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現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する  作者: にがりの少なかった豆腐


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32:ぬぐぁあああ!

 

 えぇ……。ダンジョンをクリア扱いになったのはいいけど、状況が呑み込めない。いや、それよりもあの光の影響で視界が真っ白に染まったままだから、周囲がどうなっているのかがわからないな。みんな無事なのか?


 アナウンスで、俺がこのダンジョンを支配下に置いたと言ったってことは、アンゴーラはどうなった? まさかあの衝撃で死んだのか? それとも俺がダンジョンを乗っ取ったことで消滅してしまったのか?


 しだいに融合したダンジョンコアとアンゴーラがぶつかった際に発した光の影響が収まり、視界が回復してきた。


『なんじゃ今のは。妾のダンジョンコアが光り出して……』


 ようやく見えるようになった視界の中に、多少衝撃で飛ばされていたようだけど、驚きで固まり腹天状態のアンゴーラの姿が確認できた。


 大分混乱しているようだけど、どうやら生きていたようだ。良かった、とは思うけど、結局さっきのやつは何だったのだろうか。


 ≪ダンジョンコア:アンゴーラに触れてください。

 プレイヤーメイドダンジョンについての説明が表示されます≫


 はい? ダンジョンコア:アンゴーラって、え? じゃあ、あれってアンゴーラがダンジョンコアと融合したから出た光なのか?


 とりあえず、目の前に出ているアナウンスウィンドウに従って、アンゴーラに触れてみるか。


 触れるためにアンゴーラに近付いて行く。それに気づいたアンゴーラが、はっと我に返りすぐさま近づいて来ていた俺に対して警戒態勢を取った。


『なんじゃお主。何で近付いてくるのじゃ、ってのわ?!』


 しかし、俺よりも近くに居たぷらてあがアンゴーラの見えない位置から近付き持ち上げた。警戒していなかった相手にいきなり触れられたのでアンゴーラが少しだけパニックになっているが、まあ問題は無いだろう。


「ぷらてあ。そのままアンゴーラを確保しておいてくれ」

「わかっ…た」


 ぷらてあに指示を出してアンゴーラを逃がさないようにしてから、触れるために手を伸ばす。何処に触れればいいのかはわからないため、現状触りやすい位置にある頭でいいかと思った際、アンゴーラの額に先ほどまでなかったはずの黄色い宝石のような物が付いていることに気付いた。


「アンゴーラ。お前、額に宝石なんか付いていたか?」

『何を言っておる! そんなものは付いてはおらぬわ!』


 という事は、さっきのダンジョンコア関連で付いたってことか? アンゴーラが知らなかっただけで最初から付いていた可能性はあるけど、それならさっき対面している間に見ていただろうし、無かった可能性の方が高いよな。


 うぅむ、一回触って確認するのもいいかもしれないな。もしかしたら、触った瞬間に取れるかもしれない。


 とりあえずアンゴーラの額にある宝石のような物に触れてみる。


『お主何をしているのじゃ!?』

「うーん、普通の宝石っぽいな。取れそうな感じもない」

『だから何をぬにょ?!』

「ん?」


 なにかアンゴーラの様子がおかしい? 今まで微妙にもがいていたというのにいきなり動かなくなった。死んだような感じではないのだけど、抱えているぷらてあや近くで見ていたシュラも不安そうにアンゴーラの様子を窺っている。

 朱鞠は気にしているかどうかはわからない。さすがに蜘蛛の目ってどこを見ているかわからないんだよな。だからアンゴーラを見ているのか、見ていないのかもわからない。


『あ…お…ぐ』


 これ、大分まずくないか? アンゴーラから漏れて来る声からして、何かダメージ受けてそう。やってしまったことはどうにもならないけど、回復魔術を使えるように準備しておいた方が良いのだろうか。この状態のアンゴーラに聞くかどうかはわからないけど。


『えあ? うぬぉ……う、嘘じゃ。妾がダンジョンコアと融合したなど信じとうない。じゃが、これは……』


 どうやら無事?のようだな。目の前の虚空を見つめて何やらブツブツ呟いているが、もしかして俺と同じようにアナウンスウィンドウでも目の前に出ているのだろうか。

 

