52:レベル上げと先へ
やちゃるも卵から孵ったことだし、まずはレベル上げをすることにしよう。ついでと言っては悪いがキャラメルのレベルも上げることにしようか。
近くのギルドに行って素材を買うことにする。
さしあたってここで問題になるのがやちゃるのレベルを上げるために使う素材だ。キャラメルは速度型のモンスターの素材を使えば良いが、やちゃるの場合はINT・MNDが上がるような素材が望ましい。
ただ、今まで戦ってきたモンスターやテイムしてきたモンスターたちは魔法型のものは少ない。ぶっちゃけどの素材を使えば良いのかがわからないのだ。
これはイケシルバーに連絡をとって聞いてみる方が良いかもしれない。少なくとも俺が自力で調べるよりも多くの情報を教えて貰えそうだし、もとから蘇生薬の効果範囲を聞くつもりだったのだからちょうどいいかもしれないな。
そう思い立ちイケシルバーに連絡をしようとしたところで、フレンド一覧に表示されているイケシルバーのネームがログアウト中であることを示していることに気付いた。
「あら、イケシルバーはいないのか」
頼みの綱とまでは言わないが普段連絡を取っているやつが居ないのは少々不便だ。まあ、他に連絡が取れそうなやつが居るのでそいつに連絡することにしよう。
そうして俺はイケシルバーのネームの隣に表示されている霊泉に連絡を取ることにした。
霊泉からの返事はかなり早い段階で届いた。
やちゃるのための素材の返事はそこそこといったところ。INTとMND、どちらにも特化しているモンスターはいないがINTもしくはMNDだけ高いモンスターは存在し、それなりの数の素材が委託に流れているらしい。これを参考にしてやちゃるのレベルを上げるための素材を買うことにしよう。
それと蘇生薬についてはまだ調査中のようだった。まあ、これについてはイベントが終わった直後であるし仕方が無いだろう。次回、やちゃるの情報を教えるまでには検証をおえているだろうから、その際に教えて貰えるようだ。
とりあえずギルドに着いたので霊泉に教えて貰った素材を買ってやちゃるのレベルを上げることにしよう。
『NAME:やちゃる 種族:妖精 (闇) LV:1 属性:闇
HP:24/24 MP:60/60
STR:5 INT:32 総合攻撃力:18
VIT:4 MND:34 総合防御力:18
AGI:21 DEX:16
スキル:身隠し・惑わしの黒光・闇魔術』
↓
『NAME:やちゃる 種族:妖精 (闇) LV:20 属性:闇
HP:44/44 MP:116/116
STR:13 INT:111 (21) 総合攻撃力:62
VIT:14 MND:109 (18) 総合防御力:61
AGI:60 DEX:48
スキル:身隠し・惑わしの黒光・闇魔術・幻聴の囀り
進化可能:精霊 (闇)』
やちゃるは思っていた以上にレベルが上がり難かった。おそらく妖精という種族自体レア種族であって、その分レベルを上げるための経験値が通常のモンスターよりも多く設定されているのだろう。
とりあえず進化可能になった。進化先が1つしかないので迷う必要は無いな。やちゃるのステータスに表示されている進化先を選択する。
そしてやちゃるから数秒間進化エフェクトが溢れ、そのエフェクトが無くなったところで進化が完了した。
「ちゃる?」
やちゃるの見た目はそれほど変化がなかった。サイズが少し大きくなった程度と背中の羽が無くなった程度だ。まあ、羽が無くなったのだから変化はあったのだが、正面から見た感じそれほど差はない。
それと、シュラやぷらてあのように話せるようにはなっていないようだ。話せるようになるのはもう1段階進化される必要があるのだろう。もしかしたら他にも条件があるのかもしれないが。
『NAME:やちゃる 種族:精霊 (闇) LV:1 属性:闇
HP:35/35 MP:98/98
STR:8 INT:78 (10) 総合攻撃力:43
VIT:9 MND:79 (9) 総合防御力:44
AGI:48 DEX:38
スキル:身隠し・惑わしの黒光・闇魔法LV3・幻聴の囀り・自動MP回復 』
進化したことでやちゃるのステータスは少し下がったが、一段階前のレベル1に比べて十分なくらいステータスは上がっている。そして、純魔法型だからか精霊だからか自動MP回復のスキルを覚えた。これは
残っていた素材を使いやちゃるのレベルを8まで上げた。そこでやちゃる用の素材が無くなったので次はキャラメルのレベルを上げてく。
キャラメル用の素材は速度を力、器用さが上がる物を使う。現在のキャラメルはこんな感じだ。
『NAME:キャラメル 種族:ウィンドキャット LV:29 属性:風
HP:98 / 98 MP:182 / 182
STR:143 INT:91 総合攻撃力:117
VIT:29 MND:78 総合防御力:53
AGI:264 (87) DEX:120 (16)
スキル:引っ掻き・高速移動・軟体LV4・身隠し・ウィンドカッター・空歩 』
おそらくレア個体という事で次の進化はシュラやぷらてあと同じように45だろう。今回のレベル上げでそこまで上がるかどうかといった感じか。
それで持っている素材を全て使ってキャラメルのレベルを上げた訳だが……
『NAME:キャラメル 種族:ウィンドキャット LV:42 属性:風
HP:124 / 124 MP:241 / 241
STR:201 (6) INT:124 総合攻撃力:162
VIT:42 MND:104 総合防御力:73
AGI:404 (102) DEX:176 (34)
スキル:引っ掻き・高速移動・軟体LV7・身隠し・ウィンドカッター・空歩・瞬身LV2・風纏い 』
45レベルまで行かなかった。それに他のテイムモンスターに比べて若干ステが低い気がする。確か朱鞠はこの段階でこれよりも強いステータスを持っていた記憶がある。
ううーん。理由がわからない。確かにシュラたちに比べて補正値思い返してみれば最初のステータスも若干低かった記憶もあるな。もしかして次に進化したら、大幅にステータスが上がるようなタイプなのか? いや、ステータスが低い分スキルが多いのでそこで調節されているのかもしれない?
