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現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する  作者: にがりの少なかった豆腐


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58:逆恨みボッシュート

 

 俺の疑問に少し呆けたような表情をしていた受付のオッサンだったが、すぐにどういうことなのか理解したのか少し申し訳なさそうな顔をした。


「あ、すまん。説明されてないのか。メイン職の方が上級職になっているからその時されていると思っていたんだが」


 ん? もしかして上級職になった時に説明されていて、その説明を俺が聞き流していたとかそんな感じなのか。


「簡単な説明になってしまうが、ギルドでは便宜上、その時就ける職業の事を適性職と言っている。ただこれは別に就ける職を制限するようなものじゃねぇ。大半のやつらは同じ職業が表示されるんだ。だがな、たまーに特殊な職業に就けるようになっている奴がいる。そういう奴らのためにやることだな」

「……ああ、そういうことか」


 選択できる職業の一覧を更新するためにこの水晶を使う感じなんだな。

 そうなると上級職や特殊な職に就く条件を満たしていても、この水晶を使って就ける職業を更新しないと転職先の職として表示されないってことかね。


 そう言えばミドルテイマーに就く時に似たような物に触れたな。あれはそういうことだったのか。あの時はよくわからなかったから言われるままにしていたし、となると詳しい説明はされてないな。今回も聞かなければ答えてくれなかっただろうし、これは知っていて当然の情報で知らないなら自分で調べろってことなのかね。

 あ、もしかしたらヘルプに載っている情報なのかもしれない。あんまり見ないんだよなあれ。


「基本的にこの水晶を使って適性を見るのは任意だけどな。ただ、ミヨさんの場合はセカンド職を設定するのは初めてだし、いつの間にか増えている時があるから今回はやっておいた方が良いだろう」


 ミドルテイマーに就いた時に更新されていると思うが、確認のためにやっておいた方が良いだろうな。

 本当は自動更新にしてくれた方が一番いいんだが、増えていないのがわかっているのに一々やるのは怠いから強制ではないのは良い。といっても、滅多に職を替えない奴は毎回やることになるんだろうけど。


「ああ、それと適性として表示される職の一覧はこっちには見えないから気にしなくていい。それとセカンド職に関してはギルドカードに表示されることはないから、ほとんどのやつには知られることはないから安心してくれ」

「ほとんどって、それは安心して良いのか?」


 別に見えたところで気にはしないと思うのだが……いや、見えない方が良い職もあるか。あるかどうかはわからないが暗殺系の職だったら、NPCだろうと知られない方が良いだろうし、俺が就こうとしている職も見えない方が良いやつだったわ。


「ははは。見れるのはギルドマスタークラスの人だけだからな。変なことをしない限り知られることはないさ」

「見れるのがギルマスクラスなら安心か。……それなら看破とかを使ったらどうなるんだ?」


 勝手に相手、他のプレイヤーのことを鑑定なり看破するのは嫌われる行為ではあるが、出来ないわけじゃないんだよな。やられた側は違和感があるらしいが、周囲に他のプレイヤーが多い中でやられたら誰が看破を使ったなんてわからないだろうし、そうやって人の事を暴くのが好きな輩は結構いるからなぁ。


 看破を使ったら見えるとなるとギルドカードに記載されないといっても意味がない。特にプレイヤー同士だとギルドカードで相手の事を確認するなんことは滅多にしないからな。やるとすればクランに加入する時くらいだろう。


「看破を使っても見れんよ。見えたとしても精々メイン職だけだな。そもそも他の奴やそいつが持っている物を無許可で看破、鑑定するのはマナー違反だ」

「それは良かったが、まあそうだよな」


 NPCの認識でも勝手に看破するのは駄目なことなんだな。まあ、他人(ひと)の事を勝手に調べるのが駄目なのは当たり前の事ではあるが。


 うーむ。看破で見えるのがメイン職だけとなるとPVPで戦略に組み込んでくる奴も出て来るだろうな。見た目完全に戦士職でセカンドが魔法職とか、何ならサモナーとかで危なくなってからモンスターを召喚して逆転するって手もなくはないだろう。

 次にPVP系のイベントが有ったら観察してみるのも面白いかもしれない。


 まあ、俺は進んでPVPをすることはないから、そういうのは気にしないで好きなやつを選ぶけどな。


 そんなことを考えながら水晶に触れると目の前に半透明のウィンドウが出現した。そこには見覚えのある職業一覧が表示されており、その一覧の上部には上級職というカテゴリが表示されており職業が3つ示され、その内1つにNEWのマークがついている。


 1つはダンジョンマスター。これはダンジョンマスターの称号の効果で出たやつだな。あとの2つは拳闘士と魔拳士(光)となっている。こっちは称号ではなくスキルが関係しているものだろう。

 魔拳士(光)の前にNEWと出ているので、今水晶に触ったことで新たに表示されるようになった職ということなんだろうな。


 新しく着ける職業が出たところで俺がセカンド職にするのは最初から決まっているんだがな。


 

 ギルドでセカンド職をダンジョンマスターに設定した後、そのままダンジョンへ向かった。

 本来目的だった依頼についてはギルドの転職機能のことに気づく前に受けていたので、可能な限りの依頼を受けてきている。

 この依頼を終えればギルドポイントが規定値以上になるので、ギルドランクがDからCに上がるはずだ。


 村を出て30分ほど移動したところで、プレイヤーたちから鉱石ダンジョンと呼ばれているフィアーナダンジョンの入り口に到着した。

 ダンジョンの入り口付近には数パーティーが休憩なのか、これから入るために準備をしているのか話し合いをしているのが確認できた。


 数人が俺たちの存在に気づいてこちらを見ているが、できれば関わりたくはないので、声をかけられたりする前にダンジョンの中に入ることにしよう。

 

