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猫妖精のファンタジーライフ

私如月美々16歳は今非常に困惑しております。

何故なら気付いたら目の前に神様と名乗るお方が居るからです。

「えーっと君、さっきまで自分が何してたか分かる?」

自称神様が私に問いかけてくる。

何してたかって学校終わって帰る途中で段ボールIN猫が川に流されてたから助けようと思って川の中に入って行ってそれから〜・・・・・・あれ?そこから思い出せない?

「自称じゃ無いから。正真正銘の神だから。君、猫を助けたのは良いんだけど足を滑らせて後頭部を川の中にあった岩で強打してそのままお亡くなりになったんだよ」

マジですか?

「はい、マジです」

猫は!?猫は助かったの!?

「猫は無事だけど、君自分より猫が大事なの!?」

猫好きですから。それに今更自分がどうのって言っても意味無いし。

「まぁ、君が良いんならそれで良いんだけど・・・・・・実はね?君、まだ死ぬ運命じゃ無かったんだよね」

ふーん。

「軽いね!?だから、このまま冥土に行っても居場所が無いんだ」

では、私はどうしろと?

「うん。だからね?君には転生して貰う事になりました。君の残り寿命から計算して能力を二つ程あげようと思うんだけど」

能力?

「そう。所謂チート能力って奴かな」

そんなの要らない。

「要らないの?」

うん。要らない。

そんなのあったら転生しても詰まらないよ。

その代わり、転生先を私に決めさせてくれないかな?

「・・・・・・」

駄目?

「君、変わってるね。他の人達はチート能力って言ったら結構喜んで受け取るんだけど」

そうかな?

って言うか私みたいな人って結構居るの?

「何年かに一人か二人は居るね」

そうなんだ。

所で私の願いは聞き届けて貰えるの?

「うん、構わないよ。言ってごらん」

じゃあ、ファンタジーな世界で猫になりたい。

「そこで猫!?君どんだけ猫好きなの!?」

私の生き甲斐ですから。

もう死んでるけど。

「生き甲斐とまで(汗)・・・・・・オッケー。君の願いを聞き届けよう」

ありがとうございます神様。

「じゃあ行ってらっしゃい。良き人生・・・・・・?猫生を」

神様がそう言って微笑むと私の目の前が光に包まれる。

これが生まれ変わると言う事なのかな・・・・・・?

「あ、そうそう。唯の猫じゃ折角のファンタジー世界を楽しめないだろうから、猫妖精(ケットシー)にしといたから」

待ってろ猫妖精(ケットシー)の肉球〜!

「何それ!?それが人間としての最後の言葉なの!?」

神様がそう叫ぶと同時に嘗て如月美々だった私は意識を失った。






ファルタジア。

様々な種族が住まうこの大地に一匹の猫妖精が誕生した。

その猫妖精は黒い毛並みで何故か他の猫妖精の肉球を触る事を趣味としていた。

そして余りにもやり(ぷにり)過ぎた為に猫妖精の集落から追い出された(笑)

「うーむ。やり過ぎたニャ。でもぷにらずには居られなかったのニャ」

そう呟き、黒い猫妖精は宛もなく歩き始めた。

それから数年後。

猫妖精の集落から遠く離れたミジェンの町にある冒険者ギルドに茶色い革鎧に身を包んだ黒い猫妖精の姿があった。

「頼まれてたダンジョンのマップ作りが終わったニャ」

そう言って黒い猫妖精はギルドの受付嬢に一時間前に書き終えた地図を手渡す。

「はい、確かに受け取りました。では、報酬をお渡ししますね」

「毎度なのニャ」

受付嬢は袋に入った金貨十枚を黒い猫妖精に手渡すと黒い猫妖精は腰に着けた袋の中に金貨の入った袋を仕舞い込む。

「さーて、当面の生活費はニャんとか出来たし次の仕事までのんびりするかニャ」

黒い猫妖精は冒険者ギルドから出ると大通りを歩き出す。

「ねこちゃんだー♪」

すると、一人の小さい女の子が黒い猫妖精に飛び付いた。

「ニャッ!?・・・・・・ニャんだ道具屋の娘のマリンじゃニャいか。何時も言ってるけどいきなり飛び付いたら駄目ニャ」

「うん!」

「本当に分かってるのかニャ(汗)それと、ボクの事はタマで良いニャ」

「タマちゃん!」

実はこのタマ、本名をターゼンテマーゼリッテと言うのだが、長すぎてタマ自身が分からなくなる事があるので縮めてタマにした。

「時に何か用かニャ?」

「んゆ?」

「あ〜、ボクを見つけて飛び付いただけニャのね(汗)」

溜め息をつくとタマはマリンの手を取る。

「ほれ、お家に帰るニャ。お母さんが心配するニャ」

「うん!」

タマとマリンは二人仲良く道具屋に向かって歩き出すのであった。



ミジェンの町の地図作成者(マッパー)兼シーフ・猫妖精のタマ。

転生者なこの黒い猫妖精は時折ドジをかましながらもファルタジアで懸命に生きて行く。

後にファルタジアに危機が訪れた時、このタマが意外な活躍をみせるのだがそれはまた別のお話。


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