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奇跡の在り方  作者: 昴流
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12話

「はい、10年経った今の彼に会うのが怖いなら、10年前の彼になら会えるんじゃないですか?」


「あの頃の彼に……、本当にそんな事できるの?」


「方法がある事は知っています。」


「正彦君に会える……。お願い、会いたい!」


「わかりました、早速方法を調べてきます。」


「調べる?どこで?」


「天界にも、こちらの世界で言う図書館があります。そこに魂を過去に飛ばす方法が記された書籍があったはずです。」


「へぇ!図書館。」


 ソードは頷き、


「では、私は急いで天界に戻り調べてきます。」


「ええ、また明日も来てくれるのよね?」


「はい、もちろんです。」


「じゃ、また明日。」


「はい、期待して待っててください!」


 ソードは急いで天界へと帰って行った。


 その日の夕方、天界のスレイブの部屋。ソードはスレイブに本日の報告書を提出している。報告書を受け取ったスレイブが渋い顔をしながら、


「まぁ、報告書の内容はこれでいいでしょう。今はまだ姿が見られた事は伏せておきましょう。」


「はい。」


「ところで、今日はずっと彼女の所に?」


「え?!ええ……。」


「そうですか……。こちらで貴方の姿を見た者がいるのですが。」


「死神違いではないでしょうか?見間違いかも?」


「なるほど……。1つ忠告しておきます。人間に干渉するなとは言いません。私が常習犯ですからね。しかし、干渉しすぎては駄目です、いいですね。」


 スレイブは険しい表情で念を押した。


「はい、わかっています。」


 スレイブは頭を掻きながら、


「返事はいつもいいんですがね……。何をしようとしているのか教えてくれませんか?」


「……実は、彼女には会いたい人間がいるそうです。名前は谷山正彦。」


「その人を探しているのですか?」


「いいえ、それが……。」


「ん?どうしました?」


「……彼女は現在の谷山正彦に会うのは怖いと、しかし過去の彼にならばと。」


「過去の……?まさか!君は禁書を持ち出したのですか?!」


「お願いします!使わせて下さい!」


 スレイブは頭を抱えた。


「まさか、よりによって禁書を……。」


 禁書とは。


 これまでに存在した死神には邪悪な心をもったものや、人に干渉し過ぎる死神などさまざま存在した。その死神達が死神の力を使って行った行為を封印した物が禁書である。封印された力はそれ自体が強力な物が多く、禁書無しで使用すれば死神自体が消滅してしまう。また、禁書を通しても使い過ぎれば同じく消滅してしまう。今回ソードが持ち出した禁書「時間跳躍」もその1つである。


 つづく

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