21.地球の食べ物が好評です
お兄ちゃんも気づき、私が撮ったスマホの写真を見て「俺が男にお姫様抱っこされてる」と言ってガックリと項垂れていた。
気を取り直して、皆んなで地球から持って来たパンとデザートの試食会をしようって事になり食堂へ移動した。
「お荷物をお持ち致します」
メイドさん達に言われた母、恐縮して「そんな、大丈夫ですよ。持ってもらうだなんて」と言っていたけど、メイドの仕事だからと説得させられて荷物を渡した母だった。
父と兄は「女性に荷物を持たせられん」「俺が持つから大丈夫だよ」って言ってたけど、またしてもメイドさん達に説得させられていた。
食堂へ移動をし、席に着いた。
その間、私と母でデザートに菓子パンと食パンを切り分け、料理人とメイドさん用にも切ってお皿に盛った。
母とメイドさんと一緒に食堂へ持って行き、コップにジュースを注ぎ込んだ。
甘い匂いがするのか、皇女様達の目はランランで王妃様と王様は地球のパンとデザートが気になるのか、ずっとパンとデザートを見ている。
オールは「ココネに食べさせて貰いたいな」と甘々な事を言ってるし。
「食べよう!」と言った後、皆んなそれぞれ受け皿にパンとデザートを入れて行くのを見たメイドさん達が「私共が致します」って言ってくれてたけど王様達が手で制して『自分で取りたいから今日は良い』と言った後、メイドさん達は後ろへと下がった。
王族の皆様が、私達の食べ方を真似して『手で掴み、そのまま食べる!』口に入れた瞬間……目を見開き「美味しい!!」の一言。
オールは私の方を向き『あ〜ん』ってしてるのを見た兄が、オールの口に自分のパンを入れた。
オールはビックリしていたが、私も兄の行動には驚いた。
皇女様達は『クスクス』笑い、王様と王妃様は『妹が大層大事なんだな』とか『フフフッ』って感じの反応。
私の両親はいつもと同じで、ヤレヤレって顔をしている。
「お兄ちゃん、何処から現れたのよ!」
オールの口にパンをちぎって入れた。
オールは兄の行動に『シュンッ』って項垂れていたが、私がパンを口に入れると顔が『パア〜ッ』てなり、凄く分かりやすい反応なのよ。
その後、私はフェンに近づき、食パンをちぎって食べさせた。
「美味しい。こんな美味しい物、食べた事ない! 主人よありがとう!」
やっぱりフェンは可愛い!
ギュウってして「フェン大好き」って言いながらモフモフする私。
オールとお兄ちゃんが声を揃え「俺はまだ言われた事ない」
「お兄ちゃんが一番だよな!
昔はよくお兄ちゃん大好き!
お兄ちゃんのお嫁さんになる!
って言ってただろ? お兄ちゃんの事好きだよな? 好きって言ってくれ!」
オールが言うなら分かるけど、お兄ちゃんってば昔の話を持ち出すのは反則でしょ!
お兄ちゃんはいつも私の味方で頼りになって尊敬してるけど、そろそろ妹超大好きから卒業しないとだよ。
私にも婚約者が出来たんだから、オールとバトンタッチだよ『大好きなお兄ちゃん』心の中で言った事は内緒にしておかないとね。
そんなやり取りを微笑ましく皆に見られてる私達だった。
誤字がありましたら、すみません。
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