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「シズクさん、ちょっと一休みしましょうか。」
「そうね。ちょっと歩き疲れちゃった。」
そう言って、私は第二の城壁内部に作られた広場のベンチに腰をかける。その隣にリリカもベンチに腰をかけた。
私もこの世界にやってきて3ヶ月以上が経とうとしていた。
すでにこちらでの生活も慣れてきた。エルウィンが作った調合物の配達が主な仕事ではあるが、それ以外にも最近は城壁の外へ採取に連れて行ってもらえることも多くなってきた。私はそのときにはリースの鍛冶屋で作ってもらった刀を振り、襲ってくる魔物達を追い払うことにも慣れてきた。
「えっと、あと何件だっけ?」
「そうですね、あと3件ですけど・・・あれ?」
そこでリリカの声が一旦途切れる。何があったのだろう?
「どうしたの?」
私はリリカに訪ねた。
「誰かがこっちに近づいてきます!」
私たちの元に近づいてきたのは1人の男性だった。
「あんた、外国人だろ?」
何だこの人は?馴れ馴れしい。私はこういう男は大嫌いだ。新手のナンパだろうか?とにかく適当にあしらってこの場を離れようか。
「どうして外国人ってわかったの?」
「あんたの持っている剣、ここらじゃ見ない物だろ?それを見れば誰だってこの国の人間じゃ無いってわかるよ。」
そう、私はリーズから受け取った刀を肌身離さず持っている。自分の身やリリカ達に何かあったときに対応出来るようにするためだ。だが、リーゼガングにいる間は一度も剣を抜いたことは無いのだが。
「で、私に何のようなの?」
「俺も最近この国にやってきた外国人なんだ。名前はアーカム。同じ外国人同士仲良くでき無いかなって思って。」
「この方はシズクさんっていうんですよ。第二城壁の外にある工房で一緒に過ごしているんです。」
「ちょっと!リリカ!」
「大丈夫ですよ。それにこの国には外国人を大切にするという習慣があるんです。」
そうか、だから見ず知らずの私もあの工房でお世話してくれているんだ。改めてリリカに感謝しなければ。・・・一応エルウィンにも。
「そうか。今度暇なときに遊びに行くよ。君の持っている武器にも興味があるしね。じゃあ、また!」
そう言って大きく手を振ってアーカムと名乗った外国人はその場を去って行った。私はそれに応える様に小さく手を振り替えした。リリカは小さな体で大きく手を振った。
「どう思う?さっきの人。」
「どうって?別に悪い人には見えませんでしたけど。」
「そう、なら良いんだけど。」
「どうかしたんですか?」
「いや、別に・・・。あ、それよりも、早くお届け物をかたづけちゃおうよ。もう十分休んだことだし!」
「そうですね。早くかたづけて夕食にしましょう!」
そう言って私たちは広場を後にした。




