美人系男子、アレクさん
さらにまだ道に迷ってる俺はもうその辺に歩いてる人に話を聞くことにした
「あ、すみませんそこの人・・成人の儀式の場所知りませんか?」
話しかけたのは・・・
なんていうか
美人系のお兄さんだった
黒髪長髪、ひとつ結び、眼鏡をかけた端正な顔立ち
華奢で綺麗な所作のその人は麗人と言って差し支えない人だ
「私ですか?いいですよ・・・・・そこの廊下を曲がった突き当りです」
そしてあっさり道を教えてくれた
良かった、これでもう迷わなくて済む・・・
「でもちょっといいかい?」
ほっとしたのも束の間、彼は俺を引き留めた
「君は・・・とても可愛らしいね」
「え?あの・・・俺男ですけど・・・」
そして、いきなり可愛いと言ってきた
もしかしてサディスとかいう男と同じで男色家(そっち系)か?
「すまない、いきなり失礼だった・・・私はアレク、代々賢者と呼ばれている伯爵家の貴族です」
「私は年下の男の子が好きでね・・・結婚するならぜひ君みたいな可愛い子がいいな・・・と思ってます」
またかよ、またこの手の野郎かよ
今日で二回目だぞ男色家に合うの
ていうか、アレクさんっていうんだ・・・確か賢者と呼ばれるほど頭の良い伯爵貴族だと聞いている
「ああーそうですか・・・良いご趣味をお持ちで・・・」
俺はまた変事に巻き込まれないよう早々にここを立ち去ろうとしたが・・・
「ああ引かれるのも無理はないですね冗談です忘れてください・・この後私は女性と結婚するかもですので」
「本当は嫌なんですけど・・・お家の為なら仕方ありません・・・と人に聞かせる話ではありませんでした、すみません」
「諦めた方が良いんです」
さっきの黒い奴ほど不快感はなかった、物腰柔らかで丁寧な人だったし道教えてくれたし
それに・・・アレクさんは何か儚げな・・・寂しい感じの人だった
なんか・・・ほっとけななかった
「アレクさんはそれでいいんですか?、簡単に諦めたら叶うものもかなわなくなってしまう」
「だって俺、男でありながら世継ぎを産める存在なんです」
まずい、つい勢いで言ってしまった
これ以上言ったらだめだ、自分だけじゃないアレクさんも厄介ごとに巻き込んでしまう
「それはどういう・・・?」
「言葉の通りです」
「いきなり変なこと言ってすみません、時間がないのでいきます!」
俺は何とかはぐらかして、その場を後に走る
多分・・・もう会うことないよな・・・