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6 女性読者とイラストレーター探し

 その日帰ってきてから、Twitterで同じファン文庫の先生に速攻で連絡した。

 ファン文庫は女性の作家さんが多いので、こういうとき助かる。

 声をかけたのは『司書子さんとタンテイさん』の冬木洋子先生、『神様のごちそう』の石田空先生、『大阪城下老舗ごふくや事件帖』の三坂しほ先生。

 他にもWEB小説家さんでは、『鮫島くんのおっぱい』のとびらの先生、『紅き竜と変わり者娘』のいろは紅葉先生。


 皆さんお忙しい中、短期間で、と言う無茶を言って、原稿を読んで頂いた。

 特に重視してもらったのは以下の三点。

 1,ライト文芸として違和感はないか?

 2,女性目線で、引っかかるところ

 3,主人公は応援したくなる性格か?


 なりふり構わずにとにかく当日の夜に声をかけ、無理を聞いてもらった。今からすると、相当な無茶を言っていたと思う。汗顔の至りである。


 とりあえず、「今週中には感想が間に合わないかも知れない」という方にも「それでもいいです!」とお願いして、次はイラストレーター探しに移った。


 ところが、である。

 イラストレーターをどうやって探して良いのか、とんと見当がつかない。

 私は編集が持っていたような、イラストレーターの画集も持っていない。


 ……買うか? KINDLEならラグタイム無しに、買い求めることが出来る。

 イラストレーターのフォロワーさんが、ちょうど 『ILLUSTRATION』の話題をしていた頃だ。Amazonで見てみるが……高い。一冊3000円は無職の身にはかなりきつい。


 しかも、今回のイラストレーターさんの条件としては、


 1、男性が描けること

 2、猫が描けること

 3、ライト文芸に(一般文芸に)寄せた絵であること


 この3点が必須になる。


 サンプルをダウンロードしてみてみたものの、それぞれのイラストレーターさんの絵を見てみると、やはり女の子の絵が多い。動物に至ってはなかなか描かれていなく、これを一冊買ったとして、探し出せるかどうか……2,3冊買ってしまったら諭吉さんとお別れをしなければいけない。正直、痛い。


 pixvはどうだろう?

 色々漁ってみる。だが、pixvで「猫」で検索すると、出るわ出るわ、『猫耳の女の子』。

 違うのだ。純粋に、「動物の猫」を求めているのだ。『猫耳少女』違う。しかも中には18禁の絵も混ざっている。猫耳少女に興奮してる場合ではないのだ。

 たしかに、純粋な『猫』の絵もあった。しかし、それは『童話に出てくるような猫』の絵が多く、しかもそういう方に限って、人物を描かれていない。


 これは探すのに手間取る。何とかならないか。

 辟易して、次はグーグルでキーワードをいくつか放り込み、イラストレーターさんを探す。しかし、どうにもいい感じのイラストレーターさんがヒットしない。

 まして、『イラストレーター』と入れると、公的に企業が使うような、アイコンみたいなイラスト依頼まで引っかかる。これは範囲が広すぎてダメだ。


 考えていると、思い出した。作家仲間で、自分でイラストレーターさんを探し出した作家さんがいる。いわゆる逆指名。さっそく、TwitterでDMを送った。


「せんせー(泣」

「はーい」

「お聴きしたいのですが、イラストレーターって、どうやって発掘しました?」

「@仕事募集中で探しました」

「そんな裏技が。Twitterの検索で、『@仕事募集中』で調べれば良いんですね!」

「@はいらないです」

「ありがとうございます! ><」


 さっそく検索「仕事募集中」エンター。

 おおお!? これはかなり、絵師さんが引っかかる!

 仕事募集中ということは、スケジュール的にも大丈夫だし!


 しかし……しばらく仕事募集中のイラストレーターさんを探って、落胆せざるを得なかった。

 確かに、巧い絵師さんは山ほど発掘できた。

 だがそれは「ライトノベルの絵」なのだ。文芸に寄った絵師さんは皆無と言って良い。

 文芸寄りのイラスト、しかも猫が描けること。この2点で、まずふるいにかけるが、人物と猫を描いているイラストレーターさんは一人として見当たらなかった。


 悩んだ末、フォロワーで、いつも美麗なイラストをリツイートしてくれるレオンさんに声をかけた。このときは、書籍化の話は伏せていた。


「こんばんは!、突然すみません。レオンさんはいつも良いイラストをリツイートしてくれますが、猫がいるイラストで、これは! 勧められるイラストはないでしょうか? 猫と少女成分に飢えているので、もしや、と思ってDMさせて頂きました!」


 しばらく時間をおいて、レスがあった。


「DMありがとうございます! 沢山ありましたが、4枚ほどを」


 紹介してくれたのは、どれも美麗な絵。しかも、ラノベ調の絵ではない。

 しかし、問題点がひとつ。

 確かに『猫』は描かれている。ただ、『猫』がメインではないのだ。背景の一要因のように、小さな猫が描かれ、人物が強調されている。どういうことかというと、猫の書き込みが、やや甘い。『猫が描ける』というより『猫を描いた』といった感じなのだ。


