表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い家  作者: そら07F
37/187

扉の先で待つモノ ②

廊下から漏れ入る蝋燭の頼りない一筋の光が差し込んでいる広い本堂


そこは見えている限りが全て濃い黒で塗られていた。


その為、ただでさえ暗闇が支配する本堂は、

より一層その暗さを増していた。


木製の大扉を背にし、異質な本堂へ一歩入ったその場所で、

(あかり)は目を見開き、両手で鼻と口を覆ったまま、

恐怖に震え一歩も動けずにいた。


灯の足を止めたのは、本堂の異様な暗さもだが、

それよりも充満する濃い血の臭いの為だった。


そのまま、どれだけの時間が流れたかはわからない。


暫くすると、

目が暗さに慣れてきたのか暗闇の中から物達が自ずと輪郭を表してくる。


灯は正面、

暗い本堂の中央辺りに歪な形をした何かの山を見つける。


「…あれは……何……?」


灯はポツリと呟くと、目を凝らし本堂の奥へと一歩踏み出した。


次の瞬間だった。


『ギ……ギィィィィィ』


今まで無音だった本堂に異音が鳴り響いた。


その瞬間

灯は体が跳ねる程驚き、

異音の正体を探して辺りを見回す


それが背後の大扉である事に気付き、

灯が振り返ると、轟音を立てながら大扉が閉まっていくのが目に入った。


「待って……お願い!!」


灯は慌てて、大扉に駆け寄ろうとするも


『バタン!!』


大扉は止まる事なく、灯の目の前で、

激しい音を響かせながら完全に閉じられた。


廊下からの光が絶たれた本堂は本当の暗闇に包まれ、

本堂が密閉された為か血の臭いは先程より濃さを増していた。


その後、灯は力任せに扉を押すも、

不可解な力で閉じられた扉は何かに押さえられる様にびくともしなかった。


「はぁ、…はぁ、………んっ……くっ…」


逃げ場などないと悟った灯は、

二度と開かない扉を背にして、

その場で蹲り、


いつの間にか溢れていた涙で霞む目で本堂の中央を見つめ、

未だ上がったままの息を整える。


灯の落ち着きを待ってくれるはずなどなく


怪異は続く


本堂の中央


歪な形をした山の様な物の影の前で

小さな人影がモゾモゾと動き「シュッ」と音のすぐ後、


人影の手に持つ蝋燭に柔らかなオレンジ色の光が灯った。


灯は考えるより先に這いつくばる形で立ち上がり、

フラフラと歩き出す。


蝋燭を持つ少女の影、

身に纏った赤いワンピースが、

蝋燭の光に照らされた為だった


「あ……か………ね……なの?」


灯の声に反応したのか、

赤いワンピースをふわりと揺らしながら、

少女は灯に振り向いた。


「お…姉……ちゃん…?……どうして…!?…どうして、ここにいるの!?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