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現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する  作者: にがりの少なかった豆腐


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22:GMコールと新しいダンジョン

 

 基本的にFSOのダンジョンには一度に入れるプレイヤーの数に制限はない。それに、パーティーを組んでいない複数のプレイヤーが同時に入った所で、一緒に攻略しなければならないような構造にもなっていない。

 ソロで入ればソロで、パーティーで入ればパーティーでダンジョンをクリアすることになっている。


 なので、先にや後になんて順番は存在しない。

 ついでにこのダンジョンは既に攻略済みなので、ダンジョンクリアの競争なんてものも存在しないし、そもそもFSOのダンジョンは最初にクリアしたとしても特別な報酬がある訳でもない。


「聞いてんのかぁ?」


 まあ、こいつらの目的はありもしないルールで脅迫して、ここに来たプレイヤーからアイテムやらFsを脅し取る事だろうな。


 ぶっちゃけこいつらに関わる必要は無いし、話す必要もない。無視してさっさとダンジョンの中に入ってしまうのが正解だろう。ああ、でもGMコールって程でもないから通報くらいはしておくか。


「おい! 無視すんじゃねぇよ!」

「俺らが先に来てたんだぞ! 順番ぐらい守れよ!」

「はぁ…」


 ため息が漏れる。本当にこういった輩は何処にでもいるよな。こういう人に嫌がらせをすることを楽しみにしているプレイヤーってのは対処に困るんだよ。レッドネーム化していればこっちから攻撃して黙らせられるんだが、そうでないと攻撃する訳にはいかないし。


「てめぇ! その態度は何だ!」


 俺がため息を吐いたのが気に食わなかったのか、絡んで来ていたプレイヤーの1人が掴みかかって来る。そして、俺の肩に触れる直前にセクシャルガードに阻まれ思い切り弾かれた。


「いってぇ!? てめぇ!」


 いや、これは俺のせいではないし、完全に自業自得だろ。ああいや、こう言う奴らにとってそういうのは関係ないか。何かにつけていちゃもんを付けるのがこう言う奴らのやり方だしな。


 だけど、これで通報ではなくGMコールをする踏ん切りがついた。さすがに直接掴みかかられたら通報だけで済ませるつもりはないからな。


『どうなさいましたか?』

「第2エリアにある新緑のダンジョン入口で複数のプレイヤーに絡まれているので対処をお願いします。それと1度ですがセクシャルガードが発動しています」

『少々お待ちください。確認します。……他のプレイヤーからも複数の通報が入っていましたので、こちらで対処いたします』


 ふむ? 他のプレイヤーから通報があったという事は、こいつらはもっと前からここで陣取っていたのか? 


「てめぇ! 今何し―」


 俺がGMコールしたことに気付いたプレイヤーたちが掴みかかろうとしてきたが、その前に動きが止まり、そして直ぐに姿が消えた。おそらくGMの判断により別空間に飛ばされたのだろう。


 今回、GMがここに来なかったのは気になるが、他のプレイヤーが居ないから見せしめとして使えないからか? それとも単に忙しいからなのか。


 まあ、気にしても意味はないから、さっさとダンジョンの中に入るか。シュラも何かつまらなそうにしているし。



 ダンジョンの中に入ると、そこには森が広がっていた。


 聞いていた通りではあるけど、ゴブリンが居たダンジョンに比べて1フロア当たりの面積が広い。一応このフロアにも壁はあるらしいけど、それでも1キロメートル四方くらいの面積はあるらしい。

 まあ、1フロアが広い分、第2エリアのダンジョンとしては浅く、ゴブリンダンジョンと同じ3層目がボスフロアだそうだ。


 フロアが広いから次の階層に移動できる場所を探し出すのは時間が掛かる。しかも、その場所はダンジョンに入るたびに変わるらしく、事前に調べていても意味は無いようだ。


 なので俺たちもこれからしらみつぶしにこのフロアの中を探すことになるだろう。


 という訳で、この森ダンジョンの探索を始めよう。


  

