10.初めましてイケメン皇太子殿下様
オパールは綺麗な鈴の音に惹かれるかのように聞こえ、その方向へ向き「あっちから聞こえる」指笛を鳴らし自分のドラゴンを呼んだ。
ピュイィ!
「ルーク!」
バッ!と跳び乗り。
「このまま真っ直ぐ行ってくれ!
見えた、あの森の西側。
ここで降下してくれ!
モンスターを追い払ってくれ!」
『グオオオオォォォッ!!』
ルークの雄叫びでウサギは逃げ去って行った。
バサッバサッ!!
綺麗でサラサラな黒髪は背中まであり、目も黒くて二重のパッチリした瞳の可愛い女の子だ。
「……!」
上からドラゴンが急降下して来た。
私は驚いたが、心臓の音と鈴の音がリンクしながら鳴ってる。
私達には分かった。
この人が番だ。
二人は惹かれ合うかのように近づいた。
オパールは嬉しさのあまり、ギュッと抱きしめた。
「やっと会えた。
俺の大切な番」
私は恥ずかしさのあまり、オパールの胸に顔を隠すようにして服を少し握った。
オパールは私の恥ずかしいと思っている気持ちに気付いたのか、挨拶をする為に私を離して話し始めた。
ペコリと会釈をし。
「初めまして。
俺はソフィーリア大陸の黒竜族第一皇子オニキス・ブラック・オパール。
神であるシンから話は聞いているだろうが改めて聞いてほしい」
もう一度会釈をした。
私も会釈をし、簡単な自己紹介をした。
「私は地球の日本から来た『鈴野心音』こちらの世界でも、親から授かった名前で過ごしたいので神であるシンに頼んで名の変更はしていません。
なので、『ココネ』と呼んで下さい」
と挨拶をして、オパールと同じように会釈をした。
「では、『ココネ』と呼ばせてもらう。
こちらの都合でココネを呼んでしまい、申し訳ない。
ここミーストでは黒竜族の王族の男に流れてる血が特殊で、封印されている大きな水晶に触れられるのは番との間に生まれた男子だけなんだ。
一年に一度だけ封印の間で魔族の魔王を封印している水晶に触れ黒竜族王族にしか出来ない封印をする事になってるんだ。
だが、黒竜族の王族の男は俺しかいなく俺の番もミーストにはいないと分かり、父が神であるシンに頼んで俺の大切な番を探してもらったんだ」
申し訳なさそうに、眉をハの字にして私を転移した事を改めて伝えてくれた。
そんな重要な内容だったのはシンからも聞いてはいたが、改めて詳しく聞かされた内容には転移させないとこの世界がヤバイって事が分かるよ。
「うん、オパール様の謝罪を受け入れます。
だからもう謝らないで。
シンには凄く良い条件付きに納得して、私自らここミーストへ来たんだから。
あと、直ぐ私を見つけてくれてありがとうございました。
実は、モンスターを見たのは初めてで怖かったんです」
ペコリと会釈をした。
「間に合って良かった。
俺の事は『オール』と呼んでほしい。
あとは、茶会やパーティーなどの貴族連中が集まる前以外は敬語を使わず話してくれると嬉しいのだが」
困ったように頭に手を当てて此方を見ていた。
「うん、分かった」
えへへって笑って答えた。
その瞬間又しても抱きしめられた。
これは慣れないといけないパターン? だよね。
「ココネが可愛すぎて、抑えがきかなかった。
すまない」
「うん、大丈夫だよ」
「ありがとう。
まだ重要な内容を話してないから続けるな?
俺の番が見つからず番でもない女性と婚姻を結んで子が出来ても封印の間へ行くことは出来ないんだ。
今は病気も完治し健康体になってはいるんだが。
実は、父が第二子の男児を産めばって話が出たが20年ほど前に父は病を患い子が出来なくなったんだ。
だから王族の王子は俺一人しか居なく、封印が解ければミーストを破滅させる魔王が復活してしまうんだ」
「そんな重要な内容だったのね。
大変だったね。
私はまだこの世界の事知らないし、いろんな所を見てミーストを知っていきたい。
オール、こんな平凡な私だけど宜しくお願いします」
オールとこの世界で新たな人生をスタートするぞ! っと気合を入れる私であった。
誤字がありましたら、すみません。
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