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現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する  作者: にがりの少なかった豆腐


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72 数日ぶりのログインとイベント結果

 

 リアルのごたつきがようやく解決し、精神的な疲労から部屋に置かれているソファに深く腰を静める。

 

「普通、管理を委託していた会社がやらかすとか、想像できないって」


 会社そのものの問題というよりは個人的な執着の末のやらかしではある……が、そんな人材をこちらによこしたのはその管理会社の問題でもある。

 さらに言ってしまえば、その管理会社と契約して管理を任せていた俺の責任でもあるわけだが。


 社員1人1人の思考を会社がすべて把握することが出来るわけではないのは理解できるし、正直同情はするが被害にあったのはこちら側なので、相応の対応はさせてもらった。

 結局、マンション管理の業務は他の会社に任せることになり、その手続きで数日使い、現在このマンションに住んでいる住民に対して、今回の件の説明を行った。


 今回の件でいろいろ面倒な処理をしなければならなくなったわけだが、直接被害に遭ってしまった相手にもしっかり謝罪をしに行った。

 

 実はその時に驚くようなことがあったのだが、それは蛇足になるので割愛する。


「あー」


 本来ならする必要のないことをやらされたことでストレスがやばい。

 人と関わりたくなくなったからこうやって生活するようになったのに、こんなことをしなければならないのか。まあ、社会の中で生きていく以上全く関わらないことは不可能なので仕方ないことではあるんだが。

 今回に関してはイレギュラーでしかないが。


「とりあえず一回寝て、FSOにログインしよう」


 嫌なことは好きなことをして忘れるのが一番だよな。




 寝て起きて少しすっきりしたところで、FSOにログインした。


 前回のログアウトから一週間近くログインできなかったため、今日がイベント最終日になってしまった。


 まさかこんなに間が空くとは思っていなかったんだよな。いや、イベント初日に参加時間全消費しておいて本当によかった。これが、情報集めてから参加するか、ってなっていたらろくに参加できないままイベントが終わるところだった。危なねぇ。


 後1時間もすればランキングが発表される時間になる。

 イベント後半の状況をほとんど知らないのでどんな感じになっているのかわからないが、調べていたところで結果は変わるわけでもない。


「上位に入っているといいんだけどな。理想はトップ50以内だが」


 さすがにそれは難しいだろうが。どう考えても情報を集めてから参加している後半組の方が圧倒的に有利なわけだし。

 

 一旦ランキングは発表されるまでの間、シュラ達の様子とダンジョンの報酬がどうなっているのかを確認していく。


「です」


 俺の姿を見て近づいて来た体感久しぶり見るシュラに若干癒しを感じて、そのままシュラの頭をなでる。

 その光景を見ていた他のテイムモンスターたちがつられて俺の近くによってきたので、順番に頭をなでて行った。


 ペットを飼っている人の感覚ってこんな感じなんだろうか。



 シュラたちが飽きるまで構ってからダンジョンの確認を進めていく。


「減っちゃいるが、そこまでではないな。イベント期間中だったからか?」


 予想していたよりも報酬用の武器や防具の減りが少ない。イベント中だったのもあるかもしれないが、もしかしたら今入れている装備では、プレイヤーの中でやや物足りない性能になってきている可能性もある。


「他のプレイヤーの装備事情とか俺にはわからないからなぁ」


 とりあえず、減った分の装備をログイン時のルーティンになっているガチャから出た不要な装備を突っ込んでいく。


「装備関連はイケシルバー、ウロボロス(検証班)に聞いてみるのもいいかもしれないな」


 そう独り言ちながら、やることが無くなったのでイケシルバーに連絡を入れた後、イベント関係の掲示板を見てログインできなかった期間がどんな状態になっていたのか、確認してみることにした。


 ざっくりと掲示板に書き込まれている情報を読み取っていく。

 

「あーなるほど。やっぱりモンスターから取れるポイントはかなりブレがあったみたいだな」


 掲示板に書き込まれているコメントでは、モンスターを倒すうまみはあまりないということになっていた。これから見るにやはり俺が獲得できていたポイントはLuk値による上振れみたいなもので、本来はあれ程稼げるようなものではなかったようだ。


「これを考えるとランキングはワンチャンありそうだな」


 普通のプレイヤーよりも多くポイントが稼げる要因があったのであれば、ランキングの上位にランクインしている可能性は高くなるはず。


 そんなことを考えてつつ、掲示板を見ているとイケシルバーから連絡が返って来た。

  

 フレンドチャットに送られてきた返信を確認する。

 内容は先ほど質問した武器に対しての返答だったが、現在のプレイヤーが求めている装備の情報の提供に関してチャットでは難しいので、必要であればどこかで対面により情報の販売をするとのこと。

 これに関しては、ウロボロスが収集している情報の1つなので、武器の情報も金銭(Fs)でのやり取りが必要になるようだ。


 そういえばこれまでウロボロスとの情報のやり取りは、記憶にある限り情報の物々交換しかやっていないことを思い出した。


 とはいえ、コメントの最後には情報の物々交換でも可と書かれていたので、これまでのようにあちらが欲しがっている情報があれば、それと物々交換になるだろう。


「おっと、そろそろランキングが公開される時間だな」


 何度かコメントのやり取りをしているうちにランキングが出される直前になっていた。

 ウィンドウ内にあるイベント関連の情報ページを開き、ランキングが出されるのを待つ。まだランキングページは白紙の状態だが、時間が来ればここにランキングが公開されることになる。


