3.カラオケの構成
私は若い頃、レコーディングや映像制作に立ち会った事が有る。40年も前の話です。当時、スナックでカラオケが流行り出した。酒の勢いでレコードを出すと宣言した。私は生まれて初めて、作詞、作曲をした。と言っても、私は音楽の素養はない。楽器は使えないし、譜面も書けない。口ずさみで作曲した。
素人に門戸を開いているレコード制作会社を探し出し、プロの先生とピアノを前にしてアカペラで歌い、カラオケの依頼をした。ここまで3か月要した。歌の上手い素人に歌って貰った。有線放送に流れて、しばらく楽しんだ。2曲目は簡単だった。この頃流行り出したレーザーディスクを2曲共作った。3曲目は映画主題歌として作詞、作曲をして、予告通り映画を作った。
この経験から、カラオケの構成について伝えたい。私はプロではないし、その後、業界に近づいた事もありません。その分、素人目線で論じる事が出来るでしょう。
通常、歌詞が先に作られます。次にメロディが作られます。シンガー・ソング・ライターの場合は同時に頭に浮かぶ場合もあります。このメロディは声で歌う主旋律です。通常、メロディの作曲と24の楽器の編曲とは別の作曲家が担当します。その方が曲に厚みが出るからです。このメロディは1つの楽器で別録します。歌手が歌った後は消されます。
つまり、私達が耳にするカラオケには主旋律がないのです。その為、歌手の歌を覚えてからしか、歌えないのです。私がアドリブで歌うと言っているのは、歌手の声を聴いた事がない曲を、主旋律を想像しながら歌うという事です。
カラオケは主旋律にハモる様に作られています。声を外すとカラオケとハモれなくなり、嫌な音になります。テンポを外しても同じ事が言えます。逆に、外していてもハモっていれば外した事も分からない位です。尤も、カラオケは大まかに作られているので主旋律に敏感に反応はしていません。