 そう考えてさっさとダンジョンの入り口に向かったところで、柄の悪そうなプレイヤーの1人と目があった。


 何処かで見たことがあるような……

 まあ、俺も結構ダンジョンで素材集めをしているからダンジョン関係では顔見知りくらいはいる。その内の誰かなんだろうが微妙に嫌悪感がくるのはなんでだろうか。

 しかしほぼソロ活動していて、関りのあるプレイヤーが本当に少ないから見れば知り合いかどうかはわかるし、見覚えが無いということは初めて会ったプレイヤーのはずだよな?

 初見の相手に嫌悪感を抱くなんて普段ではないんだが。


「ん? あ″?! テメェは初日の!」

 

 俺が知り合いではないと判断したところで、そのプレイヤーが俺に向かって大声を上げて来た。


 目が合っただけでいきなり声を上げて来るとか、なんかやべぇ奴だな。

 しかし、初日? その日に関わったプレイヤーって言ったらイケシルバーくらいだったはずだが…………あぁ、いたわ一人。ガチムチマッチョの迷惑プレイヤーが。ああ確かにこんな感じの見た目だったか。数分も関わっていないから存在自体忘れていたわ。

 で、声のかけられ方からして逆恨みっぽいなぁ、これ。


「テメェのせいであの後1日、ログインできなくなったんだぞ。責任とれや!」


 いやいや、あれは誰がどう見ても自業自得でしかないだろ。それに強制退場させられたからってログイン1日禁止されるとは考えられないから、あの後の行動も悪かったってことだよな。


 意味の通じない大声を上げながらガチムチがこちらに近づいてくる。このまま関わるのはどう考えても面倒ごとにしかならないのは明白。即座にこの場を離れようとしたところで、そのガチムチと一緒にいたプレイヤーたちがそいつの前に立ち塞がり動きを止めた。


「おい止めろ。この前みたいにペナ食うだろ!」

「ほんとだよ。また巻き添えを食うのは勘弁だからな」

「そろそろ切った方がいいだろこいつ。メンバー足りないから臨時で入れてるけど、問題起こしすぎなんだよ」

 

 他のメンバーからも嫌われているっぽいな。それに頻繁に問題を起こしているようだし、運営に注意されても反省しないプレイヤーなんだろう。

 パーティメンバーに入れたのが運の尽きというか、巻き添えでペナルティ食らったみたいだしご愁傷様というか。まあ、その段階で切り捨てればよかったのにとは思うが。


「俺はこいつのせいで初日を無駄にしたんだぞ?! ここで黙ってろって言うのか?!」

「どうせ前みたいに相手に非がないのに言い掛かりで自分から喧嘩ふっかけただけだろ。自業自得だ!」

「リーダーもうこいつ追放しろよ。流石にもう我慢できない」

「メンバー少なくなったから臨時でってことだったがさすがに――」


 どうやらガチムチの行動に耐えかねてパーティから追放される流れになりそうだ。ま、これも自業自得でしかないが。


 自分のことしか考えていないやつと関わっても不毛なだけだから、さっさとダンジョンの中に入るに限るな。

 ただ面倒なのは、こいつらがダンジョンの入り口の近くに居るってことなんだよな。どうしても中に入るにはあいつらの前を通る必要がある。


 絶対絡まれるよなぁ。

 見た感じ、他のメンバーに抑えられてはいるけど、セクシャルガードの関係で完全に制止することは出来ないし、強引に来るだろう。まあ、そうなったらこっちで通報すればこの場から退場させられるとは思うが、今の状況じゃあ通報しても意味はないだろうしなぁ。

 ……いや? 前に絡まれたことを伝えた上で逆恨みされていて、絡まれそうになっているって通報すれば対処してくれるか?


 それか、一切あいつのことを無視してダンジョンの中には居るってのも有りだな。初日の時もそうだったが、セクシャルガードによってこのアバターには直接触れないようになっているから、掴まれて強引に止められるってこともない。ダンジョンの入り口もそこまで小さくはないから、塞がれてはいれないってこともないはず。


 どうするかな。…………まあ、通報しつつ強引に前を突っ切ればいいか。あまり時間を使いたくないし、あわよくばあいつをこの場から退場させることが出来るかもしれない。


 ステータス画面からウィンドウを操作し、文章で通報する。前と同じように音声での通報でもよかったのだが内容を聞かれたら面倒なことになるかもしれないから、今回はこっちの機能を使った。


 ガチムチ達はまだ言い争いをしているようで、あまりこっちを気にしている様子はない。

 俺がその様子を確認していると、1人こっちを見て頭を下げて来たプレイヤーが居たがあれがあのパーティーのリーダーだろうか。


 ま、ガチムチの意識がこっちに向いていないなら好都合だな。


「あ!? てめぇ待てこ」


 横を通り過ぎる際に、ガチムチらしき怒鳴り声が聞こえて来たがそれは一切無視して進む。

 そうして俺は言い争うをしているプレイヤーたちの近くを一気に通り過ぎ、そのまま足を止めることなくダンジョンの入り口をくぐった。


 途中で声が途切れていたが、気にすることでもないな。

 

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