 少し気落ちして、


「ありがとうございます! 助かりました!」


 と返した。このときは、「だめかあ……」と思ったものの、その聞いたことが、後になって重要な助けになることも知らず……。


 グーグルに戻り、「仕事募集 イラストレーター」のキーワードを打ち込む。

 すると、思ってもみなかったサイトに引っかかった。


 無数のイラストレーターさんが仕事を募集しているサイト。

 イラスト的にはやや稚拙なものから(失礼)、なかなかいい絵を描いている方までずらりといる。イラストの単価も書かれており、スケジュールも絞り込めるようになっている。


 これだ! 私は嬉々として、スケジュールが合いそうなイラストレーターさんを探してみた。


 ……ところが、やはり何か不満がある。『猫耳』だけではなく、『猫と人物』を描けるイラストレーターさんは、わずかばかりだが引っかかる。だが、描ける人で、商業の表紙を描けるような、これぞ、と言う人が見つからない。


 時刻はもう深夜。さすがに疲れたので、息抜きだ。Twitterでも見るか。


 その時、深夜にもかかわらず呟いている、ある人を見つけた。

 47AgDragonしるどらさん。『転生吸血鬼さんはお昼寝がしたい』の表紙絵と挿絵を描かれている方で、自らの著書、『魔王とアン』の表紙絵と挿絵や、その他多数のイラストを手がけている売れっ子イラストレーターさん。

 そうか、餅屋は餅屋だ。

 イラストのことはイラストレーターさんに聞け。

 さっそくDMを送った。


「こんばんは。夜遅くすみません」

「お?」

「大丈夫です?寝てました?」

「ヨーグルト食ってましたわw」

「w 実は、今、イラストレーターさんを探しているんですが。どうやって探せば良いのでしょうか? アニメ調じゃなくて、ライト文芸で」

「そうね。基本的には他人の表紙などから探すのが楽かな?」

「なるほど。pixvとかはどうです?」

「pixvは普段から見てないと外人多すぎて難しい気がする」

「あ、あと、イラストレーターさんを集めたサイトを見つけたんですが……」

「……ここからって、1人見つかれば運が良い方じゃない? 3万人にまで絞ったけど、多分商業やった人いないよ。ざっと見たけど、仕事受ける技量の人が少なすぎる」

「人気イラストレーターさんは今から押さえられないし、新人さんの方が良いかも、と編集さんからいわれてるんですが……」

「新人はあんま難しいの頼むと力はいりすぎてテンパるよ」

「そうなのか……」

「あと、案外スケジュール空いてれば有名な人でも受けてくれることもあるから、割とアタックすべし」

「なるほど! ありがとうございます!」


 そして、何人かのイラストレーターさんを紹介してもらった。もっとも、やはりしるどらさんもラノベ向きのイラストレーターさんということで、紹介して頂いた方のイラストは、ライト文芸にはちょっと難しい感じだった。


 次に、「他の作品から引っ張る」というアドバイスに従って、Amazonで「ライト文芸」というキーワードを入れる。ずらりとライト文芸のタイトルが並んだ。

 その中から、「あ、これいいな」と思うイラストの本をクリックし、絵師さんを検索した。

 絵師さんの名前を調べ、検索すると、pixvなどが引っかかる。そこから、男・猫・少女が描けるイラストレーターさんを探した。

 さすがに、ライト文芸の表紙を描いたことがあるイラストレーターさんということもあって、ハイレベルな人が多い。

 しかし、残念なことに、「猫」を描いているイラストレーターさんがいない。時折猫を描いている人はいるが、猫が小さすぎて、やはり背景の一部なのだ。


 深夜2時を回っている。やけに冴えている目をぎらつかせながら、さらにイラストレーターさんを探し続ける。何人か、良いな、と思ったイラストレーターさんはピックアップして、ブラウザのブックマークに入れる。だが、決定打が無い。


 「表紙から引っ張る……」「逆引きする……」何か他に良い方法はないか?


 ――あ。


 天啓のように閃いた。Twitterだ。

 Twitterで、ライト文芸にも描けるような有名イラストレーターさんが、フォローしているイラストレーターさんをしらみつぶしに当たる。

 イラストレーターさんにも好みがあるはずだ。アニメ調の絵を描いている人がフォローしているのは、同じアニメ調のイラストレーターさんだろう。それなら、ライト文芸寄りのイラストレーターさんがフォローしているのは、ライト文芸でも描けるイラストレーターさんに違いない。

 いわゆる、芋づる式の検索。

 それなら、どこから探す?

 答えは、先ほどのレオンさんに紹介された4枚の絵を描いたイラストレーターさん。猫の絵を描き、イラストもライト文芸で描ける方。

 さっそくイラストレーターさんのページに飛び、フォローしているイラストレーターさんを1人1人見ていく。


 ビンゴ。思惑は当たっていた。ライト文芸寄りのイラストを描くイラストレーターさんは、自分の好みなのだろう、アニメ調のイラストを描く方以外にも、写実的というか、アニメ調ではないイラストを描く方へのフォローが多い。

 イラストレーターさんのトップページには、だいたい、自分のホームページを持っている人とか、pixvにリンクを張っている人が多い。良いな、と思った人のpixvを徹底的に覗いていく。

 それでも候補に挙げられる人は多くは無かった。

 何故かというと、「男性」を描いている人が、圧倒的に少ないのだ。ライトノベルなら可愛い女の子だけ主導で表紙が埋まる場合もあるが、編集がいっていたように、「男性が推せる」人でないと今回は条件にそぐわない。


 明け方6時まで、とにかく漁りに漁って、これぞと思うイラストレーターさんを10名ほどに厳選した。


 編集のTさんに、候補者としてイラストレーターさんのpixvやHPのアドレスと、私が抱いたイラストレーターさんへの感想を添えて送信した。



 打ち合わせ当日。夜を徹して、原稿を読んで頂ける方と、イラストレーターを探しまくった私は、精神的な疲れで脳を溶かしながら、ようやく眠りについた。


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