第4話:ゲームスタート直前-1
第4話。
第4話
「おおおおお・・・・・!!!!」
光治郎はすごく驚いた。
扉の向こうにはすごく広いフロアの中に、沢山の機械があり、まるでSF映画のようだ。
ドラキュラが眠る棺桶を機械にした感じの長方形の箱が沢山あり、フタは透明。そこに1台につき一人、箱の中で人間が目を閉じ、頭に機械を付け、横たわっていた。
「改めまして、自己紹介をします。私はオペレーターのサラといいます。」
「あ・・・・、く、久我光治郎です。よろしくお願いします。」
彼女は受付嬢かと思いきや、このゲームのオペレーターだったらしい。
自己紹介をお互いにした後、光治郎は、
「オペレーターってなんですか?」
と聞いた。
サラさんはやさしい笑顔のまま、
「機械を操作する人の事ですよ。」
と教えてくれた。
うれしかった。
「このゲームを始める前に2つ、大事な事をお伝えします。」
「大事な事・・・・?」
左手の薬指を見た。
指輪をはめてる。
私、結婚してるので・・・・って事か?と考え、人知れず落ち込む光治郎。
「1つ目は、学力テストの事です。」
「が・・・・学力テスト?」
やべえっと光治郎は思った。テストしたら脳が爆発して、ゲームやらせてもらえなくなると・・・・。
終わった・・・・。
始まっていないのに・・・・夏。
勝手に想像して勝手に落ち込む光治郎。
「通常、このゲームをプレイして頂く前に、学力テストをやって頂くのですが、久我様はゲーム推薦希望のため、ゲームの1番始めからスタートして頂きます。なので、テストを受けてもらう必要はございません。」
『なんだ・・・・』テストを受けなくていいという安心感からドッと力が抜けた。
「もう1つは、」
ゴクリ。
ツバを飲む光治郎。
「このゲームは、ステージを1つクリアするまで現実世界に戻れません。」
「えっ!!!」
光治郎は驚いた。
「どうしても現実世界に帰りたい場合は、ゲームオーバーを選択して頂く必要がございます。
ただし、ゲームオーバーを選ぶと、2度とこのゲームをプレイできなくなるのでご注意下さい。」
光治郎は動揺しつつ聞いた。
「あのぉ・・・・。」
「はい。」
「学校の授業とかぶったらどうしてくれるんでしょうか?」
すると、
「ご安心下さい。ゲーム休暇で学校を休めます。」
ゲームきゅうかて・・・・。
・・・・いい時代だ。と、光治郎は思った。
「ただし。」
「た、ただし?」
「ゲーム推薦希望なら、来年の2月いっぱいまでにステージ3のボスを倒して下さい。
そうでないと、中学浪人をするか、中卒という事になってしまいますのでお気をつけ下さい。」
「な、なるほど・・・・。はい。わかりました。」
今、7月20日。来年の2月まであと7ヶ月以上ある。
光治郎はRPGを4コほどクリアした事がある為、ゲームには少し自信があり、7ヶ月もあれば楽勝だろ、と思っている。このゲームが基本、お勉強ゲームである事を知らずに・・・・・。
つづく。