NOTHING
腐乱と腐臭の時間の中 鎖につながれた俺
兄弟 俺の瞳に映る俺を見つめる奴ら
まるで魂のない実体に依存しているかのよう成り果てた人形
集まってくる野次馬 突き刺さってくる冷たい視線
美しく 果敢なく 醜く 見上げれば 散っていく人の命
僕が吹いたこの花びらが 永遠のはなむけになるように
僕の爪が 僕の脳が 僕の空がひび割れるように熱く
魂のない人形に操られるように 神経をはがされていくように
俺はあいつとゲームをしている 俺は操られている
俺はあいつのいうように駒を動かしている 俺の指は震えている
あいつの顔は・・・
うぎゃアアアアアアアァァアアアアアアアアアア…
オオオオオオ アギャギャぎゃぎゃぎゃ
俺の脳に… 制御不能の… この世界が目の前で
俺は時の川を流れる魂の一粒にでも祈りたい
まだ鱗のかかったこの手で
この朽ち果てたこの身が 新しい魂を送り出せたら
俺は世界のカウントダウンに布を被せる
世界がその瞳を閉じれば 俺を瞳を閉じる
最後の炎が消えるように 俺の周囲の空気を揺らめいていく
俺は最期の人形を抱え その時が終わるまで必死に逃げ伸びるだろう
俺もあの木に何億人者依存者と一緒に飾られる
毒の涙を流し 毒の国の独裁者に涙を流し 苦しみながら俺の命は寿命を終えていく
何人もの人間は断末魔に人の名を叫びながら爆ぜる
だが俺には叫ぶ人の名はいない
俺が愛するものは脳-ココ-にだけある
冷たく凍りつくような景色で
夢の中の俺は崇拝した
この透明になってゆく体で必死にお前に向かって手を伸ばす
夢と現実の間が 重なりゆく手のひらの寒色でつながった
俺は冷たい体で全力で死ぬ