 そして数分待ったところで公開時間になりランキングページが強制的にロードされ、ランキング表が公開された。


「さて、俺の順位はどんなもんかな」


 イベント中に獲得したポイントは記憶しているので、とりあえずランキング100位まで一気にページをスクロール……しようとした。


「あ?」


 どんなに結果がよくてもそこまで順位は高くないだろうと一旦切りの良い順位まで移動しようとしたのだが、その前に俺の名前がランキング上に表示されていることに気が付いた。


「嘘だろ。こんなに順位が高いのかよ。何かの実すか?」


 ランキングの8位。そこに俺のプレイヤー名であるミヨがはっきりと記載されていた。

 そして俺がそう言葉を発したと同時にウィンドウ上にイベント順位をお知らせする通知が届いた。

 そこにもはっきり俺の順位が8位であることが記載されており、ランキングの表示ミスではないことを証明していた。


「ワンチャンありそうだとは思ったが、さすがにこんな順位になるとは思っていなかったな」


 想定外の順位ではあるが、うれしい結果であることは間違いない。これは純粋に喜ぶべきだろう。


 8位となると称号として第3回イベントのTOP10称号と、10位以内に送られる景品があったはずだ。

 あとは順位関係なく獲得ポイントで景品と交換できるアイテムの選択くらいか。

 今回のイベントは順位報酬が結構軽めだ。その代わり、ポイントで交換できるアイテムの種類が多いことでバランスを取っているようだが。


「お?」


 早速ポイントで交換できるアイテムを選ぼうとしたところで、またイケシルバーからチャットで連絡が届いた。



イケシルバー:イベント8位おめでとう

ミヨ    :反応が早いな。ありがとう。そっちはどうだったんだ?



 さすがに知り合いとはいえイケシルバーの順位まで調べる気はない。気になっていたことは否定しないが、さすがにランキング上で知り合いの名前を探すのは手間がかかり過ぎる。



イケシルバー:儂は83位じゃったの。高順位ではあったがミヨさんほどではないの

ミヨ    :100位以内に入っていたのか。すごいな



 俺が褒めると人によっては嫌味に聞こえかねないが、イケシルバーならそう捉えることもないだろう。



ミヨ    :しかし、キャラはそれで通すのな

イケシルバー:はて、儂は儂でしかないがのぅ?

       それでミヨさん。今回の順位について、どうして8位になれたか、その要因に心当たりはあるかの

ミヨ    :ああ、まあ。確実とは言わないがこれだろうな、というのはある



 ちょうどいい。この情報を先ほど言っていた装備関連の情報売買の足しにしてしまおう。ま、終了したイベントの情報だし、すでに持っている可能性もあるだろうが、そうだったら普通に購入すればいい。

 


ミヨ    :この情報、さっき話した装備の情報の足しにしてくれるとありがたいんだが

イケシルバー:内容によるし、買い取りできたとしてもすでに終わったイベントの情報だから安くなってしまうがいいかの

ミヨ    :ああ。問題ない。

       今回の順位は多分モンスターで得られるポイントが影響していると思う

イケシルバー:なるほどの

ミヨ    :前に情報提供したと思うが、俺の取得しているスキルにLuk値を底上げするものがあっただろ。おそらくその影響でモンスターから得られるポイントがほぼ上限になっていて、宝を探すよりもモンスターを倒した方が効率が良かったんだよな。その結果この順位になったんだと思う

イケシルバー:幸運系のスキルじゃの。今のミヨさんのLukはどのくらいなのか聞いていいじゃろうか

ミヨ    :イベント中は1660だったな。今は1760だが

イケシルバー:聞いたことのない数値じゃの。まさかそれほどあるとは想定しておらなんだ



 イベントが終わった直後にスキルレベルが上がったため、その影響でLuk値が100ほど上がっている。スキルレベルが1上がっただけでもこの上昇量というのは、普段はそこまで影響しないとはいえ相当チートスキルだよなこれ。



 イベントが終わった直後にスキルレベルが上がったため、その影響でLuk値が100ほど上がっている。この上昇量を見ても、普段はそこまで影響しないとはいえ相当チートスキルだよなこれ。



イケシルバー:とりあえず、情報提供感謝じゃ。装備関連の情報も多いだけでそこまで高額というわけではないから、この情報で相殺でもいいだろうかの。価格決めの判断は儂ではないので最終的にどうなるかはわからないが

ミヨ    :別に多少の足しになればそれでいいさ。じゃあ、その情報はどこで教えてもらえばいいんだ?



 とりあえず装備の情報はチャット欄に書き込むには多いため、一度第9エリアでイケシルバーと合流し、そこで情報を買うことになった。


 まあ、これでイベントも終わったし、ダンジョンの調整をした後、しばらくは息抜きも兼ねてのんびり過ごすことするかな。

  

 今回作内で起きた件については特に説明する予定はありません。まあ、何か面倒ごとが起きたんだな、くらいの認識を持っていただければありがたいです。


 次話は少し時間が飛びますが、エピローグ回になります。

 残り1話となりましたが、最後までお付き合いいただけたら幸いです。



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