第1話 非日常の手招き
こんにちは。佐藤達也です。
今回で第2話の投稿となります。
この小説が皆さんの暇つぶしにでもなればいいな、と思います。
時の書き手と星の読み手
1話 非日常の手招き
ピピピピ…ピピピピ…
「んー。眠い」
僕は少し冷たい空気に当てられながら、起きることにした。
僕の名前は、宵影 如月。中学3年。
今日は11月12日、土曜日。目覚まし時計がさしている時刻は6:30。
いつも通りの土曜日ならばこんなに早くに起きようとは思わなかっただろう。
事実、昨日は『明日は部屋でダラダラしよう』と思っていたのだから。
しかし、昨日の帰り道で空を飛ぶ女の子に会ってしまったことにより、それは殆ど不可能となってしまった。
昨日僕が会ってしまった女の子は、影を殺すことのできる者の前に現れる。
あの女の子に会った次の日にはもう影殺しの力が解放されている、と云われている。
まぁ、そうでなくとも空を飛ぶ女の子なんだから、殆どが正しいのだろう。
そうで無いとするならば、影殺しの力を持っている者が、口裏を合わせていることになる。
それは、意味がない。そうだとするならば、やはり事実なのだろう。
そうだとすると、僕は早くここから離れたほうが良い。
なぜならば、今日の13時に僕の目の前に影が現れるはずだからだ。
今までの影もそれぐらいの時間に生まれている。まぁ、自然発生系ならば、その限りではないけど。
僕が住んでいるところは、日本国、北海道、札幌市。ここの近くには知り合いが多い。
影殺しだと知られたくない僕としては、13時までになるべく遠くに行かなくてはならない。
知られたくない故に1人で戦わなくてはならないが、仕方がない。
現れる影が弱いことを望むしかない。一番強いのは、精霊系か龍系統だから、そういうのとは、当たりたくないかな…
さて、どうなるか。
急いでいる僕は、朝食を取らずに、札幌駅へ向かい、電車に乗って余り人が通らないような山地まで来た。
これは見られないようにするためと、巻き込まないようにするためだ。
此処まで来るのに時間を掛けすぎたせいで、もう時間はあまり残っていない。
-12:55-
僕の目の前にはゆっくりと黒い霧が現れ始めた。
形作られているのは、大きな翼。
虫系統か鳥類か?
-12:58-
翼の間に黒い霧があるせいで虫か鳥類かが分からない。
-12:59-
ん?霧が大きくなった?
おいおい、さっきまででも僕と同じくらい大きかったんだぞ?
まだ大きくなるのかよ!
-13:00-
ヒィィィィィィィン!!
来たか!
黒い霧がいきなり辺りに四散し始め、影の姿が見えるようになってしまってのだが、…
可笑しい!!
何で龍なんだよ?!
最高位だよ?普通は1人で対処できるような存在じゃないよね?!
ヤバッ!こっちに気づいた!!
『グルオオオオアアァァァァァァァ!!!!』
ちっくしょうが!
まだ能力自体確認していないっていうのに!
ブンッ!!
「っぶない!」
ドゴォン!!!
僕が少し隙を見せただけなのに尻尾を振ってきやがった!
ってか、しゃがんで攻撃をかわせたから良かったけど、当たった山が抉れてるぞ?!
なんだこれ?!
「ステータス!」
-消失-
*詳細-自らが敵と認めた存在を消滅させる。確率は30%。ユニーク属性-
何だこれ?!いや、寧ろありがたい!
「消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ!」
5回目にして確立30%を引くことに成功したらしい。
龍はその存在を消した。これで僕は今までどおりの日常を送ることができる。
…といいなぁ。
取り合えず、家に帰ろう。もう疲れたよ、パトラッシ○。
…こうして僕は影殺しとなった。なりたくもないのに
この物語は、非日常を構成する一角となりながらも、それでも日常を目指して生活する主人公の物語である。
kisaragi yoikage's ability
-消滅-
*詳細-自らが敵と認めた存在を消滅させる。確率は30%。ユニーク属性-
-龍殺-new!
*詳細-龍を単独で倒すことに成功した者のみが得られる特性。龍系統への攻撃に+80%、防御に80%の補正を得る。
-崩龍-new!
*詳細-龍を単独で倒すことに成功した者のみが得られるスキル。龍のブレスを放つことができる。威力は倒した龍の最大火力の180%となる。速度に80%の補正。
登場人物
宵影 如月(kisaragi yoikage)
所有能力”消滅””龍殺””崩龍”