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7 『女性読者の目線』とイラストレーターさん決定!

 女性作家さんに原稿を読んでもらう依頼をしてから、レスポンスは皆さん、意外なほど早かった。

 その一つ一つの感想に目を通しながら、「なるほどなあ」と思わされることはいくつもあった。総じて、「面白かった・主人公も応援したくなる」と好評であるものの、だいたい、女性が感じていることは同じようなことに集約されている。


 いくつか、頂いた感想の要点を挙げよう。女性にも受け入れられるように書きたい作家さんには、プラスになる要素もあるかも知れない。


1,男性向けに感じられたこと。その理由としては一人称で「俺」の視点であること、そして、女性への見方が男性的であること。


 前半はそのままで、後半について少し補足すると、女性を描写する際、主人公の男性が「胸の大きさ」を意識したり、「Tシャツの隙間から胸が見えそう」あるいは「JK」という呼び方に生理的嫌悪感を覚える女性もいるかも知れない、と言うのがほとんどの意見だった。ラッキースケベは、気持ちはわかるが、女性向けではない。

 男性だったら、「え? そんな描写くらいで?」というくらいのさらっとしたものだと思うのだが、それでも女性にとっては不快。まして、ターゲット層である30~50代の女性に娘がいたら、やはり気持ちが良いものではない、と言うことだった。


2,言葉遣いが乱暴であること


 女子高生のことをJK、『貴様』という呼び方、『ガキ』という言葉、すべて「乱暴だな」と感じられる方が多かった。


 男なら、「当たり前」と思って、普通に読める描写の数々。それが、女性が読むと、やはり男性的なものだとひっかかる。そんな事実に、虚を突かれた思いだった。


 また、読んで頂いた作家さんで、三坂先生(未成年)の方の意見には、驚愕と共に、崖に突き落とされた。


「気になったところですが、まず、今の高校には「いじめ」はほとんどありません。また「スクールカースト」も存在しません。ギャル系・平凡系・オタク系に分かれているものの、お互いにほとんど干渉することはありません。高校の時の友達13人に聞いてみましたが、みんなそういうものはないとのことでした。さらに、「クラス委員」というのは、トップカーストにはいません。5段階でいうと3くらいのポジションです」


 いじめについては、現在の高校生には少ないと聞いていたが、「スクールカースト」も無くなっている? 私が高校生の時は、両者ともバリバリにあって、社会問題にすらなっていた。


 どうやら私は年を取り過ぎているようだ。

 世代間のギャップというのは、本当に驚愕する以外にない。


 ただ、評価も概ね好評で、ほっと胸をなで下ろしていたところに、「厳しめに」とお願いしていた、とびらのさんの意見が届いた。

 話が前後するのだが、編集との打ち合わせが翌日、という段になり、とびらのさんには眠い目を擦って読んで頂いた。本当に感謝だ。


 その「感想」には、こうあった。


Q 主人公は応援したくなる性格か?

【A どちらとも言えません。設定と言動が一致していないような気がして、性格がよくわかりませんでした。設定としてはケナゲで応援したくなります。

  が、物語において提示されている「主人公の目的」が「愛される猫生活をやめて、心身を病んだ社畜生活に戻る」なので、「人間に戻れたらいいねー!」と応援しちゃいけないやつで……幸せになってほしいと漠然と祈るしかなくて。どこに向かって応援していいかが迷子のままでした。】


 いきなり手痛いパンチだ。しかし、読み返してみるとなるほど、である。

 WEBの感想でも、「社畜から猫になれたら万々歳だと思うのですが」という意見をもらっていたが、そうか、猫から人間に戻りたいというのには、動機付けが必要なものなのか。自分では突き詰めて考えなかった視点だ。

 そして、批判だけでは終わらないところに、この人のすごさがある。


【「社畜脱出」をもっと早い段階で本気で見せてくれているか、葛藤する学生たちを見て「自分も戦わなくちゃ」とむしろ学ぶ、というならイッキに印象は変わるのですが。】


 解決策まで、ちゃんと考えてくれている。これは改稿の際には積極的に入れていこう。


 また、「27歳アラサーはおっさんではない」と、今ある「おっさん」を冠したライトノベルを軒並みような否定する指摘も受けた。

 なるほど、そういえば私が27の頃だって、「おっさん」呼ばわりはされていなかったものな。当時はやっていた「オヤジ狩り」にも、20代の被害者は少な……かったのかな?

