15.やっと美味しいご飯が作れます!
はぁぁぁっ、この時を待っていたのよ。
作れる。
美味しい料理を作れるのよ!
「ココネ様。
楽しみですか?
御顔を見たら分かります」
「顔に出てた?
ゴメンね、直ぐ顔に出ちゃって」
また百面相してたみたい。
恥ずかしい!
「ココネ様、ここが調理室となっております。
こちらは料理長のブルーノ。
そして右から料理人のトティとククルでございます」
料理担当は犬の獣人さんなんだね、なんか納得。
メイドさん達は狼の獣人さんで騎士様達はライオンの獣人さん。
メイドならもっと可愛い獣人さんだと思ってたけど、みんな狼で動きがなんていうか素早くて、日本でいえば凄腕の忍者っぽい動き。
でも皆さんいい人達で心が落ち着く。
「お初に御目にかかります、私は料理長のブルーノです。
ココネ様のお料理のお手伝いにと思い料理人の総出で集まりました。
何なりとお申し付けください」
「ココネ様、私はトティと言います。
何なりとお申し付けください!」
「私はククルです。
宜しくお願い致します!」
3人で作ってたんだね。
でも私は一人でも大丈夫だけど、料理を覚えてもらって美味しい料理を作れるようになれば万々歳だよね。
「うん、ヨロシクね」
さすが王宮の調理室なので何でも揃ってる。
朝食パン!
って、酵母が無きゃ作れないよ。
酵母は今から用意しとくか、蓋つきの瓶ないかな?
あった!
林檎を八つ程に切って、瓶に詰め水を林檎が全て浸かるまで入れてから蓋を閉める。
閉めたら、少し振って日の当たる場所に置いておく。
小さい泡がシュワシュワ出てたら酵母の出来上がりだけど、4〜5日は待たないとな。
1日に1回は空気の入れ替えをして発酵するまで待つしか無い!
それまでは……ほかの料理で我慢するしかない。
小麦粉、ミルク、バター、卵、砂糖を入れトロトロになるまで混ぜて置いておく。
次はレタスに似た野菜とトマトもどきを切って盛り付ける。
ドレッシングは…卵黄・酢・塩・油を混ぜて混ぜて混ぜまくる!
で〜き〜た〜!
マヨネーズの完成!
「皆んな覚えてね」
人差し指を立ててウインクしながら言った。
次は時間ないしコンソメや出汁が無いからスープは出来ない……。
ミキサーも無い……仕方ないから昔の日本ならではのジュース。
果実を薄い布で絞る、絞ったら砂糖を入れてかき混ぜる。
ジュースの出来上がり〜。
ではでは最後の作業、フライパンを熱してバターを入れホットケーキの素となる物を流し入れる。
火は弱火、プツプツっとなって来たのを見て、フライパンを上に振ってひっくり返す「ヨッ!」ってな感じでね。
「………!!」
「………!!」
「………!!」
反応やリアクションは……うん、初めて見るんだろうし驚くのは当たり前だよね。
出来たホットケーキを味見用に一口大に切り分け、メープルシロップは無いからハチミツを上からトロ〜っとかけて完成!
「皆んな食べてみて」
調理室にいる皆がパクッて食べた瞬間、凄い顔になってる。
「こんな美味しい料理は初めてだ!
さっきの手順で作れば同じ物が作れますか?」
「あの手際の良さ、凄いですよ!
今の料理の作り方……覚えてるうちに書き留めておこう」
「ココネ様。
この料理、凄く美味しいです!
口の中で柔らかくて甘い食べ物……この世界にはありませんわ!」
ホットケーキは好評だな。
喜んでくれるのが一番嬉しい。
人数分作らなきゃっ!
テキパキと手際良く全員分のホットケーキとサラダにジュース、なんとか時間に間に合った。
配膳はメイドさん達がしてくれると言われたので、食卓に着いた。
「皆さん、食べてみて下さい」
メイドさんや料理人さん達には好評だったけど、お口に合うかな?
心配でドキドキしながら皆さんの返事を待った。
「………!!」
「………!!」
「………!!」
「ココネ、凄いよ!
こんな美味しい料理初めてだ!
柔らかくて甘い、この野菜にかかってるソースは野菜に合い、この飲み物も美味しいよ!!」
「エヘヘっ、喜んでくれてありがとう。
皆さんのお口に合って良かったです」
「本当に美味しいわ!
初めて食べましたわ!」
「えぇ、甘くて美味しい!
幸せな気分になりますわ!」
「お姉様、私も同じ意見ですわ!
今までの料理は……ココネ様、また作って下さい」
「素晴らしい腕前だ、うむ。
この1週間で料理人達に美味しい料理の作り方を伝授してはくれないだろうか?」
料理は好評。
良かった、これからも色んな料理を作れるようにしてみせる!
「はい、そのつもりです」
誤字がありましたら、すみません。
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