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長月の集

自分騙り

作者: みふぎゅ

突然 つまらなくなって

全部 放り出したくなって

急に 何も見たくなくて

終わらせてしまいたくなるの


それなのに


手を 放した途端に

もう 名残惜しくなって

また 帰りたくなって

戻ってきてしまうの


ずっと どうにかしたくて

気を付けてみたりしたけど

がんばったつもりだけ残して

戻ってきてしまうの





目立ちたくなくて

注目されたくなくて

好奇の目に晒されたくなくて

陰口囁かれるのも怖いの


それなのに


周りから抜きん出たくて

それとなく有名にもなりたくて

好意的に見て欲しくなって

誰かに褒めて欲しくなるの





特別になりたくて

自分はみんなとは違うって

斜に構えて輪から外れて

いつの間にか独りぼっち


独りが好きなのだから

好きで独りなのだから


それは誓って本心だけれど

嫌われたいのではないし

孤立するのは ちゃんと怖いし

対立したい訳じゃないの



はみ出したと思われるのは

なんか ちょっと癪だから

ちっぽけなプライドのために

先に輪からはずれただけ


誰からも見向きもされなくて

いないものにされてしまうのが

何よりも怖いことだから

興味をなくしたふりした





みんな生まれたときからオンリーワン

きっと誰かの特別だよって


そんなの気休めだって知ってるでしょ


みんな特別だったとしたら

結局みんな特別じゃない





凄い人と思われたくて

ほんの少し話 盛って

ほんの少しが積み上がって

出来上がった知らない自分


それなのに


掘り下げるほど中身ないくせに

隙あらば自分語り

話せば話すほど遠ざかって

取り繕えないほど乖離して



仲良くなれば仲良くなるほど

いつか出る襤褸に怯えて

理由をつけて遠ざけて

結局また独りぼっち


かといって


造り上げた自分像に

近づくための努力はだるいし

辛い思いして手に入れるのは普通だし

特別な感じがしないから嫌い




こんなのってたぶんどこか異常

真剣に悩んでみたところで

やっぱりそんな自分は特別だと

思いたいだけのポーズなのかな



分かってるよ原因はひとつ


ひたすらに怠惰な自分



怠け者な小さな自分

自己否定するとまた盛ってしまう恐れがあるので、

『そんな自分も嫌いじゃない』

と、いう言葉を処方します。

お大事になさってください。

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