『ぐぬぅ、ぐぬぅぅ』


 アンゴーラが何やら唸っているが、額の宝石に触ってもプレイヤーメイドダンジョンについての説明が表示されなかったから、別の場所を触らないといけないのだろう。


 そう思ってアンゴーラの頭に触れる。しかし、余程目の前に表示されていると思われるウィンドウに集中しているのか、アンゴーラは俺が触れたことに気付いていないようで、ほとんど反応しなかった。



 ≪プレイヤーメイドダンジョン(以下:PMダンジョン)

 インスタントダンジョンを乗っ取ることで発生するダンジョン。

 プレイヤーだけではなく、NPCも挑みにくる場合がある。インスタントダンジョン同様、このダンジョン内で死亡(HPを全損)した場合、プレイヤーのみならずNPCもダンジョンの入り口に飛ばされ、リタイア扱いとなりプレイヤーの場合デスペナルティーは発生せず、NPCも実際に死ぬことは無い。ただし、例外はある。

 ダンジョンの名称は、ダンジョンマスターになったプレイヤーが決めることが出来る。名称を設定していない場合は、PMダンジョンと表示される。


 ・ダンジョンポイント

 ダンジョンポイントを消費することで、ダンジョンを成長させることが出来る。ダンジョンポイントについては下記参照。

 ダンジョンポイントを消費することで、ダンジョンの構成を変えることが可能。また、出現させるモンスターやトラップ、ギミックなども追加・変更できる。


 ・ダンジョンコア:〇〇

 ダンジョンコア:〇〇は、PMダンジョンを管理するための補助AIです。補助AIを介してダンジョンの操作を行うことが出来ます。補助AIとしての性能は、ダンジョンの成長によって向上していきますので、最初は補助AIの指示通りにダンジョンを成長させることをお勧めします。


 また、ダンジョンに関する質問等も補助AIに尋ねることが出来ます。

 この機能を使用するには、補助AIの額についている宝石に触れることで、制限を解除する必要があります。

 ※ダンジョンコア:〇〇は元のダンジョンコアの状態に戻すことが可能です。ただし、それを行った場合、補助AIとしての機能を使用することが出来なくなり、ダンジョンコアと融合していた存在は居なくなります。また、元の状態に戻すことは出来ませんので、注意してください。


 ・ダンジョンポイント

 ダンジョン管理スキルを介して使用できるポイント。獲得方法は、ダンジョンに挑んで来た者を撃退する・アイテムなどを消費する・Fsを変換する、など。


 さらに詳しい説明はヘルプを参照してください≫


 アンゴーラの頭に触れたことで開かれたウィンドウに表示されている説明を読む。


 ふーん、なるほど。とりあえずダンジョンポイントを溜めて、ダンジョンを大きくしていけばいいのか。

 額の宝石は質問機能を有効にするための物か。……いや、何で最初から有効になっていないんだよ。運営、ちょっと不親切じゃないか?


 と言うか、アンゴーラはリストラ可能なのかよ。それに居なくなるってことは、存在が消滅するってことか? それとも、単にダンジョンから出て行くだけなのか。


 まあ、あの話し方が嫌いってやつもいるだろうし、性格?も合う合わないがあるからな。仕方ない事かな。他のダンジョンで出て来る補助AIが全て同じって訳じゃないだろうし、絶対に合わない補助AIもいるだろうからな。

 ただ、パッと説明を読んだ感じ、補助AIの機能を無くすのは相当その補助AIと性格なり何なりが合わないと感じない限り、デメリットの方が大きいからしないだろうけどさ。


 これ、補助AIを使ってダンジョンを管理するらしいから、アンゴーラに話しを聞かないと先に進まないよな? アンゴーラにも似たようなアナウンスが出ているっぽいし、さっさと聞くか。


