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エピローグ

 これは、ちょっとおかしな物語。この世の果てに憧れた少年が、仲間を集めて旅にでた話。旅の途中にノアに会って、旅を途中でやめなければならなくなった哀れな5人の物語。


 この世が窮地に立たされた時や、この世の終わりの時、必ずノアが現れるという。ノアは男の事もあれば、女の時もある。重要なのは彼、もしくは彼女が間違いなくノアであるという事。ノアは真実を告げる。


 ただ一人、砂漠の中で最後まで諦めなかった少年がいた。しかし、その少年ですら倒れるしかなかった。世界中のあちこちで爆風が大地を震わせ、死の灰が降った。地球から人類は消えた。わずかに残った命が新たな再生に向けて動き出した。虫けら、と軽く扱われてきたもの達が地球を手に入れた。氷河と放射能に覆われた地球を背負う。これがそういうありがちなストーリーだったら、あなたは信じる?



 学校帰り、急に私の中が変わったの。分かったのよ。世界が終わる。残された時間はたったの1週間。私は大声で叫んだ。


「もうすぐ地球が終わる!」


 叫んだ瞬間後悔した。あたり一面パニックになったから。あなた達に出会って初めて私があの時わずかに感じた違和感の正体が分かったわ。

 全員信じたのよ、私の事。誰も疑わなかった。あの時世界はすでに終わり始めていたのね。私には分かる。ううん、そんな気がするの。

 あなた達に会った後も私は旅を続けなければいけなかった。誰かまだノアの言葉を聞いていない人間がいると私の中が言っていたから。最後まで私は進まなくてはいけない。全てをふりきって、前へ、前へと。最後の瞬間私は叫んだ。


「私はノア、今から世界が終わります!」

 

 言わない方が良かった?私はただの伝達者。救う力なんて持ってない。私はノア。最後のノア。





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