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怖すぎる彼女、元レディース総長でヤンキーを一瞬で黙らせる

作者: ガックン
掲載日:2026/04/01

いつも有難うございます。


今回は少し軽めのラブコメ寄りの短編を書いてみました。


ちょっと怖くて、でもどこか可愛い――そんな彼女のお話です。

肩の力を抜いて、気楽に読んでいただければ嬉しいです。

「遅い」


低い声。


振り返ると、そこに立っていたのは――俺の彼女、ミカだった。


腕を組み、無言でこちらを見下ろしている。


「五分遅刻」


「いや、四分やろ」


「五分だ」


即答。


否定の余地なし。


そのまま、じっと睨まれる。


……もうええわ。


「すみませんでした」


「分かればいい」


フン、と鼻を鳴らす。


そのまま歩き出すミカの背中を見ながら、俺は心の中で叫んだ。


(あのゴリラ女め……!)


力は強い、気も強い、口も強い。


完全に俺は尻に敷かれている。


正直、もう限界だ。


そう思った、その時だった。


「おい」


背後から、ガラの悪い声が飛んできた。


振り返る。


そこには、見覚えのある顔があった。


「薫じゃねえか。久しぶりだな」


……あー、最悪。


高校時代、暴走族のリーダーだったやつだ。


「えーと……久しぶり……」


「はっきり喋れや」


ドン、と胸を突かれる。


体がよろける。


「なにビビってんだよ」


ニヤつく顔。


そのまま、拳が振り上げられた。


「昔みたいに根性叩き直してやろうか?」


やばい。


次の瞬間――


ガシッ


その拳が、空中で止まった。


「……あ?」


男の顔が歪む。


掴んでいたのは――ミカだった。


いつの間にか、俺の前に立っている。


「ワタシの男に」


低い声。


「手ぇ出すな」


その瞬間だった。


ゴンッ


鈍い音。


次の瞬間には、男の体が吹き飛んでいた。


「は?」


仲間がざわつく。


だが、ミカは止まらない。


一歩踏み込む。


ドンッ


バキッ


「う、うわっ!」


次々と倒れていく。


一切の迷いなし。


一瞬だった。


全員、地面に転がっている。


静まり返る空気。


ミカは、軽く手を払った。


「フン」


それだけ。


何事もなかったかのように、俺を見る。


「帰るぞ」


「あ、ああ……」


歩き出す。


しばらく無言。


そして、俺は恐る恐る聞いた。


「……助けてくれたのか?」


「ち、ちげーよ!」


即答。


「勘違いすんな!」


顔を逸らす。


耳が、ほんのり赤い。


「ワタシの男とか言ってたけど……」


「わー!言うな!!」


バッと振り返る。


「忘れろ!!今すぐ忘れろ!!」


完全に慌てている。


さっきまでの圧はどこ行った。


そのまま、ずんずん歩いていく。


俺はその背中を見ながら、小さく笑った。


(……なんだよ)


(めっちゃ可愛いじゃねえか)


その日から。


俺はもう少しだけ、この“ゴリラ女”と一緒にいようと思った。

ーーー

二人の背中が、夜の闇に消えていく。

誰も、声をかけられなかった。

しばらくの沈黙。

「……なあ」

倒れていた男の一人が、震えた声で呟く。

「さっきの女……」

「……まさか」

「“華恋”の……」

「山吹……美香……」

その名が落ちた瞬間――

全員の顔色が変わった。

「……やべー、殺されるかと思った...」

誰も、もう笑っていなかった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


強くて怖いのに、どこか不器用で可愛い。

そんなギャップのあるキャラクターを書くのがとても楽しかったです。


少しでも「いいな」と思っていただけたら嬉しいです。

評価などいただけると励みになります!


また次の作品でもお会いできれば幸いです。


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