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現実逃避のために逃げ込んだVRMMOの世界で、俺はかわいいテイムモンスたちに囲まれてゲームの世界を堪能する  作者: にがりの少なかった豆腐


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12:嫌な予感

 

 2層目のゲートキーパーは層目と同じくゴブリン6匹。ただし、1層目とは異なり、前衛3、後衛3の構成で、後衛の中に魔術を使って来るゴブリンが居た。


 魔術を使って来るそのゴブリンの名前は他とは異なりゴブリンメイジとなっていた。まあ、魔術を使うとは言っても所詮はゴブリンだから、数発魔術を使っただけでMPが尽きていた。しかし、厄介な相手ではあった。


 そのゴブリンメイジが使ってきた魔術は攻撃魔術ではなく、補助魔術だった。そして使って来た種類は1種類のみ。

 それはAGIを上げる補助魔術で、補助魔法を掛けた相手は前衛のゴブリンではなく、後衛の弓持ちのゴブリン。補助を掛けるなら前衛の方が良いだろうと思ったが、これが意外と厄介だった。


 俺は2層目に入ってからは素手格闘スキルしか使っていなかった。それで問題なくゴブリンは倒せていたし、ゲートキーパーの前衛ゴブリンも倒せていた。しかし、速度を強化された弓持ちゴブリンは素早く動き、想定外に俺の攻撃を避けた。


 確かに、素手格闘のスキルはSPの消費が少なく、武器も使わないため光魔術よりも継続戦闘には向いている。しかし、魔術のように攻撃が飛んでいく訳でもなく武器を使わない分攻撃範囲が狭い。だから、元からAGIが高めのゴブリンが少しでも移動速度が上がると攻撃が当て辛くなってしまった。

 まあ、リアルスキルがあれば問題ないのだろうが、現実で格闘経験がある訳でもないし運動神経がすげー良い訳でもない俺がどうにかできる程甘くはない。


 しかも、AGIは攻撃速度にも影響があるのか弓矢の速度が上がり危うく当たりそうになった時もあった。ただ、素手格闘で倒しにくいなら光魔術を使えばいいのだから、負けることは無いのだけどな。


 という訳で、2層目のゲートキーパー戦も多少の苦戦もあったものの、被ダメージもなく勝つことが出来た。それで戦いの後に出て来た宝箱に入っていたのは1層目と同じ魔石(小)だけ。


 そう言えば魔石って育成スキル以外で使うとどうなるんだ? 他ゲーだと武器の強化に使えたりするが、FSOでも同じなのだろうか。


 WIKIを見ればわかるかもしれないが、まだサービス開始2日目だから載っていない可能性もあるんだよな。まあ、そこはイケシルバーに聞けばわかるか。テイムモンスを預ける話をした時にβテスターだったらしいことを言っていたし。




 転移陣に乗り次の階層に移動する。さて次の階層だな。


『転移陣を起動します。・・・・・・第3層に転移しました』


 転移エフェクトの光が薄まり第3層の光景がはっきり視認できるようになった。壁、床、天井と今までの光景と変わりはない。ただ、第1・2層に比べて道幅が倍くらいに広がり、天井の高さも同じように高くなっていた。


 これは、ゴブリンよりも大きなモンスターが出て来ると思っても良いのか? もしくは、この空間を生かせるような動きが出来るゴブリンが出て来る可能性もあるのかな。とりあえず何が出ても対応できるようにしておこう。


 ゴブリン以外のモンスターが出ていきなり攻撃してくる可能性があるから、周囲を警戒しながら奥に進んで行く。


 進んで行くとちらほらモンスターが出て来るが今のところ出て来ているのはゴブリンだけ。第2層のゲートキーパーだったゴブリンメイジも出ては来ているが、問題なく倒せている。



 進んで行くとさらに広い場所に出た。まだ奥に進むための道があることからゲートキーパーが出る場所ではなさそうだが、さて、ここは何のために設定された場所なのか。


 …ああ、いや、嫌な予感と言うか他ゲーの経験からして、どのような場所なのかは何となくわかってはいる。あまり理解したくないだけだ。


 そして、俺がその空間に踏み込んだ瞬間に、道の奥のから大量のゴブリンが目の前の開けた空間に殺到して来た。

 見る限り出て来たゴブリンは今まで戦ったことのある種類が大半のようだ。中には見たことのない装備をしているゴブリンもいるが、それは戦いながら確認すればいいだろう。


 もうここまでくれば他の可能性は無いだろうし、予想を否定することも出来ない。そして、これから何が起こるかを想像する必要もない。


「ここでモンスターハウスとか最悪だろ!」

 

 ゴブリンたちが俺に向かって近づいてくる。数は……正確にはわからないが既に30は超えていそうだ。しかもまだ後続が現れ続けている。


 おいおい、ちょっと待て。初期エリアにあるダンジョンでこれは無いだろ! クリアさせる気あるのか!?


