第3話/報告と錬金術
3話目となります。なんだかんだ毎日投稿してますね
次回どうするかは半分しか決めてないのでどうなるかは分かりませんが。
では、ぜひ楽しんでいってくださいな
旅に出たい。その気持ちを新たにして、冒険者協会へと足を運ぶ。
「おかえりなさい。その様子だと…成功かしら?」
顔を見るだけで成否がわかるなんて流石だな。なんて思いながら討伐証を出す。
「はいこれ牙っと。まぁね。ちょっと危なかったけど、下位中級一本でどうにかなったよ。採算としてはプラスかなー」
実際、大きくプラスだ。毛皮は加工すれば品質的にも1000Rにはなるだろうし、お肉も普通に美味しい。旅に保存食用に干し肉にしてもいいかもしれない。
「んー…っと。うん。確かにシルバーボアの牙ね。ちょっと魔力籠ってるから報酬には色をつけておくわ。それで、素材の買取はなし?」
「うん。とりあえず品質もいいし、毛皮も肉も使うよ」
「了解。じゃあ、クエストクリアの報酬だけね。はいこれ。2000R」
「わーお、500も上乗せ入ってる。まぁ、妥当…なのかな?」
「むしろ色をつけすぎたくらいなトコはあるけどね」
「そうなの?冒険者協会のことはあんまり詳しくないからなぁ…」
「ま、色々お世話になってるお礼もあるし、詳しく聞きたいってのもあるし…かな?」
「詳しく…?あぁ、ちょっと強かったしね。そこら辺を話したほうがいいってことか」
「えぇ、魔獣へのなりかけのシルバーボアだもの、どの辺にいたとか、その時の状況とか、そういう情報ってほんと大切なのよねぇ」
紙に羽ペンをトントンとやりながら、受付嬢はこちらを見据えてくる。
嘘やら虚偽の報告をするつもりはないが、そう言ったものを見抜く為なのだろう、雰囲気は変わっていないが目付きだけが鋭い。
「じゃあ、報告するわ。まずは時紡ぎの森の浅層に行ったんだけど。そこで素材の採取をしながら進んで、コレを使ってシルバーボアを発見。銀狐を狩っているところに遭遇して、交戦、勝利した感じね」
「銀狐…?浅層にいたの?」
「子供だったけどね。なんなら…なんか諦めた雰囲気だったのが気に食わなくて助けちゃった」
「…あー…なるほど。まぁ、その辺は自由だからいいんだけど…そう…銀狐ねぇ…」
少し考え込む受付嬢は、軽く頷き、もう帰っていいわ。なんて言ってきた。少し気になることもあったけど、私自身も用事があるし、こういう彼女は話してもくれないだろう。
「また来るね」
そう言いながら彼女は協会を離れて、家路につく。
「……また忙しくなりそうね」
受付嬢は彼女が去ってから一言呟き、また仕事へと戻っていった。
「んんー…!よし!依頼の中位中級と下級。作りますか」
そういうと彼女は収納箱や、冷蔵の魔道具を開き、材料を整えていく
「えーっと、とりあえず、素材素材っと…下級からやるとして…フィル溶液にトルネの葉。ルルディアの実…中級はフィル溶液にセイランの花。ルルディアの実にリクスの樹液っと」
ふんふんと鼻歌を歌いながら作業を進める。
「ルルディアの実を6つに割って、トルネの葉に包んで10分放置、その間に中級の準備〜。ルルディアの実を3/4擦り潰してセイランの花の蜜を垂らして、混ぜ合わせて…セイランの花弁を3枚だけ入れてっと。んで1時間放置〜」
「よし、10分経った。で、このままフィル溶液の中に入れて70度で20分。右に5回左に3回回して〜『ヴェライヴス/水よ』追加で魔力水を入れて、大きく3回くるくるっと。じわじわ魔力を入れて130度で10分、で、濾過しておしまい!」
「次は中級っと。うん、染み込んでるね。残りのルルディアを軽く砕いてさらに混ぜてっと。その時にリクスの樹液を4回に分けて混ぜて、6つの団子にして100度のフィル溶液に10分に1個ずつ…6つ入れ終わったら30分煮て…『シエラ・ヴェライヴス/水よ』で、ちょっと多めに魔力を込めた魔力水を2回に分けて混ぜて…団子を取り出して60度で3時間…」
「…この時間暇なのよねぇ…短縮手段が欲しい…ま、レシピでも考えようかな」
〜〜〜〜〜〜〜
「ん、出来たかな?よしよし、で、これを濾過して…完成!早速効能確認っと…うん。大丈夫そうだね。で、保存瓶に詰めて…依頼品おーわりっ!あとは…予定はないね。魔力もすっからかんだし…寝よう」
こうして少し長めのドロップの一日が終わる。
明日はどんな物語を紡いで行こうか、なんて思いながら。
今回は錬金術回です。興味がない方も多いかな?なんて思いますが。やりたかったんですよね…こういう細かく錬金術する小説書くの。では、tipsの時間です
Tips:錬金素材/トルネの葉。ルルディアの実
トルネの葉: 錬金術士としての入門である下位下級ポーションの材料の一つ。雑草で繁殖力の高いもの。そこらに生えている。多少の癒しの力があるので、そこに重きを置いて調合すれば、下位下級のポーションが作れる。
ルルディアの実:中位以上のポーションの材料の一つ。魔力の濃度がそれなりに高い場所で生る実。冒険者はいざとなったらこの実を食べて応急処置をする。回復効果を引き出す効果があるが、使い方や、合わせるものを間違えると毒になってしまう。凍らせると美味しい。