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第5話 魔石でレベルアップ

―――――――――――

 ジオの家庭菜園

  レベル1 1/5

  菜園面積:50/50

  スキル:なし

―――――――――――


 どうやらこの1/5という数値、魔石を使うことで分子の数が一つ上がるらしい。


 もしかしてこれが5/5になると何かが起こるのか?


「セナ、魔石って他にも持ってない?」

「あるよー?」


 セナはポケットからジャラジャラと幾つもの魔石を取り出した。


「そんなに手に入るのか?」

「うん。普通はこの大きさだと持って帰らないけどねー」


 昔からセナは要らないものを家に持って帰ってくる習性があった。

 セミの抜け殻とか、道端で摘んだ花とか。


 だいたい拾ってきた後は家で放置しているので、いつも僕が代わりに捨てていたけど。


「これ全部貰っていいか?」

「いいけど、その代わり明日もシチューを食べたいなー」

「分かったよ」


 そのくらいお安い御用だ。


 セナから受け取った魔石は全部で十二個あった。

 僕は早速それを菜園の上に置いてみる。


〈魔石を使用しますか?〉


「うん、全部使っていいよ」

「? お兄ちゃん、誰としゃべってるの?」

「気にするな」


 十二個あった魔石がいっぺんに消失する。


「また消えたよ!?」


 セナが驚く中、僕の頭に期待通りの声が響いた。


〈レベルが上がりました〉


 やった、成功だ!


―――――――――――

 ジオの家庭菜園

  レベル2 8/10

  菜園面積:50/100

  スキル:なし

―――――――――――


 やっぱりこれはレベルに関わる数値だったらしい。

 そして全部で十三個の魔石のうち、五個がレベルアップのために使われたため、8/10となっている。

 つまり次のレベルに上げるためには、あと二個の魔石が必要なようだ。


〈レベルが上がったことにより、菜園面積の拡張が可能です。拡張しますか?〉


 僕は頷く。

 すると今まで50マスだった菜園面積が、100マスに増えた。


〈レベルが上がったことにより、新たな作物の栽培が可能になりました。確認しますか?〉


 さらに栽培可能な作物の種類が増えたらしい。


 パプリカ 中品質

 ブロッコリー 中品質

 キャベツ 中品質

 サツマイモ 中品質

 ホウレンソウ 中品質


 聞いたことのない野菜がある。

 サツマイモって何だろう……?

 イモの一種だろうか?


 いずれにしても魔石があれば、もっと菜園を充実させていくことができるようだ。


 冒険者をしていれば小さな魔石は幾らでも手に入るらしいし、今後もセナに持って帰ってきてもらうとしよう。








 セナが持ち帰ってきた魔石を使い、どんどんレベルを上げていった。

 するとレベル5である変化が起こった。


―――――――――――

 ジオの家庭菜園

  レベル5 8/25

  菜園面積:200/800

  スキル:塀生成

―――――――――――


〈スキル:塀生成を習得しました〉


「おおっ、スキルを覚えたみたいだ。塀生成……?」


〈塀を作りますか?〉


 とりあえず試してみよう。

 はい。


 するとこれまで粗末な木柵で囲われているだけだった我が家の庭が、一瞬にして背の高いしっかりとした塀に取り囲まれてしまった。


「すごい。これなら外から見られなくて済むな」


 今まで外から簡単に覗くことができたので、心配していたのだ。

 特に収穫の際、作物が勝手に飛び跳ねたりするからな。あれを近所の人が見たらびっくりするだろう。


 最大菜園面積はレベルが一つ上がるごとに倍になっていくようで、800マスとなった。

 ただしすでに我が家の庭を使い尽くしてしまったため200マスが限界で、これ以上の拡大は難しそうだ。


 栽培できる作物の種類も増えたようだ。

 聞いたことのないものも多い。


 さらに当初は野菜だけだったのだが、キノコ類や果物まで栽培できるようになった。

 特に果物は高級品なので、滅多に食べることができない。


「果物天国だ~」


 女の子らしく甘いものが好きなセナは、果物を好きなだけ食べられるようになってご満悦だった。


 今のところ作れる果物は、イチゴ、ブドウ、リンゴ、メロン、ナシ、オレンジ、キュウイ、イチジク、マスカット、グレープフルーツの十種類。

 中品質だけど、もちろんどれもめちゃくちゃ美味しい。


「お兄ちゃんすごいよ! 本当にすごいギフトだよ! 天下取れるよ!」

「【家庭菜園】でどうやって天下取るんだよ」


 妹の発言はいつもテキトウなので、僕もテキトウに受け流す。


「魔石を使えば、もっといろんなものが作れるようになると思う」

「あたし頑張っていっぱい採ってくる!」


 ぐうたら娘がここまでやる気を出しているのは珍しい。

 せっかく【剣神の寵愛】なんてギフトを得たんだから、ぜひ頑張ってもらいたいところだ。


「ただし無理はするなよ?」

「大丈夫。死んでも無理しないのがあたしのポリシーだから」

「さすがに死に瀕したときくらいは無理した方が良いと思うぞ」


 そんなことを話していた翌日だった。


「お兄ちゃん! おっきな魔石手に入れたよ!」


 冒険から戻ってきたセナがこれ見よがしに見せてきたのは、拳並みの大きさの魔石だった。


「これくらいならそれなりの値段で売れるみたいだけど、お兄ちゃんにあげる!」

「助かる。一度試してみたかったんだ」


 今まで小さな魔石でちまちまレベルを上げてきた。

 だけど、もし大きな魔石を使ったらどうなるのか?

 確かめてみたかったのである。


 段々と必要な魔石数が多くなり、なかなかレベルを上げにくくなっていたが、上手くいけば一気にレベルを上げることができるかもしれない。

 もしかしたら一個としてカウントされてしまう可能性もあるが……。


 早速、魔石を使ってみる。


〈レベルが上がりました〉


―――――――――――

 ジオの家庭菜園

  レベル7 3/35

  菜園面積:200/3200

  スキル:塀生成

―――――――――――


 いきなりレベル7!?

 さっきまでレベル5で8/25だったよな?

 ということは、今の魔石で普通の魔石の四十個分に相当したってことか。


〈レベルが上がったことにより、新たな作物の栽培が可能になりました。確認しますか?〉


 牛肉 中品質

 鶏肉 中品質

 豚肉 中品質

 羊肉 中品質

 山羊肉 中品質

 鶉肉 中品質

 鶏卵 中品質

 鶉卵 中品質

 牛乳 中品質

 山羊乳 中品質


 やった!

 お肉も栽培できるようになったぞ!


肉。。。

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― 新着の感想 ―
[一言] 妹の『習性』に吹き、肉から卵や乳まで採れる菜園の成長にシチュー吹いたwww
[一言] ( ゜д゜)え!?畑に『肉』ゥ!?
[一言] お肉が栽培できるがパワーワード。吹いた 刺身が海を泳いでるとか考えてそう
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