 森の中を進む。


 周りを見渡す限り、木、木、蜘蛛、ウルフ、蜘蛛、木、芋虫っぽいモンスター、蜘蛛、苔玉、そして木。


 森の中だわぁ。

 と言うか外の森に比べて虫が多いな。ダンジョン入る前に通った森でもそんなに出て来なかったんだが。いや、それは整備されていた訳ではないけど道があった所為か。ダンジョンの中の森には道なんてものはないし、その分虫と遭遇しやすいのかもしれない。


「です!」


 迫って来ていたフォレストウルフをシュラが叩き潰した。


 うーん。レベル差があるから1撃だな。一応フォレストウルフのレベル10で、ダンジョンの外に居たモンスターよりも強くはあるのだけどな。


 目についたモンスターを倒しながら次の階層に繋がる場所を探していく。道なき道を進んでいるため、順調とは言えない速度でフロアのマップが埋まっていく。


 このままの速度で探索していると大分時間が掛かるな。パーティーで探索していればそれほど時間が掛からなかっただろうけど、俺は1人だしシュラはテイムモンスだから俺からそんなに離れて行動出来ないんだよな。


 ふむ。いっその事、マップを全て埋めるつもりで端から端までいいかもしれないな。

 ぷらてあ用の素材も集める必要があるし、このフロアに居るモンスターを全滅させるくらい倒さないと育成スキルでレベル上げをするには足りない気がする。


 時間は掛かるがマップ全埋めのつもりで探索していくか。




 ダンジョンに入ってから1時間。


 埋まったマップは8割強。倒したモンスターの数は100を超えた辺りからは数えていないが、手に入れた素材の数からして300は超えていそうだ。


 そしてようやく次の階層に繋がっていそうな場所を見つけた。そこは、他の場所とは異なり木が存在しない空間になっており、そこには明らかにゲートキーパーと言わんばかりの大きな蛾のようなモンスターが陣取っていた。


 見つけたからにはさっさと戦って次の階層に進むべきなのだろうけど、後少しでマップが全て埋まるので、先にマップを埋めきってからゲートキーパーと戦うことにした。



 ゲートキーパーを見つけてから20分程でマップを全て埋めきることが出来た。

 マップが埋まったので直ぐにゲートキーパーに戦いを挑むべきだと思うが、その前にマップを全て埋めた際に宝箱らしき物を見つけたので、今はそれの確認中だ。


 まさか、宝箱があるとは思わなかったが、ダンジョンの中と考えれば別におかしなことではないか。

 ただ、このダンジョンの情報をイケシルバーから教えて貰った時に宝箱があるという情報は貰っていないので、もしかしたらトラップの可能性もあるかもしれない。これは慎重に扱わなければ―


「です!」

「あっちょ!?」


 トラップの可能性もあるので慎重に宝箱を調べようとしたところで、シュラが思い切り宝箱の蓋を開けてしまった。直ぐにトラップだった場合に対処できるように身構えたが、特に何も起きることは無かった。どうやら普通に宝箱だったようだ。


「シュラ。いきなり開けるのは止めてくれ。トラップだったらどうするんだ」

「なのです?」


 おそらくシュラはゴブリンダンジョンのゲートキーパーを倒した時に出て来る宝箱と同じような感覚で開けたのだろう。今回はトラップではなかったからよかったが、今後のために宝箱を開ける前に確認するように教えなければならないようだ。

 まあ、今は宝箱の中身を確認するのが先だな。


「んー、入っているのは素材か。まだ手に入れていない奴だけど、シルバースパイダーシルクって名前からして、蜘蛛系のモンスターの素材だろうけどレアドロップかな」


 他にもいくつか素材が入っていたけど、それは既に持っている物だったから割愛。

 しかし、マップを埋めきるまで見つけることが出来なかったのはどれだけ運がないのか。

 …いや、最後の最後で見つけたことからして、フロアのマップを全て埋めたことによるボーナス的な物の可能性が高いか。


 まあ、これに関してはイケシルバーあたりに情報を渡して検証してもらえばいいか。


 さて、宝箱の中身も確認が終わったし、ゲートキーパーに戦いを挑みに行こう。

 

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