 ともあれ「27歳がおっさん呼ばわりされたら、その人は怒るのではないでしょうか?」と言う意見はまったくもって正当に思える。これも修正箇所。


 後は、やはり「JK」「ガキ」などの呼び方。ラノベ的な口調と相まって、主人公が「おっさん」というには若い、と言うより幼く感じてしまう、とのことだった。

 反論もないが、男視点でこういう文章を書いてしまうことは、作者本人が幼いメンタリティの持ち主だからだということもあるだろう。少し、自分を省みて恥じ入るところもあった。


 また、きつい意見の中に、「これは女性ならでは」という意見もあった。


【主人公の外見描写がもっと欲しいです。

女性読者にとって男性主人公は、男性読者にとってのヒロインです。美形にしろというわけではないですが、イメージをするのに体型や顔の特徴が絶対に欲しい。(途中、手の描写がありましたがとてもセクシーで良かったです!!鏡に顔を映したり、柊に感想を言わせて欲しいです。できれば褒める方向でw)】


 男性の外見描写。そうか、男だって、女性の容姿は凄く気になるところだものな。女性にとっての男性は、男性にとっての女性キャラと同じなのか。なるほど。


 さらに、


【女性読者にとって女性主人公は、男性読者にとって男性主人公です。男主人公をハーレムでもてなすように、ヒロインを『男目線でけなげ・かわいい・エロい体した少女』ではなく『すごい・尊敬できる・頑張っているイイ女』としてアゲてほしいのです。】


 俺TUEEの主人公にしろというわけではなかろうが、女性も女性主人公にある種の期待を寄せる。そういうことなんだろう。

 頑張っている女性、いい女が出てくる世界。

 そういったものを、女性読者は求めているのかも知れない。


 「おもしろい」そういってくれた意見も凄くありがたいが、真っ正面から向き合って、ここまで批評してくれるというのも(正直堪えはしたが)、凄くありがたい。


 以上のような頂いた意見は、すべて書籍化において改善点として盛り込んだ。

 餅屋は餅屋。女性は女性。

 それなら、女性にも受け入れられるものを、仕上げなければ意味が無い。

 男性作家であることを活かし、男性にも受け入れられるものを。

 女性読者の意見を受け入れ、女性にも満足して頂けるものを。


 そのバランスは難しいが、結果、できる限り間口を広く作品を仕上げられたと思う。


◆◇◆


 メールでイラストレーターさんの候補者を選んで送ったところ、さっそく編集からレスポンスが来た。


 イラストのイメージに合致するということで、tonoさんに声かけをしてみたい、と言うこと。tonoさんのイラストは、猫の絵こそ無かったものの、ディフォルメした動物を数多く、表現豊かに描かれており、女の子の絵も可愛い。男性を描けるかどうかが不安要素だったが、我が猫のイラストには推せるのではないか、と思って選んだ方だ。


 編集Tさんも、tonoさんの絵を推せると思ったようで、後は引き受けて頂けるかどうか、と言うことに落ち着いた。


 そこからは、トントン拍子に、イラストレーターは決定した。

 こんなに早くに、快く引き受けてくれる方だとは思いもしなかった。

 まして、オファーから2日と経っていないのに、原稿を読んで頂けた上で引き受けて下さったということ。私が一気にtonoさんのファンになったのは、実はこの瞬間だった。


 ……最終的に上がってきたtonoさんのイラストを見て、私は自分の選択にうぬぼれるくらい有頂天になってしまうのだが、それはまた、後の話。


 とにもかくにも、女性読者の視点を考慮すること、イラストレーターさんを決定する二点の課題はクリア。


 後は次の打ち合わせで、二人目の担当編集となってくれるSさんがどういう人かだ。


 前回の出版経験により、編集者によって、作品の出来は大きく変わることを知っている。

 私は良い読者さん、良いイラストレーターさんに恵まれた。


 あとは、改稿を主導してくれるSさんが、アタリかどうかにかかっていた。


 もちろん、どんな形にせよ私の努力は前提となるわけだが、書籍化というのは、巡り合わせで出来ている。


 願わくば、良い編集さんに当たりますように!

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