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「ここから遙か北に行った高台に生えていると聞いたことがあります。」
北にある高台・・・結構遠いところにあるわね。
「じゃあ、早速行こう。案内してくれ。」
「行くなら勝手に行ってこい。」
そう言ってエルウィンは席を立ち、工房部屋へ向かって歩き出した。
「そんな言い方しなくてもいいじゃないですか!高台の場所は私が知っていますから案内しますよ。」
「ありがとう。恩に着る。」
「あ、そうそう。」
エルウィンは工房部屋の扉を開けながら話しかける。
「あのあたりは凶暴な魔物が出てくるらしいからな。腕の立つ傭兵を連れて行った方がいいかもしれないな。」
そう言い残してエルウィンは工房の中へと消えた。
アーカムとリリカの視線が私に向かう。
「その・・・リリカはその高台に言ったときはエルウィンと一緒に行ったの?」
「いえ、やはり不安だったので腕の立つ傭兵を護衛に雇って行きました。」
いっそう強い視線が私に向かって注がれる。そ、そんな目で見ないで・・・。
いや、まって、ここは冷静になって考えよう。
リリカ、エルウィンの二人では護衛が必要なほどの危険な場所だ。そこにアーカムという得体の知れない外国人とリリカが二人で向かおうとしている。アーカムの実力は未知数だ。いや、ある意味不安要素である、というべきかもしれない。
と、言うことはやっぱり・・・。
「頼む、シズク!一緒についてきてくれ!」
・・・不安的中。やっぱりこういうことになるのね。
「・・・まぁ、仕方ないわね。リリカに万が一のことがあったら私も困るから。」
「ありがとうございます!シズクさん!」
「よし、準備ができ次第出発しよう!」
そしてリーゼガングを出発して一週間。
私たちは目的地である北の高台へとやってきた。
アーカムはというと背中に身の丈ほどの大きな両刃の剣を背負っている。リリカは大きな鞄を抱えて持っている。おそらく中には大量の爆弾が入っているのだろう。
「さて、目的の場所に着いたのはいいけど、どこに目的の白い花が咲いているんだ?」
「さぁ、そこまでは何ともいえませんが・・・。」
「みんなで手分けして探す?」
私からの提案だ。
「いえここの魔物は凶暴で危険です。離れない方がいいですよ。」
そうだった。すっかり忘れていた。
「とりあえず、あっちの方から探してみましょう。」
リリカが指さす方へ、周りを見渡しながら歩き出す。白い花が咲いていないか注意深く。
と、そのとき突然、私たちの頭上に大きな陰が現れた。
「魔物です!気をつけて!」
リリカが頭上を見上げて叫ぶ。アーカムは背中の大きな剣を構え、私も自分の得物、刀を構える。
「来ます!」
そうリリカが叫んだ瞬間、私たちの目の前に、私の背丈以上の大きさの体を持つ大きな怪鳥が姿を現した。