まあ、その辺は次に進化した時にでもわかるだろうから気にしなくてもいいかもしれないな。
やちゃるとキャラメルのレベルも上げたので先に進むことにしよう。
シュラたちのレベルも上げた方が良いのはわかっているんだが、最近レベルが上がらなくなっているんだよな。それも横並びでしかも俺と同じレベルという。
明らかにキャップと言うか上限にかかっている気配がある。それも俺のレベルがテイムモンスターのレベルキャップになるとは想定していない結果でだ。本当に綺麗にレベル39で並んでいるんだよな。
はっきり言って俺のアバターレベルは高くも低くもない。
プレイヤー全体の平均という意味ではなく前線組と同程度のレベルという意味だ。トップクラスのプレイヤーのレベルには全く以て追いついていない感じではあるが、別に低くはない。だからなのかあまりレベルが上がらない。
テイマー職に就いているため、直接俺が戦闘をした際の取得できる経験値が少なくなっているのもあるだろうが、フィールドに出現するモンスターのレベルが適切ではないというのもある。
そもそも最前線は現在第5エリアだ。そろそろ第6エリアへ到達しそうなプレイヤーも居るらしいが、俺たちにはあまり関係ない事か。
そして俺が今いるのは第4エリア。前線に立つプレイヤーと同程度である以上、レベル帯が合っていない。特に第4エリアと第5エリアではレベルがそれなりに異なるらしい。
聞くところによると平均して5レベルくらい違うとかなんとか。
それと第3エリアから第4エリアへ移動するために条件があったのとは異なり、第5エリアへは特に条件を満たす必要は無い。なので、第4エリアに留まるのではなくさっさと先に進むべきなのだろう。まあ、そもそも第4エリアで出来ることは全てやってしまっているのでもとからイベントが終わったら進むつもりだったのだけどな。
そういう訳で先のエリアへ進むことにしたのだ。
第4エリアから第5エリアへ移動するために倒さなければならないエリアボスはモスゴーレムだ。
高耐久型のエリアボスで、火力の薄いパーティーではそこそこ苦戦するとの話。まあ、そこそこ苦戦と言っているように、結構倒すことは簡単のようだ。
高HPで高VIT・MNDとは言え、鈍足で的としても大きなゴーレムであるため、ある程度の距離を取って戦えばそうそう負けることは無いだろう。その代わり攻撃を受ければ結構なダメージを食らわせられてしまうようだが。
まあ、それに適正レベルが30だから俺たちからしたら完全に格下だ。下手に油断したりしなければ負けることは無いだろう。
『オォオォォォォ……』
目の前に高くそびえていた苔色のゴーレムが断末魔の叫びを上げ、体が崩れていく音を立てながら地に伏した。
『エリアボス モスゴーレムの討伐に成功しました。
これにより次のエリアである第5エリアへの移動が可能になりました』
やはり推奨レベル30のボスに平均35以上のレベルで挑めば、レベル差を覆すのは難しいよな。俺は討伐成功アナウンスを聞きながらそう思った。
元から分かっていたことだが、モスゴーレムは完全封殺状態で討伐することが出来た。
状態異常は効果が薄いのでぷらてあの蔦と朱鞠の糸による拘束で動きを封じ、後は一斉にモスゴーレムをたこ殴りにすることでさして苦労することなく短時間で討伐した。
まあ、最後の方はさすがゴーレムと言った感じの力で拘束を抜け出しそうになっていたが、モスゴーレムのHPが尽きる方が早かったため、事なきを得ていたわけだが。いや、抜け出していたところで攻撃を食らったとは思わないけどな。
そうして、ボスの戦闘エリアから出た。寄り道しながら街に向かうのもいいかもしれないと少し考えたが、先の街でイケシルバーたちと会う約束もしているので、俺たちはそのまま第5エリアの主要都市に向かって進むことにした。




