ぼっちは鉢合わせる
数日後、目的の街ギザラについた、真っ直ぐに教会へと進む
教会から出てきたのは司祭とシスター、快くリリア達を出迎えてくれる
「ようこそお越しくださいましたお話は伺っております、ご案内しますのでこちらへどうぞ」
シスターはリリアを、司祭がクリス達を案内してくれるようだ
「教会の裏にある建物に部屋を準備しています、1階は食堂です食事の準備はこちらで致します、2階がお部屋と浴場があります、申し訳ありませんが浴場はひとつしか無いので…聖女様には夜6時から8時までの時間内にお使いください」
歩きながら説明してくれるシスターの後ろついていくリリア
「わかりました有難うございます」
そして自室に案内されたリリアはそのまま部屋で休むことにした
夜になりリリアは浴場に向かう、教会本部にある自分の使っているものより小さいがそれでも大きくゆったりと入れる大きさだ
「ぷぁ~気持ちいいなぁ…この教会は別に建物があるくらい大きいんだなあ…部屋もいっぱいあったし」
リリアはお風呂を満喫し、部屋に戻った
暫くして荷物の整理整頓をしていたリリアは気づく
「あ…髪留めお風呂場に忘れてきちゃった…」
何時もは髪をおろしているリリアだが入浴時などに髪をまとめる為にリボンや髪留めを使っていた
リリアは部屋を出て浴場に向かう、脱衣所のドアを開けてすぐの棚に髪留めが見えた
「あ、あった」
リリアは棚の前まで行って髪留めを手に取った
「お前何やってんだ」
「へ?」
声のする方に視線を向けるとバルトが立っていた、後ろからひょこっとレオンも顔を出す
「あれリリアどうしたの?」
バルトとカイルは腰にタオルを巻いた状態で風呂場から出てきたところだった
「ひゃ、ぴゃあああーーー!!!」
驚いて思わずリリアは叫び声を上げてしまう
「おい!そんな大声で叫んだらアイツが…!!」
たじろぐバルト、カイルは唐突の叫び声に耳を抑えていた
ダダダダダダダ…物凄い速さの足音が聞こえたと思ったら勢いよく脱衣所のドアが開いた
「リリア!どうしたんだ!」
クリスの登場だ、リリアの姿を見つけ、すぐに少し離れたところにいるバルトとカイルを見つける
「きーさーまーらー!!」
「待て待て待て!この立ち位置で何もしてないのは理解るだろ!」
がしっとクリスはリリアの腕を掴み外に連れ出しドアを勢いよく閉めた
「リリア!何もされなかったか!変なものを見たり汚いものを見たりとかは無いか!?」
クリスはリリアの肩を掴み揺さぶるようにして確認する
「へ、変なものとか汚いもの…?見てないよ?」
リリアはクリスの言っている意味がよく理解できていないまま返事をする
「どっちかと言えば…綺麗な…あわわわわ!なんでもない!なんでもない!!」
リリアは先程見たバルトの上半身が頭に浮かんでいた、がっしりとしていて引き締まった体とても綺麗だと思った、隣にいたカイルも同様だ小麦色の肌はバルト程ではないがいい体つきだった
「とと、とにかく!私が忘れ物をしたからココに取りに来て、中を確認せずに入っちゃったの!だからバルトとカイルは何も悪くないから!」
慌てていきさつを話すリリア、さっきからの出来事で心臓はバクバクとなっていた
「…わかった…リリアがそう…言うなら…」
クリスはリリアの肩から手を放すが複雑そうな顔をしている
「とにかく今は部屋に戻るんだ、バルト達には私から言っておくから…」
「う、うん…そうするね…」
リリアはドキドキする心臓を落ち着かせるために足早に自分の部屋に帰っていくのだった
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