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火竜が飲み込んだ氷の爆弾は口の中で爆発し、火竜の顔は完全に凍り付いてしまった。
それでもまだ意識はあるのだろうか、火竜の体は動きは鈍ったもののもがき苦しんでいるように闇雲に腕を振り回す。
「雫!今だ、トドメを!」
信也の叫ぶ声を聞いた私は、火竜の腕をかわし、火竜の首、凍り付いている顔と首の境目に向かって飛びつき、刀を思いっきり振り落とした。
「で、これが、その火竜の首です。」
「マジか・・・。」
「ほ、本物ですよね・・・?」
テーブルの上に置かれた火竜の首を見て、エルウィンとリリカは絶句した。
それもそうだ。それまで噂レベルだった存在の火竜の、実物の生首が目の前にあるのである。
凍り付いた火竜の首は、リーゼガングへ運ぶ間に自然解凍された。
しかし、大きな袋に入れて持ち帰ったため、その大きさに門番の兵士に怪しまれた私たちは、袋の中身を確認され、仕方なく兵士に見せ、同じくらいかそれ以上に驚いていた。おそらく明日にはこのことがリーゼガング中に広まっているかもしれない。
「と、とりあえず、私たちの仕事はやり遂げたからね。あとはしっかりやってよ!」
「・・・わかった。後は俺たちに任せてくれ。リリカ、早速作業に取りかかるぞ!」
「はい!!」
そして、それから1週間後、アイテムが完成した。