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ぼっちと本と書庫

「この本面白かったなぁ、次は何読もうかなー」

 リリアは書庫に向かって歩いていた、一冊の本を抱えながら歩き、書庫の扉の前までたどり着くと

「失礼しまーす…」

 と小声で言いながらそっと扉をあけた



 書庫は三階層になっていてどこもびっしりと本棚に本が収められている

 一部区画には机や椅子なども置いてあり、その場で読むことも可能だ

 部屋の中央には大きな窓があり、間接的に外の光が入り込むようになっている



 リリアは所定の位置に借りた本を仕舞うと次の本を探しに上の階層を見る、すると小さな人影が見えた

(あれは…ゼロ君だ)


 リリアは二階にいるゼロに近づき、控えめな大きさで声をかけた

「ゼロく…様、だよね?何か探しもの?」

「?」


 ゆっくりリリアの方を向くゼロ、漆黒の髪に灰色の瞳、可愛らしさの中にもちゃんと少年らしさが垣間見える

「あ…こんにちわ聖女様…」

 ぺこりとお辞儀をするゼロ、リリアは軽くしゃがみ込み目線を合わす

「リリアでいいよ、私はゼロ君って呼んでも良い?」

「はい…」


「何か探してるの?」

 リリアに再度聞かれゼロは書庫をぐるりと見渡すと

「闇の魔導書で読んだ事がない物がないか探してます」

「魔導書ならこっちの奥だよ!」

 パシッっとゼロの手を握って魔導書の棚まで連れて行くリリア


「魔導書はねーこのあたりの棚だよ、たぶん属性ごとに纏められてると思うけど、あの辺りかな」

 リリアは指で示す、それから周りを見回して

「脚立がないと取れないかも、ちょっと待ってて今…」

「大丈夫です」

 ゼロがそう言うとゼロの体がふわりと浮き始めた


「えぇ!?」

 一番上の棚の本がある辺りをなぞると、一冊の本を手に取りゼロはゆっくりと降りてくる

「読んだ事の無い本がありました、ありがとうございます」

 ゼロはリリアに礼を言う、リリアはそんなゼロと、本が抜き取られた部分を交互に見ながら


「えっ!えっ?今ゼロ君浮いた、浮いたよね?!飛べるの!?」

「はい、まだ長く高くは飛べませんがこれくらいなら…」

「すごっ!すごーい!かぁっこいー!」

 リリアは目の前で起きた事を素直に驚き喜んだ

「あ、ありがとうございます…」

 そんな反応にゼロは少し恥ずかしそうに答えた



「ゼロ君は魔術書を読むのが好きなの?」

 リリアはゼロに興味津々だというように質問する

「いえ、魔術書もですが本全般好きです、リリア様は…?」

「私も本大好き!今度ゼロ君のオススメの本教えて!読んでみたい!」


 ゼロはうーんと考える素振りを見せ

「じゃあ…星の本はどうですか?」

「星の本!あんまり読んだこと無い種類だよ!是非是非!」

 ゼロはパッと笑みを浮かべ

「今度おすすめの星の物語の本をお貸ししますね」

 そのゼロの笑顔に思わずリリアも笑顔になる、この瞬間リリアにとって本好きの友人ができたのだった

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