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64 誰のドラゴンに?


 皆の視線が痛い。

 皆様が見ている前で……恥ずかしすぎる。

 だけど周りを見ると私だけではなかった事にホッと胸を撫でおろした。

 番がいる皆様、カップルになってる皆も仲睦まじそうにしている。


 桜さんとお母さんは黄色い声を出しているし、お父さんは普通に笑顔?

 お兄ちゃんは、まあそうだよね。


「おい、俺の妹から離れろ!

 このエロ魔人め!」


 エロ魔人って「プッ!」駄目、笑っちゃ可哀想でしょ。


「「「クスクス」」」


 レイン様・ハーティー様・ジーナ様達にも笑われてるし。


「プププッ、やだっ翔太ってば、あはははっ!

 ウケるーーッ! でもシスコンを卒業した方が良いと思うわよ。

 パパになるんだから」

「お兄ちゃん、心配してくれてありがとう。

 でもね、オールに抱きしめられるのは大好きだから、私は大丈夫よ。

 お兄ちゃんは桜さんの体調を心配してあげてね」


 お兄ちゃんは桜さんに任せて、オールは王様達と移動の経路などの話をしてるから、モフモフに癒されたくて謁見の間を探してるのにいない。

 私はキョロキョロしながら、フェンとグリを探したのだけどやっぱり居ない?

 何処へ行ったのかな?


「ココネ様、どうかされましたか?」

「フェンとグリを探していて、何処にいるのか知りませんか?」

「従魔様方は果実を取りに行くと伺っていますよ」

「そうだったんですね。

 教えてくれてありがとうございます」


 私は騎士さんに会釈をして、外に出た。

 目の前に一瞬でフワッと現れたのは、フェンとグリだった。


「主、これを食えば『サクラ』も気分良くなるぞ!」

「こっちの果実も腹の子には良い!」


 私は可愛いフェンとグリを抱きしめて感謝をした。


「フェン、グリ、桜さんの為にありがとう。

 桜さんはきっと喜んでくれるよ」


 騎士さんも私の後ろで、微笑んで見守っていてくれた。

 桜さんに果実を持って行くと、フェンとグリに抱きついて喜んでいた。

 フェンとグリは優しい子達だから。

 私とオールの時もこんな風にしてくれるのかな?

 オールと目が合い『ドキッ!』とした後、赤面して下を向いちゃった。


 私も妊娠したらって想像してたから、顔を合わせるのが恥ずかしいよ。

 チラッとオールを見ると、ニコッとした笑顔にヤラれそうになったよ。

 イケメンの笑顔は脅威だよ。


 準備が終わったのかな?


 またあの場所に行くんだよね?

 死にかけた場所へ行くのは怖い……でも、また同じ事があったら?

 前方がユラユラと滲むかのようにボヤけてきた。

 両手をギュッと握ってくれた友人、レイン様・ハーティー様・ジーナ様は力強い瞳で私に安心感を与えてくれた。


「ココネ様、わたくし達がついていますわ」

「わたくしもいますわよ。

 頼りないかもしれませんが、ココネ様をお守り致しますわ」

「ジン様と一緒にココネ様をお守り致しますわ。

 ずっと側におりますわ」

「ココネ、皆がいるから大丈夫だ。

 泣きそうな顔になっているぞ?

 ココネには、3人の父と母もついてる。

 大丈夫だ」

「うん、うん……。

 皆ありがとう」


 王様は優しい手つきで、頭を撫でてくれ。

 右手で溢れ出した涙を拭っていたけど、オールが自分の服で涙を拭ってくれた。


 それを見た桜さんとお母さんは「女の憧れだわ」「私もあんな風にされてみたい」などの声が上がっていたので、お兄ちゃんは何も言えなかったみたい。

 お父さんは「今度母さんに……」という微かな声が聞こえたのは秘密にしておこう。


 桜さんは妊娠初期という大事な時期なので、オールのドラゴンに乗る事になったの。

 一番大人しく飛ぶドラゴンだったから、オールにお願いした。

 お兄ちゃんはウルサイから、グリが運ぶ事になっちゃったんだよね。


 第一皇女様が「一緒に乗りますか?」って聞かれてたのに、顔を真っ赤にしちゃってフルフルと顔を左右に振ったから、グリが「主の兄は我が運んでやろう!」って一言で終わったんだよね。


 私の事は誰が運ぶのかって?

 初めは、ユージンが「私のドラゴンにどうぞ」って話の流れだったんだけど、オールの嫉妬が酷くて。

 王宮の皆は『またか』な感じで見てるだけだから、私は自分で選んだ。


「フェン、私の事乗せてね」

「我の背中は何時でもあける。

 主と一緒は嬉しい!」

「フェーーンーーッ!!

 なんて可愛い事を言ってくれるの!

 フェン大好き!!」


 フェンに抱きついてキスをした私を見たオールが、間に入ろうとしたが、王様と王妃様に邪魔をされてしまい、フェンに文句を言うオールが皇子様っぽくなくて可愛かった。

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