光龍に転生しました
ピキ、ピキキ
音が聞こえる、なんだこれは?
何かが割れる音?
だれかいるのか…でも、たしか俺は一人暮らしだったはずだろう?
じゃあ、ここは家じゃないの?どこだろう…
ピキキ、ピキキキッ!パリ!
うわっ!まぶしーなー。
うん?これはもしかして、たまご?じゃあ、俺の近くでだれかが料理でたまごを使っていたんじゃなくて、俺がたまごの中にいたってことか…
むむむ、そういうことか。
……
え~~~~!!
なんで?どうして?!どうなってるの?!
ってあれ?よく見ると俺の手人間じゃない?
どちらかというとヘビ?トカゲ?爬虫類に近いような…
もうわけが分かりません。
ぐぉー!
ひぅ!今度はなに?!
上を見上げると、あら、こんにちわ。すてきな鱗ですね。
巨大なドラゴンがいた。
はい、だれがどう見てもドラゴンです。
オワタ。
なにこれ、噂の転生ですか?異世界ですか?ありがとうございます、勘弁してください。
よりにもよって人外!
せめて転生するのなら人がよかったよ~
『ま———か?』
うん?声が聞こえる。
気のせいか?
『――――す——か?聞こえますか?私のかわいい坊や?』
はい!聞こえてます!
ん?だーれ?
『生きるのです。最後の光龍として、誇り高き龍として。ごめんなさい、あなたを一人にしてしまう愚かな母を許してちょうだい。愛しているわ、私のかわいい坊や…』
そんな声とともに、目の前のドラゴンが光の粒子となって消えていく。
え、もしかして俺のこと?もしかしてかーちゃん?
ちょっとやめてよ。出会って数分しかたってないのになんでか涙ができちゃうから!うるうるしちゃうから!
てゆーか、一人にしないで!
……
……
……
まぁ、そんなことをいっても状況は変わらないわけで…
え~、ごほん。とりあえずこのたび私は、光龍に転生したそうですよ?