7.主人公のお願いと神様3
シンは、オパールと対話を始めた。
「シン、俺の番は大丈夫か?
俺たちの都合だけで呼んでしまった事に悲しんでるんじゃないのか?」
オパールは私を気遣うように神であるシンに聞いた。
それもそうだろう、ミーストにオパールの番が居ないという理由だけで神の力を借りて探したのだから。
だが、ミーストにとっては黒竜族の王族であるオパールの番が居ないと人間も獣人も破滅してしまう。
オパールは『本当に申し訳ない』『悲しませてすまない』と心の中で謝罪をし、『必ず幸せにしてみせる』と堅く誓ってくれた。
「始めは号泣してた。
だが、俺が出来る限りの力を使って番の地球の部屋の扉と此方の世界の部屋の扉とを繋げ、行き来が出来る状態にする事を聞いたら喜んでたぞ。
地球で使ってた電化製品? とやらを無限で使えるようにしてある。
あと、俺が出来るのは従魔を美愛に付けてやれる事だけだ。
全て事が整ったらミーストのディロール国へ送るつもりだ」
シンはオパールに今の状況とこれから能力の付与する事を伝えた。
「あぁ、わかった」
オパールはシンに短い返事をした。
短い返事をしたのは、早く自分の番に会いたかったからだ。
シンはオパールとの対話が終わったみたいで、こっちを向いた。
「待たせてすまない」
シンは頭に手を置いて謝って来た。
「大丈夫だよ。
シン、今からミーストへ行くんだよね?
いきなり異世界へ行っても言葉や知識、ミーストの常識とかが分からないと生きていくのに不安がいっぱいで、少し怖いです」
異世界に行くのは良いけど、心の奥底で思っていた事を言葉にして伝えた。
だって、言葉に知識。
ミーストの常識を身に付けていなければ世界最強と呼ばれる黒竜族、それも王族の黒竜族に失礼だし。
それに、人間の王族や貴族の人達に馬鹿にされて黒竜族の皆に迷惑かけたくないもの。
私、イジメにあった事あるからメンタル弱くて泣き虫だから。
そんな私を守ってくれてたのがお兄ちゃんだ。
悪役令嬢とか、そんな感じの人達がいっぱいなんだろうなぁ。
お友達出来るといいな。
「大丈夫だ。
言葉に知識、ミーストでの常識は付与する予定だ。
よしっ、読み書きも重要だな」
あとはアイテムボックスがあれば無敵に近いよね。
無限なアイテムボックスだったら不安なしで生きていける気がする。
そんな贅沢は言えない!
こんなに沢山のチート、凄く嬉しい。
「分かった。
アイテムボックスも付けてやろう」
えっ!
今何て言った?
『アイテムボックスを付けてやろう。』そう言ったよね?
聞き違いじゃないよね。
「わあ〜い!
やったぁ!」
誤字がありましたら、すみません。
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