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黒の竜使い  作者:
1/25

始まり

初めまして、美奈と申します。



駄文ではありますが、よろしくお願いします。

その昔。

異世界から召喚された一人の少年は、それまで世界を恐怖させていた魔王を倒し、皆に感謝され慕われた。

人は彼をこう呼ぶ。

世界を救った勇者様。救世主と。











そして時が過ぎ。

王国では異世界人召喚が行われた。

この国の国王たっての希望で。

しかし、異世界人は国王達の前には姿を現さず、失敗に終わった。


…はずだった。



「…ここはどこだろう」


ある森の中。

幼い顔をし、背も低い。

それだけならばこの世界にいる子供と変わりはない。

しかし、この世界にはありえない黒髪黒目を持つ少女。

異世界人は、人知れず召喚された。

誰の目にも止まることなく、ひっそりと。














「おじさん!今日の特売って何?」

「おぉ嬢ちゃん!今日はトマトが安いよ!ついでに、嬢ちゃんはお得意様だからこのチールもつけて二百ガドだ!」

「二百ガド!おじちゃんありがとう!」


賑わう市場。人が行き来する。そんな人ごみの中で、私は馴染みのおじさんに声をかけられた。緑の瞳に青い髪。笑顔で礼を言うと破顔する市場のおじさん。


「それじゃあまた明日!」

「あぁ!毎度あり!」


おじさんに手を振りながら自宅に戻る。家の中に入った私は、耳につけていたイヤリングを取る。すると青い瞳が一瞬で漆黒へと染まる。これが本来の私の瞳の色。そして、この世界ではありえない色。この色だけが、私自身を保てる唯一の救い。束ねていた黒い髪をほどいてどかっと椅子に腰掛けた。


「ふぅ…人混みは疲れる」

『シズカ、今日のご飯は何?』

「今日はトマトグラタンだよ」


私しかいない部屋の中に、私以外の声が響く。慣れたもので、その声を聞いても驚かない。その声と言葉を交わすと、目の前に一匹の生き物が現れる。これにももう慣れた。私はそれに構わず、台所に立つ。


『やった!僕、トマトグラタン好きなんだよね』

「そうなの?じゃあ今日は多めにつくろっか」


トマトが大好物のこの生き物。私は興奮気味の顔を見ながら調理をはじめる。これは、異世界から召喚された少女こと私、榎本静香(えのもとしずか)と、今では稀少と言われている白竜のハクの物語。


「ちょっと、トマトをそのままかじらないでくれる?」

『いいじゃんか。美味しいし』

「や、関係ないから」


10/28

第三の視点→静香視点に変更

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