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現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する  作者: にがりの少なかった豆腐


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68:初ゲートキーパー

少し短めです。

  

 シュラを見ながら確認を取る。別に行かなくてもコピーが出てくるので問題はないが、割とシュラは戦闘好きなところがあるっぽいから、もしかしたら戦いに行きたいと思っているのではないかと感じたのだ。


「どうするのじゃ? あまり悩んでいる時間はないと思うのじゃが」


 ダンジョンの中に入って来たプレイヤーの動きを把握できているらしいアンゴーラがそう確認してきた。


「戦ってもいいです?」

「いいぞ」

「です!」


 シュラの返事に対しすぐに許可を出すと嬉しそうに飛び跳ねた。やはりシュラは戦いに行ってみたかったようだ。


「それならダンジョンマスターの機能を使ってこやつを対応する場へ転送するのじゃ」


 ウィンドウを操作してシュラをゲートキーパーとして転送するための操作をする。項目を操作しシュラを設定した後、転送ボタンを押した。


「それじゃあ頑張って来い」

「ですっ」


 転送ボタンを押してからすぐに転送されるわけではないらしく、少しのラグを挟んで完全に目の前からシュラの姿が見えなくなった。これでゲートキーパーが配置されている場所へ転送できたのだろう。


「アンゴーラ」

「なんじゃ」

「シュラが戦っている場面って見えたりするか? 前にダンジョン内の映像を見せてもらうことはできるか」


 アンゴーラ関係のイベントで、ダンジョンに入って来たNPCの様子を見せてもらったからできるはずだ。


「良いぞ。というかお主だけでも見ることは可能じゃぞ」

「そうなのか。まあ、今回はアンゴーラが出してくれると助かる」

「了解じゃ」


 シュラの戦いがどのタイミングで始まるかわからないので、できるだけすぐに映像を出しておきたいのだ。


 アンゴーラによって目の前にシュラの姿が映し出される。

 ぷらてあ達もシュラの様子が気になるのか、俺の近くに集まって映し出されている映像を見ている。


 まだ戦闘が始まっていないことから、プレイヤーたちはシュラが居る場所へ到達していないようだ。アンゴーラに確認すればまだプレイヤーたちは外へ帰還していないようなので、このまま倒れなければ近いうちにシュラの場所へ到達することになるだろう。


 そしてしばらくシュラが待機している画面を眺め続け、ようやくプレイや―達がシュラの目の前に現れた。


 これまでのゲートキーパーと同じようなモンスターが出てくると思っていたようで、プレイヤーたちがシュラを見て驚いていた。


 どうにも反応からしてシュラの声が聞こえている様子。通常フィールドではテイムモンスターの声はテイムしているプレイヤー以外には聞こえない仕様になっているのだが、どうやらゲートキーパーとして配置された場合は他のプレイヤーにも声が聞こえるようになるらしい。


「あっ」


 シュラの前に来たプレイヤーの探りを入れるような言葉にシュラがこのダンジョンの階層数をぽろった。

 おそらく、ついさっき聞いた話だったから反応してしまったのだろうが、どうしてそこに反応してしまったのか。


「これはちょっとお仕置きか?」


 特別誘導されたわけでもないし、その中で言い出してしまったのだから注意くらいはしておいた方がいいだろう。


 俺がそう軽い気持ちでボソッと小声で言った内容がシュラにも聞こえていたのか、焦った様子でシュラが取り乱し始めた。


 どうやらこちらの声もシュラには聞こえているようだが、プレイヤー側の反応からしてそちらには聞こえていないらしい。


「とりあえず、戦いに集中しような」


 明らかに戦えるような状態ではないシュラにそう声を掛けると、シュラはそのままの勢いで戦い始めた。


 ゲートキーパーとして設定されたことで、本来の強さよりも強化されていたことと、突然始まった戦闘に一方的にプレイヤーたちは蹂躙されていき、シュラとプレイヤーたちの戦闘は短時間で幕を閉じた。


 ううむ。戦いはシュラの圧倒で終わったわけだが、まさかあんな風にダンジョンの情報をポロリするとは思わなかった。

 まあ、ダンジョンの層数なんて知られてもそこまで痛手ではないのだが、あんなにあっさり口を滑らせるとは。

 テイムモンスター用の下級AIが搭載されているはずなのにかなり人間らしい行動をするものだ。


 さて、別に怒っているわけではないが口を滑らせた時にお仕置きすると言った手前、何もしないのはあまりよくない気もする。

 ま、帰ってきたら適当にデコピンでもすればいいか。


 若干、お仕置きと聞いた他のテイムモンスターたちに緊張が走ったように見えたし、できる限りこういうことが無いように注意しておかないとな。


「ですぅ」


 完全にプレイヤーがダンジョン内から出されたことでシュラがこの場に戻って来た。

 俺がお仕置きと言ったからか、戦いに勝ったはずなのにシュラのテンションはあまり高くはないようだ。


「シュラ」


 これが声を掛けるとこのままお仕置きされると思っているのだろう、シュラはびくりと体を震わせた。

 そんなシュラの元に近づいていき、シュラの身長に合わせるように身を屈める。そしてそのままシュラの額を人差し指で軽く突いた。


「これでお仕置きは終わりだ。次同じようなことがあったら、戦いに関係ない話には乗らないようにな」


 思っていたよりも軽いお仕置きにキョトンとした顔をこちらに向けるシュラにそう声を掛けた。


「です」


 別にあのお仕置き発言はその場のノリで本当にするつもりはなかったんだよな。そもそも聞こえていないと思っていたから言ったわけだし。ただ、こんなに身構えていられると何もしないのは逆に不安にさせるだけなので、軽めのお仕置きをした形だ。

 まあ、ここまで怖がっているならさすがに次があっても失敗はしないだろう。


「それとよく勝ってきたな。えらいぞ」


 そう言ってシュラの頭をなでる。情報ポロリはもういいとして、ちゃんとプレイヤー相手に危なげなかったとはいえ勝利してきたことはしっかり褒めるべきだ。

 ダンジョン以外でもこれからもずっと活躍してほしいし、こういうことは大事だろう。


「ですっ」


 褒められたことで先ほどと打って変わって嬉しそうな表情をしたシュラがそう返事をした。

  

次話は掲示板回になります。

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