表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/4

生まれるそうです。

一回書いたのに全部飛んでしまいました。(^^;)

暗めだったから、別にいいんですけどね。

というか、主人公の設定生かしきれてない…OTL


 どうも。大山サツキです。


 どうやらあたし、もうそろそろ生まれるそうです。ま、混んでけ大きくなればね~。そりゃあ、生まれるか。楽しみだなぁ、新しい家族。喜んでくれるかな。

 …なんだか、小さくなってない?此処。外、騒がしいし。えっ?!もしかして今日うまれるの?!準備できてな~い!何とかなるかな、なるよね。よし、サツキ、いっきまーす。

 受け入れてもらえるといいな。どんなあたしになったとしても。

 

 シルヴェスター伯爵家では、今朝の早くに夫人である、ミラトリアが産気づいたため使用人が大慌てで、医者を呼んだり、産湯を沸かしたりとバタバタと大騒ぎである。そんな中、子供たちができることなどほとんどなく、ただただ、新しい家族が生まれてくるのを待つばかりであった。その子供たちの父であるユーティルは、城での仕事があったため、かなり行くことを渋っていたが、自分の妻にも説得され、仕方なく城へと向かって行った。


 その後ろ姿は、哀愁が漂っていた。とは、使用人一同の言葉である。


 それから、しばらくして今は太陽が空の真ん中を過ぎた頃。それでもまだ、赤ん坊は生まれてこない。何時になったら生まれてくるのかと心待ちにしていただけに、心配になってくる。

 母親の苦しそうな声も聞こえてくるし、使用人の慌てた様子もまた不安を煽る。子供たちの中で年長者のユーティリアが傍にいた、筆頭家令のエドワートに母と赤ん坊は大丈夫なのか、と聞こうとしたところで、母の苦しそうな声が聞こえなくなり、代わりに

  ――― オギャー、オギャー ―――

という赤ん坊の泣き声と、喜びの歓声が聞こえてきた。そこに、微かに母の声も聞こえる。

 子供たちは、赤ん坊に泣き声が聞こえた瞬間に走り出した。先に、アルフォードとイルフォード、続いてまだ小さいマゼンダを抱えたユーティリア続いた。

 赤ん坊と母がいる部屋に入ると、母と赤ん坊、 急遽呼ばれた医者、それと昔からいる使用人で子守のサラウェルだけだと思っていたのだが…。

 いつ戻ってきたのやら、お城に仕事に行ったはずの父――ユーティル――の姿があった。子供たちは、父の姿に驚きはしたものの、あまり気にせず…というか、ほとんど無視して赤ん坊に駆け寄った。


「わ~。女の子?かわいい!!」

「お~。母様と同じ黒い髪だ!!」

 さっそく生まれた赤ん坊を見て、騒いでいるのは双子のアルフォードとイルフォードである。

 それに続き、ユーティリアとマゼンダも揺りかごの中を覗き込んだ。中には、小さな黒い髪の赤ん坊がスヤスヤと眠っていた。穏やかなその寝顔に見ていた二人は、思わず顔がほころんだ。

 まだ幼くふわふわと柔らかい体に、小さな手。ユーティリアたちはすぐさま決意した。


(((この子は私(俺)達が守る!!絶対にほかの男のものになんかさせない(わ)!)))


 こうして、サティルノは姉たちにすんなりと受け入れられた。しかし、それと同時に過保護になりそうな兄弟に、少々あきれ果てる両親であった。

 穏やかな風景に皆がほっこりしていた時、


「ふんぎゃ~、ふんぎゃ~」


 眠っていたと思われていたサティルノが急に泣き出した。慌てた子供たちは、一生懸命あやそうとしたが、赤ん坊は一向に泣き止まず、むしろ、さらに泣き出したため、両親に預けたところ、それまで

火がついたように泣いていたのが嘘のようにすぐに泣き止んでしまった。


 自分たちでは泣き止まなかったのに、両親が抱くとすぐに泣き止んだ赤ん坊にいささか呆然としつつも、ユーティリアがこれ以上部屋にいても意味がないと気づき、他の弟妹を急かして自分たちの部屋に戻っていった。


 そんな子供の姿を見て、ミラトリアは言った。

「一体、誰に似たのかしらねぇ?あの子たち」

「さてね。そんなことより、体のほうは大丈夫なのかい?まだ寝ていた方がいいだろう?」

「フフ。誤魔化したわね。あの子たち、貴方に似たのかしらねぇ。見ていて楽しいわ」

「なっ?!そ、そんなことはないだろう!?ほら、髪の色とか、君にそっくりじゃないか」

「でも、性格は貴方に似たようね」

「ぐっ…」


 どうやら勝者は母である、ミラトリアのようだ。このような言い合いは結構日常茶飯事。しかし、そんな言い合いにも仲の良さが窺がえる。

 そんないつまでも新婚のような二人の間にできた子供たちは、いつもその様子を見せられているため、いつの間にか大抵のことは無視できる技術、「スルースキル」を身に付けていた。


 サティルノは、これからの生活に思いを馳せ、両親の少しおかしなやり取りを遠のく意識の中、ぼんやりと聞きながら、ゆっくりとまぶたを閉じた。


(これから、よろしくね。お父さん、お母さん。あたし、貴方たちのもとに忌まれてこれてよかった)


 こうして、サティルノは新たな家族たちに心の中で感謝した。サティルノは、ある瞬間が思い浮かんだ。

 

  1日1日が忘れられない日になっていき、大切な人がたくさんできる予感を


  たくさんの人が笑顔になれる予感を それと一緒に満面の笑顔で笑っている自分を…


 光り輝く未来、きっとそれはもうすぐくる近い未来の光景。


 毎日が楽しくて仕方がない、そんな日々がきっと来る。待っている。だから、何としてでも生き抜いてやる!


 そう心に誓ったサティルノだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