プロローグ〜終わりから始まり〜
「くそっ、なんだよ!!この空間ふざけてる!」
一人の見知らぬ人が叫びだした。
私からみたこの空間は真っ暗で人一人見えるのがやっとだ。
なぜこの真っ暗な空間に私と他の見知らぬ人達がいる理由は私には分からない。もしかしたら私のどこかでは理由があるかもしれないけど分からない。
でも私もさっきの人みたいに思い切り叫んで助けを求めたい。
だけど、そんなことはしない。きっと私の仲間が来てくれることを信じてくれるからね。
ちょっとファンシーな思考かもしれないけど、こうじゃないとこの先やっていけない。
「しかしどうやったらここを出れるんだ!俺らを閉じ込めてなにになるんだ!」
「そうよ!なんで私達が閉じ込められてるのよ!」
「もうここで人生終わるのかな」
いろんな人たちが叫びだす。この叫びを淡々と聞いていると自分までおかしくなりそうだ。
そろそろ頭がイカれそうになったときにふと遠くの方から光があふれだした。
人たちは光がある場所に一斉に走りだした
『どうせ罠かもしれないのに』
と、どこかで呟く声が自分の中に響いた。そんなことは思っていないはず。
とりあえず私もその光のところへ行こうとしたら、いきなり視界が白い布が見えた、反射的に布に手で掴もうとすると、その腕を誰かに掴まれた。
「君は……ここから出させない。出したら次はどこかに行きそうだから」
「え?」
この空間は暗いはずなのに私の腕を掴んでる人はものすごく明るい。着ているものは白衣、それに髪の色が銀色のストレートの男性……いや、私と同じぐらいの歳だと思う。
「次はちゃんと君を守る。だからしばらくまたここにいることになる……待ってて」
私はこの言葉の意味がまったくわからなかった。いや分かろうとしなかったんだ。
銀髪の少年は私の腕を静かに離し、私の元から消えた。
光はなくなった。周りの人たちもいない。暗い空間に私一人だけ。
「そっか……こうやってまた一人になるんだ。仲間なんてもう死んでるんだ。遠い昔に。私だけ未練たらしく生きてたんだ。そっか」
もう私自身なに言ってるかわからない。口が淡々と動く
「どうしてわからなかったんだろ。何回繰り返しても無駄だってことを。どうして……あの人は毎回私のことを……」
そして徐々に私の身体が闇に覆われていくのが最後だった。