2.お兄ちゃんの婚約者さん登場!
「お母さん、こっちの料理終わったよ」
実は私って勉強やスポーツだけではなく。
家事全般が超がつくくらい得意だった。
まあ、ゲームや異世界ものの漫画に比べたら家事は劣るんだけどね。
っと、百面相してる場合じゃなかった。
あとはサラダだけだし、私はデザートでも作ろうかなぁ。
「あら、もう終わったの?
相変わらず手際が良いわね」
「お母さん、私デザート作るね。
パウンドケーキにしよう」
ボウルの中に湯煎で溶かしたバターに砂糖入れて。
カチャカチャ混ぜ合わせて、ベーキングパウダーと小麦粉を少しずつ入れて。
カチャカチャ、カチャカチャ。
バニラエッセンスも入れて
型に流し込み、180度に予熱したオーブンで40分焼く。
その間に苺とブルーベリーを用意して
生クリームをハンドミキサーで混ぜて「ふぅ〜」完成。
お兄ちゃんと婚約者さんに食べてもらうんだから気持ちをイ〜ッパイ! 込めなきゃね。
テーブルに料理を置いていき
準備OK!
ピ〜ンポ〜ン!
来たぁ!
私は邪魔にならないようにリビングで待機。
うぅーー。
ドキドキする。
私がドキドキしてどうするのって話だよね。
婚約者さんの方が倍以上に緊張してるのに。
「翔太、おかえりなさい。
まぁ、凄く可愛らしいお嬢さんね」
お母さんは天然だから嘘が言えない人。
だから、婚約者さんは凄く可愛いのだろう。
「翔太、おかえり。
さぁ、上ってくれ」
お父さん、普通の挨拶だよね。
もっと、こう『綺麗なお嬢さんだ、良くやった! さすが俺の息子!』とかさ。
期待してたんだけどなぁ。
「は、初めまして、わ、私は山田桜です。
宜しくお願い致します」
「桜さん、さぁ上って」
「はい、お邪魔致します」
桜さんって言うんだ。
かなり緊張してるね。
足音が近づいて来た。
ガチャッ!
うわぁ〜、萌え〜って感じでカワユイ!
お兄ちゃんをスルーして、婚約者である桜さんの前に行き。
緊張して震えてる桜さんに笑顔で挨拶した。
「桜さん、初めまして。
妹の心音です」
小さい声で、桜さんにだけ聞こえるように
「大丈夫だよ」
これって普通はお兄ちゃんが気遣うとこだよね?
こういうのは、鈍感? なんだろうな。
桜さんには優しくニコニコ顔の私は、お兄ちゃんには『ジト目』で見た後、桜さんの緊張を取ってあげるのはお兄ちゃんの役目でしょうが! と、一人ツッコミを心の中で連発中!
お兄ちゃんに肘で合図を送った。
お兄ちゃんは緊張している桜さんの手を引いてテーブルまで誘導していた。
「私ね凄く緊張してて、どうしようって思ってたけど
皆さんの気遣いのお陰でなんとか大丈夫みたいです。
ありがとうございます」
「桜さん。
私は妹になるんだもの、敬語は要らないよ。
ねっ」
ウインクしながら人差し指を立てて言った。
桜さんの顔真っ赤。
でも、嬉しそうにクスクスと皆で笑いあった。
「桜、大丈夫だっただろ?
俺の自慢の家族だ」
お兄ちゃんは頼りになって尊敬出来るお兄ちゃんだけど、少しで良いから女の子の気持ちを感じ取ってあげてよ。
「さぁ、皆んなでご飯食べようよ」
本題の話はご飯を食べて落ち着いた時にデザートを食べながら話せば良いんだし。
誤字がありましたら、すみません。
読んで下さって、ありがとうございます。
『★★★★★』にタップかクリックして頂けると今後の励みになります。
ブックマークと評価を宜しくお願いします。