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 「リーズさんってスタイルいいですよね。結構持てるんじゃないんですか?」

 背中を流してもらっているリーズさんに私は話しかけた。

 その私の言葉には嘘はない。

 リーズさんの体は毎日鍛冶場での仕事で鍛えられているせいか、非常に引き締まっていて、余計な肉はついていないように見える。特に出ているところは出ていてへこむところはへこんでいる。まさにボン、キュッ、ボンという言葉が当てはまる、私にとって、いや、女性にとっては理想的な体型だろう。

 「そんなこと無いよ。周りはオヤジばかりでさ、そのせいか私の性格もちょっとオヤジっぽくなっちゃって。おかげで若い男連中は全然寄りつかないよ。」

 確かにそうかも、スタイルが抜群なだけに残念に思える。

 「それよりもシズク、あんたも結構体が引き締まっているじゃない?」

 「そ、そうですか?やっぱり学校の部活で剣道やっていたせいですかね。」

 「ブカツ?ケンドー?」

 そうか、この世界には学校はあっても部活や剣道というのは無いんだった。

 「部活は・・・そう、訓練みたいなもので、その訓練の中に剣道っていうものがあるんです。私の国の剣をモチーフにした武器で戦う訓練なんですよ。」

 「へーそうなんだ。じゃあ、シズクもちゃんとした武器を持てばそれなりに強いのかもね。」

 その言葉に私はひらめいた。

 私のための『剣』を作ってもらえば私もエルウィンたちの材料採取に連れて行ってもらえるかもしれない。

 「ありがとうリーズさん、今度は私が背中を流してあげますよ。」

 「そうかい、悪いね。」

 そう言って攻守交代。私がリーズさんの背中を流すことになった。そして背中を流しながら剣のことを聞いてみた。

 「ねぇ、リーズさん、私のための『剣』を作ってもらえないでしょうか?」

 「え?」

 「『刀』っていう剣なんですけど、私の国に古くから使われてきた伝統的な『剣』なんです。できますか?」

 「『カタナ』ねぇ、始めて聞く名前だね。というか、私はこの国で使われている一般的な武器しか知らないからね。」

 「でも、頼れるのはリーズさんしかいないんです。」

 「そう言われると弱っちゃうな・・・。」

 よし、後一押し!

 「お金は何とかします。私が鍛冶場で働いてもかまいません。でも頼れるのはリーズさんしかいないんです。お願いします!私のための『剣』を作ってください!」

 「・・・わかったよ。とりあえず、どんな剣かもわからないんじゃ話にならないから後で詳しい話を聞こうじゃないか。」

 やったぁ!

 「ちょ、ちょっとはずかしいじゃないか。」

 「あ、す、すいません・・・。」

 私は思わずリーズさんに抱きついてしまっていた。




 銭湯から出た私たちは、いったん工房に戻ることにした。そこで刀について話をすることにした。とは言っても私も刀について詳しいことを知っている訳ではない。とりあえず白い紙に絵を描いて見ることにした。

 「こんな剣なんですけど・・・。」

 「うーん、これじゃあ、よくわからないなぁ。なんか、実物みたいなのがあればまだ何とかなるんだけど・・・。」

 その言葉を聞いて私は思い出した。たしか昔、実際の刀を博物館で見たことがあるような。そして、その刀を実際に写真に撮っていたことを!

 でもその写真は携帯電話の中だ。携帯電話なんてあったっけ・・・?


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