 さらにゴブリンの数が増えていく目の前の光景を見て焦りつつも光魔術のライトショットを放ち、近い位置に居るゴブリンを倒していく。


 今目の前に居るゴブリンの内訳は大体こん棒ゴブリンが半分とそれよりもやや少なめな感じで弓ゴブリン。ゴブリンメイジと新しく出て来たゴブリンを合わせて1割居るかどうかだな。


 一撃一殺で倒せては居るが、明らかに手数が足りていない。範囲攻撃が欲しくなるが今は持っていないし、覚える可能性のある光魔術でもいつ覚えるかは不明。一応、光魔術がLV10になった時に、ライトエンチャントという技を覚えたが範囲攻撃ではなく、ライトエンチャントが掛かったプレイヤーの攻撃が全て光属性になり、追加ダメージを与えるという物だ。


 正直あまり使えな…いや、今なら使えるか? ライトエンチャントを覚えた時はまだ素手格闘を持っていなかったし、試す価値はあるかもしれない。

 魔術だとどうしても発動から着弾まで数秒はかかる。要するに一体倒すのにそれだけの時間が掛かる訳だが、素手格闘ならその時間は要らないし、一発の火力の低さをライトエンチャントで補えれば何とかなるかもしれない。


「ライトエンチャント! からのパンチ!」


 既に物量に圧され、ゴブリンに囲まれつつあった中で近くに居たゴブリンを殴る。そしてライトボールが当たった時と同じようなエフェクトが薄ら現れ、ゴブリンのHPバーの半分以上を削り取った。


 これなら何とかなるか? そう思いながらもう一発攻撃してゴブリンを倒す。


 そして、そこからは近づいてくるゴブリンを片っ端から殴り続け、ようやく残り10匹を切った。


 さて、ここからが正念場だろう。残っているのは弓ゴブリンが4、ゴブリンメイジが3、そして初見ゴブリンが2だ。


 今残っている中でもまずは面倒なゴブリンメイジから倒したいところだが、そのために何度かライトボールを放っているのだが初見ゴブリンの盾によって全て防がれていた。

 盾を持っているというところからわかるかもしれないが、初見ゴブリンの名称はゴブリンタンクだ。


 そのゴブリンタンクは看破で見た限り他のゴブリンに比べてHPが高く、総合攻撃力が低い代わりに総合防御力が高くなっている。それにダメージが0になる訳でもないが、盾で攻撃を防がれるとダメージがかなり減らされ、未だにゴブリンタンクを倒しきれていない。


「あっ、まずぐっ!?」


 とりあえずゴブリンタンクを1匹倒そうと自棄になって殴りかかるが、その攻撃はあっさり防がれてしまった。しかも、その隙にもう1匹のゴブリンタンクが盾を叩きつけてきて、その衝撃で俺は後ろに倒れ込んでしまった。


 直ぐに立ち上がろうとするもゴブリンタンクの追撃により、直ぐに立ち上がることが出来ない。さらに一瞬見えた限り、弓ゴブリンが弓矢を放っているのが見えてしまった。


 ああ、これは無理っぽいな。今からライトボールを放てばゴブリンタンクを1匹倒せるかもしれないが、そうすると弓矢が当たって詰むだろう。後ろに下がりつつ立ち上がろうとすればゴブリンタンクが追撃をしてきて立ち上がれない。


 ならゴブリンタンクを1匹でも道連れにした方が良い…


『危機的状況に幸運の星が降り注ぐ!』

「んあ?」


 ゴブリンタンクを道連れにしようとライトボールを放とうとしたところでアナウンスが流れた。

 幸運の星? そう言えばそんな感じのスキルを持っていたが、あ? 


 いきなりのアナウンスに戸惑っていると上から小石や砂が降ってきたので上を見る。するとそこには今にも落ちてきそうな、いや、既に落ちてきている大きな岩が存在していた。


「ちょまっ!?」


 大きな岩はそのまま俺の前に落下し、轟音を立てながらそこに居たゴブリンタンクを押しつぶしただけでなく、飛んできていた弓矢まで弾き飛ばした。

 

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