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第13話/最終準備

最新話の投稿の時間です。

今回もゆるりと楽しんでいって下さいな


「大丈夫?」


フゥの声でハッとし、世界に色が戻る。

そうだ、そんな自分を『主人公』にするために私は旅を始めたんだ。始めてすぐの私が『主人公』足り得ないのは明白だった。瞳を閉じ、深呼吸をして、また眼を開ける。


「ごめん。ちょっと初めてのスキル使用で周りが見えてなかったわ」

「んー…なるほどね。しっかりしてよー?一応セーフルームっぽいけど。ここはダンジョンなんだからね!」

「わかってるって。で、フゥの実力はどんなものかなー?」

「わ、私にかけても何も見れないよー?」

「冗談だって、友人を勝手に覗き見はしないわよ」

「びっくりしたぁ…」


冗談を言いながら、私達は通ってきた道を戻っていく。


だがおかしい。別の道を歩かされている感覚がする。


けれど違和感は薄く、帰り道を歩く。

数分歩くと、元は上り階段だった場所に、下り階段があった


「…あれ?」

「………こっちが帰り道…のはずなんだけど」

「……ボス部屋への道だねぇ」

「…もう一度さっきの部屋まで戻って、そこから逆方向に進んだりしてみる?」

「やってみよう」


が、何度行こうと下り階段まで来てしまう


「…コレ、私達に認識できない罠でもかかってた?」

「可能性はあるかな。ってことは…5階層は突破しなきゃダメっぽいね」

「こんなことなら戦闘用であろうどっちかをとればよかった…」

「まぁ、過ぎたことを言ってもどうにもならないし。できる準備をして行こ?」

「そうね」


幸いなことに、階段の途中はセーフルームだと流れの冒険者から聞いたことがある。

鑑定で確かめてみても同様に敵が襲ってこないと書いてあった。それでも長い時間いるとペナルティはあるみたいだけど

それでも6時間はここで準備ができる。

6時間でできる仮定キメラ対策…


「とりあえず、防御力が足りてない…かな?あとはフゥの装備だけど」

「あ。これ?一応強化してくれるなら助かるけど。素材なんて持ってないから…」

「あぁ、私の手持ち…というか道中拾ったものを使えばいいわよ」

「ならお願いね」


さて…どうするか。とりあえずガラクシアクラウンを1つは使うとして、コボルドニンジャライトの小刀と…あとはリチュアスライムの魔核にしよう。


「こんな感じで強化入れるけど。他に入れて欲しい素材はある?」

「んー…なら。仕上げにコレを使ってくれる?あ、できれば簡易じゃないほうで」

「コレは……ユグドラシルの花…?え?本当に?」


思わず鑑定して、本物とわかって二重に驚く


「そ、一生のうちに自分がコレって決めた武器か防具にコレをつけろ〜ってのがウチの一族の決まりでね。武器にすることは決めてたし。素体としては割と最上の素材で愛着もある。で、この状況でしょ?」

「……成功と失敗の確率は3:7。失敗が7よ。その高難易度素材を扱い切れるかは正直微妙」

「んー…失敗したらその時はその時だよ。運がなかった…ってね!」


「それにさ。友人になった錬金術士に頼みたいって思うのは、自然なことでしょ?」


そう言いながら眩しい笑顔で言ってくるフゥに。これ以上止めても無駄だと察する。


「…わかった。じゃあ…やるわね」

「うん!お願いね!」

「どうせやるなら全部簡易じゃなくやるわ。さて…」


時間は6時間。やれることは多いようで少ない。

まずはしっかりとした素材の鑑定


☆8ガラクシアクラウン

銀河を閉じ込めたと言われる宝石

この宝石の真価は寸分の狂いもなく割った時にのみ発生する星雲にある

この星雲は気体のため。採取する時は注意が必要。

宝石の状態で合成した場合、物理攻撃力、または物理防御力が上昇する


☆3コボルドの小刀

コボルドニンジャライトが落とした小刀

そのまま武器として使用することもできるが、打撃武器と合成した場合、斬撃属性と打撃属性を任意に切り替えることが可能になる。


☆2リチュアスライムの核

リチュアスライムの中心部にある核

取り出すとリチュアスライムは即死する

武器による合成に使用した場合。対象から稀に体力を吸い取る。

防具による合成に使用した場合。対象から受ける物理ダメージを1/4減する。


☆30 ユグドラシルの花

世界樹『ユグドラシル』に一定周期で咲く花

死者を全盛期の状態で蘇生させる効果がある

合成で使用する場合。武器に使用すると攻撃により与えるダメージが2.5倍になり、魔法によるダメージが5倍になり、与えたダメージ分武器に魔力を貯めることができる。一定以上溜まった場合それを放出することでダメージブースト、木属性魔法、命属性魔法を使用可能になる。

防具に使用した場合。受けるダメージが半減し。半減したダメージ分防具に魔力を貯めることができる。一定以上溜まった場合それを放出することでダメージブースト、木属性魔法、命属性魔法を使用可能になる。

現在の鑑定レベルで閲覧できる範囲はここまでとなっています。


「うわぁ…流石はユグドラシル素材の中での最上位素材…」

「ふふーん!いいでしょ!早速作って作って!」

「んー…じゃあまずはガラクシアクラウンから行こう。半分に割るといいなら…こうするか。5階位まで使えるようになってたみたいだしね。フィンク・ヴェライヴス・ピルス・クエティア/ウォーターカッター」


