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30.ディロールの王族への謁見

 謁見の間へと続く廊下を歩いている時に、オールの事をチラッと見ると(うわぁっ、怖い顔になってる)見た事も無いような怖い顔だった。


 番であるオールには私の不安になっている気持ちが伝わったのか、私を見た後。


「俺達が居るから大丈夫だからな」


 いつもの優しい顔に戻り、ユージンもフェンも私を安心させるかの様に微笑んで一言。


「大丈夫ですよ」


「我がずっと側に居る、安心しろ」


 うん! と頷き謁見の間まで歩いた。


 オールは私の腰を抱いたまま、謁見の間の前に居る騎士を見ると。


 騎士は私を見て言った。


「あの、オパール皇太子殿下、そちらの者は……」


 言いかけた時、二人と一匹の鋭い目つきで怯み。


「申し訳ありません!!」


 の一言で、謁見の間の扉が開いた。


「どうぞ」


 憎らしそうに私を睨んでいる。


 ここでも睨まれてるんだ、そんなに黒が駄目なのかしら。


 私はこの容姿を醜いなんて思った事ないわ。


 可愛くなくて平凡な容姿だけど、でも私は気にいってるんだから!


 異世界ではシャンプーとリンス、トリートメントにボディーソープなんてないでしょっ!!


 私の髪の毛、この世界の誰よりもサラサラしてる自信あるんだから!


 ちょっと脳内で愚痴ってしまった。



 オールは騎士を睨み、私の腰をギュッと自分の方に寄せた。



 王様の周りに関係者や身内が集まっていた。


 ディロールの王様の前まで行き、えっ!


 王様まで目つきが変わったのが分かった。


 私は勇気を出して、挨拶の為にオールから少し離れ、背筋を『ピンッ!』と伸ばし、綺麗で優雅なカーテシー!


「お初にお目にかかります。

 私はソフィーリア大陸、第一継承者オニキス・ブラック・オパール皇太子殿下の番『ココネ』と申します。

 皆様、以後お見知り置きを!」


 王様の声がかかるまでずっとカーテシーをしたままだ。


「………!!」


「………!!」


 ディロールの王族は私の丁寧で綺麗なカーテシーを見て驚いている。



 これくらいなんともないんだけどね。


 地球では学校に体育という授業があって、そっちの方がキツイんだよ?


 バランスも崩さずピクリとも動かない私。


 笑顔の方がカーテシーよりキツイ!


 顔には出さないけど。


 何これ、小さなイジメ?


 もしイジメまがいなら大人としてどうなのかと思うけれど。



 ………。


 ………。


 ………。


 何も言わない王族に対して、オールとユージンはイライラしている。


 フェン! 今はまだ大人しくしててね。



 ざっと15〜20分は経ったと思うんだけどなぁ。


「よい、分かった。

 オパール皇太子殿下よ、こちが其方の番で間違いないのか?」


 ゆっくりバランスを崩さず姿勢を戻し、オールの隣へと移動した。


 王様なのに疑うんだ?


 なんか腹が立つな、脳内では王様の王冠を取ってハリセンで叩いていた。


「我らを疑っているのか?」


 オールは低い声で王を睨みつけた。


 その様子を見た、腰まである黄緑色の髪に水色の瞳の女性が前に出て来た。


「オール様! ごめんなさい。

 でも、皆が変な目で見てしまうのは仕方ないと思うの。

 だって髪も目も黒なんですもの!

 あっ、私はバールナ公爵家のルリナで〜〜す」


 エヘっ! って舌を出して微笑んだ。


 だが、オールとユージンは怒りを抑えて、公爵に申した。


「バールナ公爵、貴方の娘にはもっと教育に力を入れた方が良い!」


「ルリナ嬢よ、オパール皇太子殿下には決して近づきませんよう申し上げます!」


 ………。


 何を言って良いのか分かりません。


 ルリナ様は何て言ったの?


 さっき普通に愛称で「オール様」って言ったよね?


 聞き間違いではないよね。


 えっと、頭は大丈夫かな?


 頭の中『お花畑』でいっぱいなのかな?



 オールに肩を抱かれた時に、ルリナ様と目が合ったけど、怖い顔で睨まれた!


 コワッ!!


 この睨んでる子と暮らすんだよね?


 これは私がシンデレラ的というか悪役令嬢的な?


 なんか前途多難な幕開け? スタート? になりそう!

誤字がありましたら、すみません。


読んで下さって、ありがとうございます。


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