「アンゴーラ」

『うぬぬ……ぅぐう?』


 いまだにぷらてあの腕の中で唸っていたアンゴーラが、俺に声を掛けられたことで目の前に出ているらしいウィンドウからこちらに意識を戻したようだ。


『ぬ、な……なんじゃ』

「ダンジョンの運営について聞きたいんだが、アンゴーラも凡そ把握できているだろ?」

『な……なんのことじゃ』


 アンゴーラが俺から視線を逸らす。

 この反応からしても大体は把握しているようだな。ただ、リストラが可能である以上、いくらデメリットがあるからって、こういった下手な対応はリストラされやすくなると思うんだけど。


 まあ、ダンジョンマスターだったのにいきなりダンジョンコアになって、さらに補助AIになったことで混乱しているから、その辺りに考えが及んでいないってことだろう。いや、リストラされる可能性をアンゴーラが知らないだけの可能性もあるのか。


「アンゴーラ、お前は補助AIがダンジョンコアの状態に戻される可能性があることを知っているか?」

『ぬ? 補助AIではなくなるってことじゃろ? 妾としてはその方がよ……はっ!?』

「ちゃんと把握できているじゃん。ああ、いや、そこじゃないな。えっと、俺の方の説明だと、ダンジョンコアに戻したら融合していた存在は居なくなります。って書いてあるんだよ。これって、最悪アンゴーラ死ぬんじゃないか?」

『え?』


 まったくその可能性を考えていなかったと言わんばかりに、アンゴーラは抜けたような声を上げた。

 うーん。補助AIについてはしっかり把握できているようだが、アンゴーラと俺で補助AIについての説明が若干違うようだな。まあ、プレイヤーと補助AIで受ける説明が違うのは、当然と言えば当然ではあるけどさ。


『妾、死ぬの? 妾は補助AIから解放される、って説明じゃったんじゃが』

「いや、あくまでも俺の予想だからな。ただ、死ぬことがなかったとして、補助AIから解放されるってことは、要するにただのウサギに戻るってことじゃないのか? 少なくとも、ここのダンジョンコアは俺の物になっているから、アンゴーラはダンジョンマスターには戻れないだろ」

『ぬあ!? そうじゃった!』


 補助AIから解放されたら、ダンジョンマスターに戻るつもりだったのか。

 と言うかこれ、アンゴーラを補助AIにして、上手くダンジョンを弄れるようになるのか? ダンジョンが成長すれば補助AIとしての性能が上がるって書いてあるけど、それでも不安なんだが。

 とりあえずダンジョンを弄ってみないとわからないな。ちゃんと成長するかもしれないし。


「なあ、このままだと時間がもったいないし、そろそろダンジョンを弄ってみたいんだけど。もし、アンゴーラがどうしても補助AIが嫌だというなら解放しても良いぞ?」


 正直、さっさとダンジョンを弄りたい。いくら俺に時間があろうと、安全装置としてのログイン制限があるので、ずっとログインし続けることは出来ない。だから、切りの良い所まで進めておきたい。


『ぐぬぬ……』


 早く決めて欲しいところだけど、アンゴーラに残された選択肢は補助AIであり続けるだけだと思うんだよな。最悪、死ぬ可能性があるし、良くてもただのウサギに戻るだけなんだから。まあ、元の飼い主に復讐するのは補助AIだと難しいだろうけど。

 ん? ああいや、別に今決める必要は無いよな?


「ああいや、すまん。別に今すぐ結論を出す必要は無いんだよな。辞めようと思えばいつでも辞められるんだし」

『……まあ、そうじゃな。解放されたとしてどうなるかはわからぬし、少しの間、様子見でも良いか?』


 補助AIの質問機能で聞けばわかるかもしれないけど、これ以上時間をかけたくないし、ある程度ダンジョンを弄った後に教えてやればいいよな? もしかしたら、教える前にアンゴーラ自身が調べて気付くかもしれないけどさ。


「どうするんだ。今決めないのなら、ダンジョンの操作をしてみたいんだけど」

『ふむ……まあ、どうするかは後で考えるとしよう。それでここのダンジョンの操作じゃな。えーと、ほれ。これを見るのじゃ』


 アンゴーラがそう言うと同時に前足を動かし、何かを投げるような動作をすると、俺の前に新しいウィンドウが開かれた。


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