見つかるの!?私もう帰りたい!」

 「そうですね。私ももう限界です。ここは一旦帰りましょう。爆弾も底をつきましたし。」

 とリリカも告げる。そうだ、ここは一旦引き返すべきだ。

 「いや、なんか今日こそは見つかりそうなんだ。もうちょっと探してみよう。」

 と、アーカムは告げる。

 というか、なんで私はこんな事に付き合っているのだろう。元々白い花なんて私には関係ないことなんだ。はじめからアーカム1人で探したら良いじゃ無いか!

 「やだ!もう動きたくない!」

 私は寝転んだまま空を眺める。

 視界に入ってくるのは青い空と白い雲。そびえ立つ高い崖。その崖の上に光る白い物。

 ん?白い物?

 「ねぇ、あれ、何かしら?」

 私はその白い物を指さした。

 「あれは・・・」

 「シズクさん、お手柄です!」

 えっ!?

 「あれが探していた例の白い花ですよ!」

 私も目をこすって白い物をよく見る。

 ・・・確かに白い花だ。それも2輪も。

 「やったぁ!目的のアイテム発見!」

 そうか、植物だからずっと地面を探し歩いていた。だからあんな高いところに咲く白い花を見つけることができなかったんだ。

 「そうか、視点を変えるって事が重要だったんだね。」

 「?なんのことですか?」

 「いや、こっちの話。」

 「よし、俺が登って取ってこよう。」

 そう言ってアーカムは重い装備を脱ぎ、白い花を目指して崖を登り始めた。

 その光景を崖の下で見守る私とリリカ。

 しかし、アーカムも体力の限界なのだろうか。その歩みはとても順調には見えない。何度も足を止めては足をかける場所を探し、時々、足下が崩れヒヤリとさせる場面もしばしば起こった。それでも確実にアーカムは白い花の元へと近づきつつあった。

 そして、アーカムは2輪の白い花をつかむ。

 「やったっ!」

 と同時にアーカムの足場が崩れた。

 「危ない!」

 私はとっさに体が反応し、アーカムの落下地点の真下に移動し、アーカムの体を受け止める。

 「済まない、シズク。」

 「もう、本当は立場的に逆でしょ!」

 「ん?何のことだ?」

 「な、何でも無い!とにかく目的の物は手に入れたんだから早く帰りましょ!」



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