9.ステータス…見なかった事にしよう
バッ! と振り返ると。
はい、居ました。
リスに角が生えたモンスター。
「ひっ!
モ、モンスター!!
っ!」
私は両手で口を押さえた。
………。
………。
大きな声を出したらモンスターを逆に怒らせる事になるかも。
大人しくしているとモンスターは走り去って行った。
「はぁぁぁっ」
死ぬかと思った。
まだドキドキしている胸に手を当てて「はぁ〜っ」と、もう一度溜息を吐いた。
………。
モンスターは走り去ったから、もう来ないよね?
それよりまずはステータスよっ。
「ステータス。
ん?
んん!
えっ!」
ココネ 黒竜族第一皇太子殿下の番
Lv2
HP 50
MP 25
魔法攻撃 10
物理攻撃 12
物理防御 10
魔法防御 8
回復魔法 14
生活魔法 20
魔法・物理耐性 10
スキル
ミースト神の加護
アイテムボックス
ココネの秘密(地球とミーストとの扉から移動可能・物の持ち出しや持ち帰り可能)
従魔
………。
「あり得ないチート。
ステータスは、もういいや」
あんなにスキルがあるとは思わなかった。
異世界物の漫画やアニメ、ゲームしてた私だけど、チートは嬉しいな。
う〜〜ん。
どっちに行こうかな?
何か棒とかないかな?
キョロキョロ、あった!
棒が倒れた方に行こう。
私は楽しく散歩気分で進み出した。
その頃シンは。
「オール。
申し訳ない!
悪いが、ココネを探してくれ。
能力を使いすぎて降ろすべき場所を間違えたみたいだ。
モンスターに出会わなければ良いんだが」
右手で顔を押さえてオールに伝えた。
「……。
分かった。
シン、ここからは俺の役目だ。
ゆっくり休んでくれ」
「オール、ありがとな」
オールは優しい。
オールだけじゃない、黒竜族や獣人族はみんな優しい。
だが自分の『番』に危害や嫌がらせ、真っ黒い心の人には容赦ない、らしい。
オールはシンに優しく言ったが、内心では焦っていた。
ココネに危険が迫ってたら! とか。
誰かに連れ去られたら! とか。
きっとココネは泣いてるはずだ。
急いで探さねば!
ってオールは心配しているが、ココネはというと。
「フフフ〜フフ
フフフ〜ン
フフ〜ン〜
フ〜フ〜」
呑気に歌いながら武器になるような物を探していた。
っ!!
気配を感じて左に飛び退いた。
可愛いウサギさんではなく、二本足で立って両手にある長い爪をジャキーン! ジャキーン! って鳴らしながらジャンプと一緒にグルグルと回転しながら襲って来た!
「っ!」
長い耳。
「よっと!」
後ろにジャンプして跳び退きながら「ウサギ? 顔コワッ!」って考えてたココネは、回避だけではなく攻撃しようと持ってた棒で跳んで来た隙をついて「えいっ!」っと棒を振ったら、ウサギの腹部に当たったが逆に棒が折れてしまった。
森や林といえば、可愛いウサギさんにリスや鳥なのに、この森にいたのは怖い顔のウサギさんでした。
どうしよう!
誤字がありましたら、すみません。
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