水の刃でしっかりと中心を撃ち抜く。素材を見る目はある。打ち抜けばいい場所もわかる。あとは魔法の制御のみ


「……出た!この星雲を瓶詰めして…鑑定」


☆9ガラクシアシュテルライト

ガラクシアクラウンの内部にある高密度の星の魔力が気体になったもの。

武器合成に使用すると魔法に星属性魔力を追加するか、通常攻撃を星属性魔法ダメージに変換することが可能になる

防具合成に使用すると星属性ダメージ以外のあらゆるダメージを一定数値分カットする


「おぉ…コレは超フゥに合ってるね」

「で。この瓶にリチュアスライムの核を入れて…5回くらいかな。回して魔力を纏わせる。で、少し放置」

「で、コボルドの小刀を…一回溶かすか。ミル・フィグニアイト・シエラ/強き炎よ」

「さて、拳装備に関しても鑑定を入れておかないとね」

「お。いいよー」


☆18 ◾️◾️龍のナックルダスター

◾️◾️龍の鱗を使用した拳装備。

自身が攻撃を受けずにダメージを与える度に。攻撃力が上昇していく。


「文字化け入ってる…というか龍素材使ってるの…?これコボルドのやつとかつけるのむしろ勿体なくない…?」

「え?強化できる回数はほぼ無制限らしいし。大丈夫だと思うよ」

「あぁ…龍装備の割に効果が控えめだと思ったらそっちでヤバいのね」

「だからガンガンやっちゃって!」


それならと溶かしたコボルドの小刀をナックルダスターに付けて


「ヴェライヴス/水よ」


水をかけて再度固める。この時に私の水魔力をちょっと多めに入れて少しでも成功の確率を高める。


「さて、このタイミングかな」


ユグドラシルの花の花弁を1枚だけスライム核と星雲が入ってる小瓶に入れ、さらに放置。

次に固まったコボルドの小刀とナックルダスターに添える様にユグドラシルの花の花弁を5枚。


「どうせだし蜜も使おう」

「トリア・ヴェライヴス・コンティラート/水流操作」


蜜を水と定義し、ユグドラシルの花を揺らすことで蜜を揺らし水流と認識することで花の蜜を取り出す。


「それで…小瓶に蜜も入れて瓶を3回揺らして…トリア・ヴェライヴス・シエラ・シエリア/水よ」

「で、魔力水を入れてさらに3回揺らして…上下を逆さまに、それで2分くらいか。放置」

「あとは錬金釜で混ぜるだけ…さて。錬金釜の作成は簡易錬金術でやってっと」


「…さぁ。できることは全部やった。あとは成功か失敗か。かき混ぜるのは大体どのくらいかはわかってるし…」

「ねぇ。フゥ」

「なーに?」

「魔力があるのはわかる。だから、ほんのちょっとでいいから魔力をこれにこめられない?」

「…んー」

「…………いいよ。ここは使っても怒られないだろうし、なにより…うん。大丈夫」

「助かる。じゃあ、釜を私が7回右に混ぜた時に魔力を込めて。量は少しでも、多くても大丈夫」

「オッケーだよ」

「じゃあ、行くね。まずは…フィンク・ヴェライヴス・シエラ・シエリア・フューズ/水よ」


合成水を出し、釜の中へと注ぐ


「で、小瓶の中身を入れて…左に5回」

「ナックルダスターを入れて…右に3回」

「20分120度で加熱して…左に10回」

「さらに180度で加熱して…右に7回」

「よし、今だね」


そういうと。フゥは可視化出来るほどの魔力を注ぐ


「…言いたいことはあるけど。完成させてからだね」

「あとは右に6回。左に4回混ぜて…繋ぎに何か入れたほうがいいかな。何があったっけ…あぁ。星の水がいいかもしれない」

「星の水を入れて、100度で1時間。その間に右左を交互に5回ずつ。コレを10回」

「あとは水が蒸発するまで180度で加熱」

「残りの水分が少なくなったら最後に右に2回。左に3回。最後のだけ一緒に回してくれる?」

「うん。大丈夫だよ〜!…くるーっと!」


そして、ポンっと音がする


「…さて…コレで…できた…かな?」


大失敗時の爆発もなければ、何かができた時の音も聞こえた。

レシピもアレンジにアレンジを加えたが、大分いい具合にできたと思う


「取り出して…っと。最後に銘でも刻む?」

「じゃあ、カレイドルーラーで!」

「ルーラーズレイドから取ったの?まぁ、オッケー。じゃあそれを刻んで…完成」


銘を刻むと同時に武器が光り、そして収まったかと思えば、デザインと、多分性能も洗練されて、向上する。

出来上がったのは星空の様な濃い青に青空の様な薄い水色のグラデーション。そこに夕焼けを思わせるオレンジのラインと、世界樹を思わせる緑のラインが入ったグローブ。


「素材が良かったのもあるけど、最高傑作だね」

「………貴女に頼んで良かった。つけてみるね」


グローブをはめ、グッと手を握る。


「最高だね!」

「良かった。それじゃあ」

「うん、行こう。コレなら負ける気がしないよ」


そう言いながら笑う彼女を見ながら、マナ回復のポーションをのみ、準備を整える

さぁ、決戦の時間だ

読んで頂きありがとうございます。

今回は準備回。次回は戦闘です。

あと前回のレベル。階位などについての追加説明がてら

Tipsの時間です


Tips:レベルと階位の違い

レベルは世界に定められた実力の指標。

階位はヒトが定めた実力の指標を指す。

前回水5。錬金術6(+5)などを書いたが、LVが省略されて書かれている。

最初に書かれていたLV12は生物としての格を示し、その後に書かれたものはそれに対する習熟度を示している。


Tips:メイン。サブ

メインは世界に定められた職業。

サブはこの世界で自らが選んだ追加職業

職業についていればいるだけパッシブで能力が伸びる。


では、また次の投稿の時に

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