表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/104

 まずは正しい構え。

 右手は柄を軽く握り、左手はしっかりと柄を握る。

 そして、ゆっくり振りかざし、振り下ろすと同時に、ぞうきんを絞るように両手で柄を強く握る。

 

 剣道の基本動作。その通りに体を動かし刀を振るう。

 その結果。


 藁の束は斜めに真っ二つに割れた。刀によって切り離された藁の束はパサッと静かに地面に落ちる。その光景を目の当たりにした私は思わず言葉を失った。

 「やった!やりましたねシズクさん!」

 「なんだ、やればできるじゃんシズク!」

 「・・・私、ほんとに斬ったんだ・・・。」

 「そうですよ!シズクさん、ついにやったんです!」

 私は未だに信じられない気持ちだった。思わず刀を手放し地面に刀が落ちる。そんな私にリリカは嬉しそうに抱きついてきた。リーズも私のそばにやってくる。

 「なんだ、騒々しい。」

 エルウィンが不機嫌そうに姿を現した。

 「師匠!シズクさんがやったんですよ!」

 エルウィンは真っ二つに切り裂かれた藁を見て、

 「・・・ふん、やっと使いものになったか。」

 「エルウィン、これで私も採取に連れて行ってもらえるのね!」

 「・・・それとこれとは別だ。」

 「・・・なっ!」

 「・・・まぁ、考えてやってもいいが。」

 そう言ってエルウィンは再び工房の中へと戻っていった。

 「な、何なのアイツ!」

 「ふふふ、お互い素直じゃないねえ。」

 とリーズ。

 「全くです。」

 とリリカ。

 「それってどういうこと?」

 「「べっつにー」」




 それからしばらく経ったある日。

 「リリカ、ちょっと材料が足りなくなってきた。採取に出かけるぞ。」

 工房から出てきたエルウィンは不機嫌そうにリリカに話しかけてきた。

 「はい、師匠!」

 「シズク、おまえも来い。」

 「えっ?」

 私はその言葉に耳を疑った。

 「何度も言わせるな。シズクも採取についてこい。・・・お前の剣の腕、期待しているぞ。」

 「・・・わかったわ!」

 私は刀を握りしめ、エルウィンたちとともにリーゼガングの第三の城壁の外へと向かった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 刀って当てた瞬間引くといいよね。それに殺しも戦地にも赴いたこともないガキがでかい口叩くじゃん(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