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14.飯マズでした!

 お妃様も皇女様達もみんな笑顔だ。


「凄く綺麗なカーテシーだったわ。

 ココネさんが居た世界でも挨拶はカーテシーなのね」


 と、お妃様は笑顔で話してくれたけど。


 いえ、カーテシーは初めてだ。


 日本の挨拶は握手かお辞儀だ。


 初めてだと伝えておかないと。


「お妃様、お話失礼します。

 私が居た日本での挨拶は握手かお辞儀なのです。

 カーテシーは初めてです」


 ………。


 ………。


 皆、目が点になってる。


「紛らわしい挨拶をしてしまい、申し訳ありません!

 カーテシーは日本にあった漫画、書物? で見ただけなので」


「書物を見ただけであんなに綺麗に出来るなんて、素晴らしいわ!

 ティアもローズも思いますでしょう?」


「えぇ、私も思いますわ」


「はい、私もお母様とお姉様と同じでそう思いますわ」


 オールの家族に好印象を得られた事に内心ガッツポーズ! な私。


「ココネ、凄いぞ!

 さすが俺の愛しの番だ!」


 ………。


 だよね、お決まりのオールのハグ。


 家族の前ですよ、お〜〜い。オールさ〜〜ん。


 皆さんは微笑ましく私達を見ていた。



「疲れたであろう?

 今日はゆるりと休んでくれ」


 王様は窓際で待機しているメイドへ目配せをした。


 メイドさんは会釈をし、こちらへ来た。


「ココネ様、お部屋へ御案内致します。

 どうぞ此方へ」


「ココネは俺の部屋でも」


 オールが言いかけた時に、お妃様に「貴方がいるとココネさんの気が休めないでしょ!」と小言を言われたオールだった。


 うん、超イケメンが隣にいると思ったら休めないより眠れないよ。


 だから私が慣れるまでベットは別々でお願いしよう。


 そうだ、学校? 学園? に通う事になるのかな?


 他の事はオールに後で聞こう。


 歩きながら考える私。


「こちらがココネ様のお部屋です。

 何かあれば扉の前で待機してる者に仰って下さい。

 それでは、晩餐の御時間までごゆるりとお休み下さい。

 失礼致します」


 メイドさんはニッコリ笑顔で扉を閉めた。


 晩餐かぁ。


 パンは同じ、他の食事は世界一って話だったよね?


 きっと大丈夫だよね。


 ベットに寝転がってたらいつの間にか寝てたみたいで、いつの間にかオールが部屋に居て、ソファーに座ったまま寝ている。


 その時。


 コンコンコン!


「ココネ様、晩餐の御時間で御座います」


 あっ、オールが起きた。


 目が合って二人で笑いあった。


「ココネ行こう」


「うん。

 晩餐楽しみ!」



 ルンルン気分だったのに。


 それなのに、味が全部塩味って、無いわ〜〜。


 完全消沈している私。


 水煮よりマシだけど、言いたい。


 言わなきゃ皆さんの健康面が心配。


 悶々と考えていたらオールと王様が、これからの事を話してくれた。


「ココネ、皆と話し合いして決まった事を父上が話してくれる。

 嫌なら断ってくれて大丈夫だ。

 俺的には断って欲しい、だがこれからの事を考えた上での結論なんだ」


「うん、聞いて判断するね。

 王様、お話を聞かせて下さい」


「あい分かった。

 獣人族だけなら今のまま生活してくれて構わない。

 だが、人間側の意見が厳しくてな、いつもならこんな頑固な返答はせんのだが。

 ディロールの王が良しとしないんだ。

 ココネにはすまないが、ディロールのバールナ公爵の養女として籍をおきフォーリン学園へ通ってほしい」


 本当にすまない、と王族の皆さんが暗い表情になった。


 この世界の事を知るにはディロールにも行かなきゃだし、学園で貴族の勉強するのは当たり前。


 この世界へ来る前は普通に学校に行ってたしね。


 この世界の為、自分自身の為でもある。


「そんな御顔なさらないで下さい。

 私は泣き虫で、気も弱くて落ち込みやすい性格です。

 怖いですけど、ディロール側の要求なら仕方ないです。

 なので、私ココネはディロールのバールナ公爵の元へ行きフォーリン学園へ行く事に致します!

 この世界へ来る前は普通に学校、学園で学んでいました。

 長期休暇の時はソフィーリアで過ごす事を許していただきたいです」


 そう言って椅子から立ちお辞儀をした。


 オールは寂しそうな顔してるけど、王様達は「すまない、そしてありがとう」と言ってくれた。


 今は学園が休暇中だから、出発は1週間後。


 その間、食事を作らせてもらえるように頼もうかなぁ。


 頼もう!


「あの王様、お願いしたい事が1つあります」


「何でも申してみよ」


「はい、食事を作らせてもらえませんか?

 作る事が私の生き甲斐なんです。

 お願い致します、作らせて下さい!」


 もう一度深くお辞儀をした。


「あい分かった。

 明日の朝からココネが作れるよう手配しよう。

 メイド長、料理長に直ぐ伝えてくれ!」


「はい、畏まりました」


 メイド長は二つ返事で調理室へと向かい料理長に伝えた。


「ココネの料理か。

 明日が楽しみだ!」


 王様もお妃様も皇女様達も笑顔で談笑し、私は今もお腹を空かせたまま朝を迎えた。

誤字がありましたら、すみません。


読んで下さって、ありがとうございます。


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